京都古文化特集

仏女新聞×朝日新聞 ふつふつと記者魂

  • 文・飯島可琳(仏女新聞・仏声人語)、小滝ちひろ(朝日新聞)
  • 2013年10月30日
(放生院)本尊の地蔵菩薩像を前にカメラを構える飯島可琳さん=京都府宇治市、戸村登撮影

  • (放生院)本尊の地蔵菩薩像を前にカメラを構える飯島可琳さん=京都府宇治市、戸村登撮影

  • (恵心院)福若亮阿住職から「子どものころは、不動明王さん(右から2体目)の前でお昼寝してたのよ」という思い出話を聞いた=京都府宇治市、戸村登撮影

  • (妙法院)普賢菩薩像が乗る象が体からハスを咲かせていることに注目した=京都市東山区、戸村登撮影

  • (盧山寺)鬼大師像。可琳さんには笑って見えたという=写真提供・京都古文化保存協会

  • 公開される21か所(太字)

 仏像を拝んで感じ入るのは、大人だけではありません。子どもの無邪気な感覚もその本質をとらえるのです。秋の一日、「仏女新聞」を発行する奈良県生駒市の小学4年生、飯島可琳(かりん)さん(10)と京都の四つのお寺を訪ねました。仏女新聞VS.朝日新聞。非公開文化財をめぐる秋の取材合戦です。

 

◆肌つるつる 背後も輝き――放生院(宇治市)

 修行僧の姿をしていることが多い地蔵菩薩(ぼさつ)がなぜ華やかな衣を身につけているのだろう。地蔵菩薩の慈悲を求めてさまよっている人々がいるとしたら、この地蔵菩薩の輝く衣なら暗闇の中でもすぐに見つけることができそうだ。(仏女新聞)

 宇治川に橋をかける時、治水と交通安全を願った「宇治橋の守り寺」。本堂の真ん中に、高さ1・9メートルの本尊、地蔵菩薩像(重要文化財、鎌倉時代)が立っている。迷える人々を救いに向かおうと、前のめりに歩み出す姿だ。

 「肌がつるつるしていて、写真で見るより優しいお姿です」。可琳さんは足元から見上げた。

 黒木英雄住職が懐中電灯を手に近づく。「造られた当時の色が残っているんだよ」。衣の左裾を照らすと、黒くすすけていたところが緑色にきらめいた。

 「あっ」。可琳さんが思わず声を上げた。金箔(きんぱく)や彩りが随所に残る美しい像だが、見えにくい場所にも往時の輝きが残る。

 「見えないところは簡単にする仏像が多いけど、このお地蔵様は後ろまできちんと造られています」と、可琳さんは話した。

 

◆ぬれたように 流れる衣――恵心院(宇治市)

 恵心院の本尊は平安時代の一木造(いちぼくづく)りの十一面観音だ。腰から足にかけて流れるような縦の木目がある。海から上がった体に薄い布がまとわりついているようでもある。木目で観音の体の輪郭がはっきりと見えるため、ずっしりとした存在感がある。(仏女新聞)

 弘法大師が開き、11世紀初頭に恵心僧都(えしんそうず)が再興した。1559(永禄2)年建立の本堂で、幼稚園教諭から転じた尼僧の福若亮阿(ふくわかりょうあ)住職が迎えてくれた。

 堂内には、本尊のほかに大小数十体の仏像がひしめく。明治初期の廃仏毀釈(きしゃく)の折、近隣の寺から避難したのだという。

 可琳さんは、人々を仏の教えに導く五大明王像(ごだいみょうおうぞう)に目を留めた。室町時代の不動明王を中心に、江戸時代の金剛夜叉(こんごうやしゃ)・降三世(ごうさんぜ)・軍荼利(ぐんだり)・大威徳(だいいとく)の4明王が並ぶ。「いろんな色や柄があるのを見てもらえたらうれしいな」と住職。可琳さんはうなずいて、5体の像を静かに見上げた。

 桜、シャクヤク、スイセンなどが咲く「花の寺」。この日も住職は庭の手入れに追われていた。

 

◆同じ形の台座 なぜ――妙法院(東山区)

 普賢(ふげん)菩薩が乗っている象は体から蓮(はす)の花を咲かせ、鼻にも蓮を持っている。もしかすると、普賢菩薩に蓮の花を捧げようとしているところなのかもしれない。(仏女新聞)

 京都国立博物館の東にあり、慈悲と理知で人々を救う普賢菩薩騎象像(きぞうぞう)(重文)を本尊とする。平安時代の作で、蓮華座(れんげざ)に座った菩薩が象の背に乗る。

 可琳さんの疑問は「象の4本の足は丸い台座に乗っているけど、その前にももうひとつ、同じ形の台座があるのはなぜ?」。

 お香の器を置いたのか、象が前へ歩み出す意味なのか。正解はわからなかった。いつか仏女新聞で謎解きをお願いします。

 

◆鬼大師 笑ってる――廬山寺(上京区)

 鬼が笑っているか、怒っているか、どのように見えるかで自分の心の様子が分かるそうだ。頭に如意宝珠(にょいほうじゅ)を載せた鬼大師(おにだいし)と向き合ってみよう。(仏女新聞)

 紫式部の邸宅跡という寺に着くと、町田亨宣(こうせん)執事から逆取材を受けた。「どんな仏様にひかれますか?」。可琳さんは「観音様です。きりっとしているのに、ずっしりとしたお顔だったり、すらっと穏やかな表情だったりします」と答えた。

 拝観したのは、10世紀に寺を開いた元三(がんざん)大師の分身、鬼大師像。大師の端正な顔立ちに騒ぐ宮中の女官をしずめようとした姿という。でも、可琳さんは「笑ってみえますよ」。

 

◆仏声人語

 私は実際に仏の声を聞いたことはない。仏像が声を出すことはないが、私たちは仏像の表情から何かを感じとっている。

 たとえ仏像が口を閉ざしていても、仏と人は心で会話することができるはずだ。遠い存在だと思えば、仏は決して私たちに近づいてはくれないだろう。仏とは自分の心の中に存在するものなのかもしれない。仏と会話するということは、自分の心と会話するということなのではないか。自分の心の中にいる仏と会話することができれば、仏が遠い存在だと思っている人でも、仏が近くにいると感じるときがくるだろう。

 

◆「仏女新聞」を4カ寺で配布

 「京都非公開文化財特別公開」を特集した「仏女新聞」11月号は、今回取材した4カ寺で公開期間中、無料配布します。なくなり次第終了しますが、仏女新聞のホームページ(http://butsujo.net/)でも読めます。

 

◆仏女新聞とは

 可琳さんが小学校に張り出すため2012年から制作する壁新聞。各寺を取材し、記事もコラム「仏声人語」もひとりで執筆する。内容が濃く、奈良の興福寺特集が寺の境内で2千部以上無料配布されるなど、大人の関心を呼んでいる。

    ◇

◆京都非公開文化財特別公開◆
【期間】11月1日(金)〜11月10日(日)
 ※一部公開期間・時間が異なるところがあります
「上賀茂神社」 庁ノ舎は11月1日から11月3日拝観不可
         高倉殿は11月4日から11月10日拝観不可
「真珠庵」   11月4日は12時30分より拝観不可
「清浄華院」  公開期間は11月1日から11月8日
「廬山寺」   大師堂は11月3日正午から午後4時
         本堂は11月4日午前11時から正午拝観不可
「冷泉家」   公開期間は11月1日から11月4日
「法然院」   公開期間は11月1日から11月7日
【時間】午前9時〜午後4時(拝観受付)
【拝観料/1カ所につき】大人800円、中高生400円 ※東寺のみ高校生700円、中学生500円
【主催】京都古文化保存協会・公開対象機関
【後援】京都市
【特別後援】朝日新聞社
【問い合わせ】〈協会〉075−561−1795
【協会ホームページ】http://www.kobunka.com/hikoukai2013aki.html
【朝日新聞デジタル特設ページ】http://www.asahi.com/koto/

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