グッドデザイン賞

近未来を示唆するデザインを達成した「医薬・医療用ロボット VS-050S2」

  • 2014年11月14日
グッドデザイン大賞 産業用ロボット「医薬・医療用ロボット VS-050S2」 先端に“ハンド”を装着することで様々な作業に対応する

写真:表面塗装の代わりに磨き上げ処理を施し、洗浄耐性とデザイン性を同時に向上 表面塗装の代わりに磨き上げ処理を施し、洗浄耐性とデザイン性を同時に向上

写真:凹凸が少なく流れるようなフォルムは、汚れや雑菌を寄せつけない工夫でもある 凹凸が少なく流れるようなフォルムは、汚れや雑菌を寄せつけない工夫でもある

 自動車部品や産業機器を手掛けるデンソーは、1976年からこれまでに累計121件のグッドデザイン賞を受賞している。今年度は、QRコードの開発などでも知られるデンソーウェーブと共同開発した「医薬・医療用ロボット VS-050S2」が、最も優れたデザインとして顕彰される「グッドデザイン大賞」を受賞した。

 今日、産業用ロボットは製造ラインの自動化や省力化に欠かせない存在だが、半導体などの精密加工分野ではクリーンルームなど高い空気清浄度が保たれた環境下に配備されることになる。その際には、ロボット自体の清潔性を保つための洗浄や清掃がしばしば行われ、その作業に滞りが生じるとライン全体の生産性が低下し、製品の品質まで損なわれてしまう可能性がある。

 製薬、食品などの分野に用いられる産業用ロボットは、塵埃(じんあい)などに加え浮遊微生物も除去された滅菌環境(バイオクリーンルームなど)のもとで稼働させるため、製造ライン上でロボット自体の衛生状態をいかに高く保つかが課題であった。そのためロボット導入による自動化を需要が高じていながら、そのニーズに供給者側が十分に応えられていなかったのだ。

 本製品は、主に医薬・医療分野への投入が想定された「産業用垂直多関節ロボット」である。用途の性格上、バイオクリーンルームなどの特殊な条件に適応していることが求められるだけに、製造作業面でのパフォーマンスやメカニックな特性はもとより、ロボット本体の洗浄・清掃のしやすさが極限まで追求されている。

 具体的には、本体の露出面を滑らかな曲面で構成し、溝や穴を埋めて凹凸を解消するとともに、関節部断面を正円にすることで接合面の段差や隙間を限界まで小さくした。そうした工夫の積み重ねで、本体に汚れや雑菌が付着しにくく清掃が容易になり、バイオクリーンルームなどに求められる高度な衛生状態が保持されやすくなった。

 通常、この種のロボットは腐食防止や美観のために塗装が施されるが、本製品では滅菌のための過酸化水素ガス洗浄などへの耐性を考慮して表面塗装を廃し、入念な磨き上げ処理と3層のメッキ加工を施した。こうして生まれた美しい流線形フォルムとメタリックな輝きが、これまでにない品質感と存在感を現出。衛生上の要求を正面から満たしつつ、製造現場の近未来を示唆するデザインを達成した点が「大賞」に値すると評価されたのである。

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