「やらせようとすることがNG」 厚切りジェイソンさんに聞く、子どもたちの関心への寄り添い方

文:狩野さやか 写真:山田秀隆

お笑い芸人とIT企業役員という二足のわらじで活躍する厚切りジェイソンさん(34歳)。子ども向けの英語やプログラミングのテレビ番組にも出演し、子ども達にも大人気です。プライベートでも3人のお子さんのお父さん。ご自身のパソコンとの出合いや、家庭でお子さんとどう向き合っているのかについてお話をうかがいました。

パソコンとゲームが大好きな子ども時代

――ご自身がはじめてパソコンを使ったのはいつ頃でしたか?

小学生の頃に、父が仕事で使わなくなったパソコンをもらったのがきっかけで自分のパソコンを持つようになりました。パソコンでもよくゲームをやっていました。

――その頃からプログラミングもやっていたのですか?

Windowsの前の時代のMS-DOSのパソコンで、ゴリラが出てくるゲームのプログラムがついていたので、ちょっといじってみて何が変わるのかを確かめたりしていました。プログラムのコードを書き換えるとたいていゲームが動かなくなったのですが、1回だけゴリラの顔の形を四角くできたのを覚えています。その頃からずっとプログラミングをやるつもりで、大学と大学院でコンピューターサイエンスを学び、最初のキャリアもプログラマーでした。

家庭でのパソコンとの付き合い方

――いま、ご自身が父親としてお子さんと一緒にパソコンを触れることはありますか?

小学3年生の娘は学校でタブレットパソコンが配られています。うちにあるパソコンを子どもが使うのは、テレビにつないで動画サービスを見るときくらいですね。娘がプログラミングを楽しんでいたら僕もプログラミングで何かを作って見せることがあります。子ども自身が「楽しい」と思っていることを一緒にやるようにしています。

――パソコンは子どもの頃から使えた方が良いと思いますか?

僕は、子どもの頃からゲームもパソコンも好きで、そういったコンピューター機器に触れる機会や環境があったことはよかったと思っています。でも自分の子どもに「やったほうがいい」とか「やりなさい」と言うことはありません。パソコンに限らず、親から一方的に「やりなさい」と言われる事柄は、子どもは反発して嫌いになってしまう可能性があります。とりあえずやってみたら意外と面白いと思うかもしれませんが、親から押しつけるのは違う。僕も子どもの頃に親から「やりなさい」と言われたことはなく、自分が興味を持ったことを進んで楽しんでいました。

子どもがやることを親も含め、本人以外が決めてあげる生活はよくありません。習い事などでスケジュールが詰まっていてプレッシャーがかかりすぎの子どもが多いと感じます。ただやらされるだけだと、本当に何をしたいのか考えないまま大人になってしまいますから。近頃は「やりたいことがわからない」という若い社会人や学生さんが多い印象です。

子どもが夢中になる自由な時間が大切

――「やりなさい」と言わないで見守るにはどうしていますか?

僕は、子どもには自由な時間が非常に大事だと思います。やりたいことを自分で見つけて、それにとことん時間をかけられる環境を整えてあげることが一番です。やりたいことは本人が見つけないとダメ。僕は子どもには自由にさせています。親が「こうなって欲しい」と思って勧めたり、たくさんのチラシを並べてどれかを選ばせたりするようなことをしてもうまくいきません。子どもは自由な時間がたくさんあると、自分で考えるようになります。僕の子どもたちには、自分が進みたい道を自分で見つけてほしいです。

――子どもがやる気になるスイッチを入れる工夫はありますか?

やる気のスイッチを入れるというのは、子どものやるべきことを親が決めてどうやってやらせるかという話。それは逆だと思います。子どもがいま何に興味があって、何に夢中になっているかを聞けばいいんです。子どもが夢中になっていることに親が目を向け、それに関連することを提案するといいと思いますよ。それが一番子どもも受け入れやすいと思います。

娘がプログラミングを楽しんでいたら僕も興味をもって会話しています。勉強以外でも、子どもが好きなテレビ番組のマネをして、家の中でドッキリをしかけ合って遊ぶなど、子ども自身が「楽しい」思っていることを一緒にやるようにしています。

――学びも遊びもお子さんの意志をとても尊重されているかと思いますが、お子さんがゲームばかりやって困ったという経験はありませんか?

うちもゲームをやっていることは多いです。宿題を終わらせたらゲームをやっていいことにしているので、大急ぎで宿題を終わらせていますよ。ルールを守っていればずっとゲームをやっていても気になりません。

――他にもお子さんとの関係で工夫していることはありますか?

子どもにやって欲しいことは、親である自分がやっている姿を見せるということですね。例えば、僕は毎日漢字の練習をしていて、「パパは今日の分をやっているよ」とアピールすると、子どもたちも英語の本を持ってきて一緒に読もうかな、となります。親である僕がやっていないことを子どもたちにやりなさいと言っても説得力がないですから。

――小学生もパソコンを使ったりプログラミングをしたりする機会が増えてきました。ITについて子どもたちに伝えたいことは何ですか?

今、新しい成長をしているビジネスはだいたいITに関連しているんですよね。IT×自動車、IT×医療、IT×農業という風に、どこにいても使えるし、どこにいても成長させるきっかけになるスキルです。いままで不可能だったことを可能にする力があります。今は生活のどこを見てもプログラムが動いていて、ITの仕組みに囲まれていますから、自分が実際に生きている世界がどうなっているのかを少しでも理解するといいと思いますよ。

つい、我が子に口うるさく「やらなくていいの?」と言ってしまいがちな人も多いかと思いますが、厚切りジェイソンさんは、子どもに対する目線が対等。子ども自身が自分で考える力を楽しみながら身につけていることが伝わり、親としてはハッとさせられるお話でした。

PROFILE

厚切りジェイソン(あつぎり・ジェイソン)

1986年米国生まれ。ミシガン州立大学卒業後、イリノイ大学大学院修士課程修了。2005年、学生時代に初来日し日本企業に勤務。2011年、クラウド企業の日本法人支社長として再来日。15年2月、デビュー4カ月で「R-1ぐらんぷり2015」の決勝に進出し、お笑い芸人としてブレイク。IT企業の役員も務める。

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