レシートを写した画像を送ると、1枚につき最大10円が受け取れる――。そんな画期的なアプリ「ONE」を開発したのが、当時17歳だった山内奏人さん(20)=現在、WED代表取締役=です。全ての小中学生にデジタルデバイスを配る「GIGAスクール構想」が進むいま、幼い頃からPCに親しんできた山内さんにこれまでの歩みをうかがいながら、全方向で子どもの使いやすさを研究して開発された富士通パソコンのタブレットPC「arrows Tab EH」を体験していただきました。
PROFILE
「WED」代表取締役。2001年、東京都生まれ。小学生の頃からPCに親しみ、プログラミングを独学。小学6年生の時、「中高生国際Rubyプログラミングコンテスト」の15歳以下の部で最優秀賞を受賞。2016年に15歳という若さでWEDの前身を立ち上げ、2018年にレシート買取アプリ「ONE」をリリース。
独学したプログラミングは「魔法の杖」
山内さんが最初に自分のPCを手に入れたのは7歳ごろ。自宅にあったノートPCを両親が買い替えたため、その「お下がり」をもらったそうです。
山内さんは「arrows Tab EH」を手にすると、「もらったPCは子どもにとってはかなり重く、持ち上げるのも大変でした。その頃にこんなに薄くて軽いPCがあれば、ほしかったなあと思います」
両親はともに会社員で、3つ上の兄がいる「普通の家庭」に育ったといいます。小学校低学年の頃は内向的で、学校になじめず、登校しても保健室で過ごすことが多かったそう。代わりに足しげく通ったのが、近くの公立図書館でした。
「PC関係の本を、棚の左側から読破していきました。それで、まずPCにインストールされていたWord(ワープロソフト)、Excel(表計算ソフト)、PowerPoint(プレゼンテーションソフト)を使えるようになったんです。その後も本を参考に、コマ撮りのアニメなんかをつくっていたのですが、飽き足らなくなっちゃって。そこで、やっぱり本を読んで、自分でプログラミングをするようになったんです。9歳か10歳の時でした」

今回、山内さんに試してもらった「arrows Tab EH」にもWord、Excel、PowerPointが使える「Office Home & Business 2019」があらかじめインストールされています。
「3つのソフトは大人になれば多くの人たちが使います。小さい頃から抵抗感をなくしておくのはいいことだと思いますね。僕は(中高一貫の)東京学芸大学付属国際中等教育学校に進んだのですが、中1からPowerPointを使う授業がありました。周りの友だちは操作できなかったので、すごいアドバンテージになりましたよ」
最初の頃、山内さんが組んでいたのは、エンジニア向けのタスク(仕事)管理やメールを自動配信するためのプログラム。自分がつくりたいものが少しずつ形になっていくのが、とても楽しかったそうです。「頭の中で考えていたことが、プログラミングによって具現化される。まるで『魔法の杖』のような感じでした」と山内さん。とはいえ、小さな子どもがPCに夢中になることに、両親は心配しなかったのでしょうか?
「心配していたと思います(笑)。でも、やめるように言われたことはなく、僕がプログラミングのコンテストに出たいと口にした時には、応援してくれました」
山内さんは小6で「中高生国際Rubyプログラミングコンテスト」に挑戦。15歳以下の部で最優秀賞に輝きました。「両親は僕以上に喜んでくれましたね」と笑顔で振り返ります。
アプリでプログラミングを学べる
2020年度から小学校で必修化されたプログラミング教育。「arrows Tab EH」には、子どもが楽しんでプログラミングを学べるアプリ「プログラミングゼミ」もインストールされています。
体験してみた山内さんは「可愛いアプリですね。僕は本で学びましたけど、プログラミングに興味を持つきっかけは何でもいいと思います。入り口としてはこれぐらい簡単なもののほうが望ましいかもしれません。セキュリティソフトが無料で使えるのもいいですね」
独学で「魔法の杖」を獲得した山内さんは、コンテストで最優秀賞をとったことにより、「外の世界とのつながりができた」と語ります。学校が自由な校風だったこともあり、中1からエンジニアや起業家が集まるイベントなどに顔を出し始めました。やがて、複数のベンチャー企業の経営者らから「うちの仕事をやってみないか」と声がかかるように。
「平日は放課後に自宅でリモートワーク、学校が休みの土日には出社して、プログラミングの仕事をしました。組んでいたのは売り上げ管理のプログラムなどです。できることがどんどん広がっていくのが魅力で、めちゃめちゃ働きました」

2016年、東京・虎ノ門のビルの一室に、山内さんは知人と2人でWEDの前身となる会社を立ち上げます。この時、山内さんは高校に進んだばかりの15歳。決済関係のサービスなどを手がけていましたが、最初から順風満帆だったわけではなく、巨額の借金を抱えたこともありました。ただ、「あなたの知識量に投資する」と1億円を出資してくれた投資家らに支えられ、2018年、レシート買取アプリ「ONE」のリリースにこぎ着けます。
サービス初日には16時間で7万人のユーザーから24万5000枚ものレシート買い取り依頼が殺到。アプリは2020年、100万ダウンロードを達成しました。レシートに記録された「いつ、どこで、何を、いくらで買ったか」といった個人の購買データを蓄積し、マーケティングに活用したい企業に販売するのがONEのビジネスモデル。2人きりの創業当初、ほとんど売り上げゼロだったという会社は、現在、役員も含めて社員約20人、年商数億円の規模にまで成長しました。
「身近にあり、みんながいらないと思っているけど、価値があるものって何だろう」。そんな問いから導き出された答えが「レシート」だったといいます。「あたりまえを超える」を企業理念に掲げ、「現状にとらわれず、多様化する未来に向けて、今後も消費や購買の体験を変えるサービスを提供していきたい」と山内さんは言葉に力を込めます。
PCは学びに欠かせないツールになっていく
コロナ禍の影響で一層必要性が高まったデジタル端末。子どもにどのようなPCがふさわしいか模索している親御さんも多いのではないでしょうか。
山内さんの会社でも在宅勤務が日常となり、社員間のコミュニケーションはテレビ会議が普通になっているといいます。
「オンラインでやりとりできるスキルは身につけておくといい」と山内さん。「arrows Tab EH」は本体前面だけではなく、デジタル教材のQRコード読み取りが可能な背面カメラも搭載。オンライン学習に役立ちます。
「僕にとってPCやプログラミングは『遊び』であり、その延長線上に『ビジネス』がありました。だから、仕事をしていて、めちゃめちゃ楽しい。幼い頃、やりたいと思った時にPCを与えてもらい、身近に図書館があった僕は、恵まれていました。
子どもが自分のやりたいことを言語化でき、自己表現できるツールがPCであれば、保護者は買い与えてあげればいいと思います。『arrows Tab EH』は、必要なソフトが入っていて、簡単なプログラムを組むにも不便がないので、小さな子どもの入門用にちょうどいいと思いました」

タフな造りで軽量・薄型のタブレットPC

「コンパクトで丈夫だから、小学生でも持ち歩きやすい」と、山内さんも太鼓判を押した「arrows Tab EH」は、子どもたちが使うのに必要な「壊れにくさ」と「使いやすさ」の両立を目指してつくられています。
開発過程で落下や振動、加圧への耐久度に関する厳しい試験をクリアしており、液晶画面には強化ガラスを採用。本体にも摩擦力が高くて滑りにくい素材が使われています。キーボードはワンタッチで脱着でき、タブレット単体の重さはわずか約590グラム。水滴やホコリにも強く、気軽に屋外へ持ち出せます。


※1:本試験は製品の品質を評価するためのものであり、落下・加圧などによる無破損・無故障を保証するものではありません
※2:本テストはデータの保全を確認するものであり、装置本体の機能・性能を保証するものではありません
また、セキュリティ面も安心して使えるように、3年間無料で使えるセキュリティソフト「マカフィーリブセーフ」がついており、不正アクセスやコンピューターウイルスから長く守ってくれるので安心。子どもが初めて触れるパソコンとして活躍しそうです。
◆富士通パソコン「arrows Tab EH」
OS:Windows 10 Pro 64ビット版
CPU:インテル®Celeron® プロセッサーN4000
メモリ:4GB
ディスプレイ:10.1型ワイド[1920×1200]
Office:Office Home & Business 2019
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