人を寡黙にさせるマイナス20度の車窓風景 世界の長距離列車・シベリア鉄道編(2)
文: 下川裕治
世界で最も長い距離を走るシベリア鉄道のウラジオストク発モスクワ行き列車。9259キロを6泊7日かけて走る。列車のひと晩が明け、ハバロフスクへ。そこから進路を西に向け、ひたすらモスクワに向けて走り続けることになる。今回のハバロフスクからウランウデまでの区間は、シベリアの深部。最もシベリアらしい風景が広がる一帯でもある。この区間を走り抜けるのに丸2日かかった。
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前回の旅「今が“行き時”のロシアで6泊7日の列車旅 世界の長距離列車・シベリア鉄道編(1)」は、こちらへ
※取材期間:2017年3月1日~3月3日
※価格等はすべて取材時のものです。
長編動画(再生時間:約60分)
【動画】極寒のシベリア。森には音がなく、動物の気配もない。この光景、どこか吸いこまれていくような透明感がある。じっくり1時間。その怖さ、感じてみてください。
短編動画
【動画】ベロゴルスク駅。点検のために列車の台車を叩く音が、マイナス20度に迫る寒気のなかを流れてくる。耳に届く音も寒さのせいでどこか違う?
今回の旅のデータ
シベリアは広大だ。そのなかを列車は、西へ、西へと進んでいく。その都度、シベリアは違った顔を見せるが、いちばんシベリアらしいエリアといったら、ハバロフスクからバイカル湖までの一帯である。そこから西は、同じシベリアといってもだいぶ開けてくる。シベリアらしさを味わいたかったら、このエリア。人を寡黙にさせる2日間の列車旅だ。
<バイカル湖を越え、沿線の各都市へ 世界の長距離列車・シベリア鉄道編(3)>へ続く。