京都ゆるり休日さんぽ

お寺+デザインストアの新感覚スポット「D&DEPARTMENT KYOTO」

お寺+デザインストアの新感覚スポット「D&DEPARTMENT KYOTO」

モノや食、観光を通してその地域らしさを発見する「D&DEPARTMENT」の京都店は、本山佛光寺の境内の中に

京都の街中で、約400年ものあいだ歴史を紡いできた本山佛光寺。このお寺の境内に、「ロングライフデザイン」をテーマにしたデザインストア「D&DEPARTMENT KYOTO(ディアンドデパートメント キョウト) by 京都造形芸術大学」が誕生したのは2014年のこと。本山佛光寺と京都造形芸術大学、デザイン活動家のナガオカケンメイ氏率いるD&DEPARTMENTの協業により誕生したこちらの店は、オープンから約3年が経ち、今や京都を訪れる人や地域の人々にとってなくてはならない存在となっています。

お寺+デザインストアの新感覚スポット「D&DEPARTMENT KYOTO」

カフェ「d食堂」は朝10時半からオープン。ガラス戸越しに見える境内の眺めが心地よい

境内に入るとまず目に入るのは、参拝客らの休憩に利用されていたお茶所が生まれ変わった「d(ディ)食堂」。境内に開かれたガラス戸と縁側が心地よい建物をそのまま利用し、京都の食材を使ったランチやデザートを味わうことができる空間です。欄間(らんま)や御内仏(おないぶつ)といったしつらえも残されており、まさに「お寺の中」の趣そのもの。天気の良い日はガラス戸が開け放たれ、境内を眺めながら縁側でテイクアウトのコーヒーを飲むこともできます。

お寺+デザインストアの新感覚スポット「D&DEPARTMENT KYOTO」

名物メニュー「焼きおむすびのだし茶漬け」(1,000円・税込み)には京都らしい食材が満載

「焼きおむすびのだし茶漬け」は、d食堂の定番メニュー。ねぎみそ入りの大きなおむすびに、京都の老舗・澤井醤油の淡口しょうゆを丁寧に塗り重ね、パリッと香ばしく焼き上げた一品。

お寺+デザインストアの新感覚スポット「D&DEPARTMENT KYOTO」

好きなタイミングで特製のだしをかけて。焦がししょうゆの風味が溶け出し、いっそう豊かな味わいに

そのままでまず一口ほおばった後は、自慢のだしを注いでお茶漬けに。お好みでお漬物や牛しぐれ煮、ぶぶあられを加えて、味の変化を楽しみながらいただくことができます。

お寺+デザインストアの新感覚スポット「D&DEPARTMENT KYOTO」

「クリームあんみつ」(800円・税込み)は、名店の生麩、あんこ、黒豆のハーモニーを楽しんで

和のスイーツや抹茶もあり、そのどれにも京都の名産品が使われているのにも注目。例えば「クリームあんみつ」は、錦市場のお麩(ふ)専門店「麩嘉(ふうか)」の生麩、京都のあんこといえば名のあがる中村製餡(せいあん)所の粒あんに、佃煮(つくだに)の名店・津乃吉(つのきち)の黒豆煮といったオールスター。一皿で京都の老舗や人気店の味を楽しめるほか、調味料や食材は隣のストアで販売されているものもあります。

お寺+デザインストアの新感覚スポット「D&DEPARTMENT KYOTO」

京都のプロダクトを中心に、デザインと機能性に優れた良品が並ぶストア

デザインストア「D&DEPARTMENT KYOTO by 京都造形芸術大学」は、和合(わごう)所と呼ばれる僧侶の宿泊場所だった建物。店内には、地域に根付き、必然的な機能美を備えた「ロングライフデザイン」の生活道具が並びます。京都の老舗の名品や若手作家のプロダクトなどもそろい、グッドデザインの京都みやげを見つけるのにもぴったり。カフェで使用されている食器や調味料も並ぶので、実際に使い、味わい、その良さを実感したアイテムを購入できるのもポイントです。

お寺+デザインストアの新感覚スポット「D&DEPARTMENT KYOTO」

調味料のほか、漬物や乾物、おやつなど、京都みやげにもぴったりの食品がずらり

ストアにはギャラリースペースもあり、京都造形芸術大学の学生らが企画した展示やイベントが行われることも。商品のセレクトや古道具の買い付け、メニューや店頭POPの編集制作などにも、積極的に学生が関わっています。観光地であり、学生の街であり、ロングライフデザインと歴史的背景の宝庫でもある、京都ならではのコンセプトストアの形がここにあります。

お寺+デザインストアの新感覚スポット「D&DEPARTMENT KYOTO」

店長の小原龍樹(おばら・りゅうき)さんは、人力車の俥夫(しゃふ)だったというユニークな経歴の持ち主。観光情報にも詳しい

取材時、店には国内外からの観光客らしき人々が次々と訪れていました。一方で、朝の散歩の途中に立ち寄る地元の人や、縁側でくつろぐ人たちも。地域に根ざしながらも万人に開かれた新しいお寺のスタイルに、きっと心地よさを感じられるはずです。(撮影/津久井珠美 文/大橋知沙)

お寺+デザインストアの新感覚スポット「D&DEPARTMENT KYOTO」

ガラス戸越しに境内を眺める「d食堂」の店内。お寺のしつらえそのままの空間が落ち着く

【D&DEPARTMENT KYOTO by 京都造形芸術大学】
ショップ/075-343-3217
カフェ/075-343-3215
京都府京都市下京区高倉通仏光寺下ル新開町397 本山佛光寺内
ショップ/10:00〜18:00
カフェ/10:30~18:00(LO 17:00)
水曜定休(祝日の場合は翌日休)
地下鉄烏丸線四条駅から徒歩5分
http://www.d-department.com/jp/shop/kyoto

■「京都ゆるり休日さんぽ」のバックナンバーはこちら

PROFILE

大橋知沙

編集者・ライター。東京でインテリア・ライフスタイル系の編集者を経て、2010年京都に移住。京都のガイドブックやWEB、ライフスタイル誌などを中心に取材・執筆を手がける。本WEBの連載「京都ゆるり休日さんぽ」をまとめた著書に『京都のいいとこ。』(朝日新聞出版)。編集・執筆に参加した本に『京都手みやげと贈り物カタログ』(朝日新聞出版)、『活版印刷の本』(グラフィック社)、『LETTERS』(手紙社)など。自身も築約80年の古い家で、職人や作家のつくるモノとの暮らしを実践中。

フォトグラファー

津久井 珠美(つくい・たまみ)

1976年京都府生まれ。立命館大学(西洋史学科)卒業後、1年間映写技師として働き、写真を本格的に始める。2000〜2002年、写真家・平間至氏に師事。京都に戻り、雑誌、書籍、広告、家族写真など、多岐にわたり撮影に携わる。
http://irodori-p.tumblr.com/

宇治川のほとりで新しい茶文化にふれる「朝日焼 shop & gallery」

一覧へ戻る

定番に旬の彩りを添えた京都の洋食「プチレストランないとう」

RECOMMENDおすすめの記事