世界美食紀行

年に1度の飲み倒れ&食い倒れ祭り「ハワイ フード&ワイン フェスティバル」に参戦!

「ハワイ フード&ワイン フェスティバル」の一シーン。こちらは「フォーシーズンズ リゾート オアフ アット コオリナ」で開催された「テイスト オブ シーズン」。この夜はアメリカの料理アワード「ジェームズ・ビアード賞」受賞シェフなどが参加していました

「ハワイ フード&ワイン フェスティバル」の一シーン。こちらは「フォーシーズンズ リゾート オアフ アット コオリナ」で開催された「テイスト オブ シーズン」。この夜はアメリカの料理アワード「ジェームズ・ビアード賞」受賞シェフなどが参加していました

突然ですが、ハワイで毎年秋に開催されている大規模なフードイベント「ハワイ フード&ワイン フェスティバル」をご存じでしょうか。この夏にこちらでリポートしたように、あの「すし匠」が移転を決めるなど、ここ10年で、とりわけ「ファインダイング」と呼ばれる高級なガストロノミーの分野が大きく変わったといわれるハワイのフードシーン。それと呼応するように、このフェスも年々勢いを増していると聞き、初参戦してみました。

イベント「アンコルクド」の会場で、ひと際歓声が上がっていたのが手まりずしのような、かわいいビジュアルのこちら。アメリカを筆頭にアジア、中南米、中近東、ヨーロッパと世界中にレストラン「NOBU」を展開する松久信幸さんによるハワイ産7種のひと口海鮮丼です

イベント「アンコルクド」の会場で、ひと際歓声が上がっていたのが、手まりずしのような、かわいいビジュアルのこちら。アメリカを筆頭にアジア、中南米、中近東、ヨーロッパと世界中にレストラン「NOBU」を展開する松久信幸さんによるハワイ産7種のひと口海鮮丼です

「ハワイ フード&ワイン フェスティバル」が始まったのは2011年で、今年は7回目の開催。100人を超える世界的シェフ、50組のワインメーカー、10名以上のミクソロジスト(〈生の〉フルーツやハーブ、野菜などとお酒でカクテルを作る人)などが参加し、のべ1万人以上が来場する。そう聞いても、いまいち全容がつかめず、ピンと来なかった私。実際に行ってみると、2017年の場合は、こんな感じでした。

カカアコ地区や新オープンのデザインホテル「ザ モダン ホノルル」など、いま注目の場所が会場に選ばれるのも「ハワイ フード&ワイン フェスティバル」の魅力のひとつ。若い参加者がとりわけ目立ったイベント「スパイスマーケット」では往年の名曲にのって、この盛り上がり

カカアコ地区や新オープンのデザインホテル「ザ モダン ホノルル」など、いま注目の場所が会場に選ばれるのも「ハワイ フード&ワイン フェスティバル」の魅力のひとつ。若い参加者がとりわけ目立ったイベント「スパイスマーケット」では往年の名曲にのって、この盛り上がり

まず、開催エリアはホノルルだけではありません。10月20日~22日がマウイ島、10月28日がハワイ島、11月1日~5日はオアフ島と3島で順番に開催され、それぞれの島ごとに参加するシェフや味わえる料理、お酒などが異なります。私はオアフ島のあちこちで開催された、以下七つのイベントに参加しました。
・11月1日夜「ロー&ワイルド ファーム トゥ テーブル トゥ イノベーション」
・11月2日夜「スパイスマーケット」
・11月3日夜「アンコークド」
・11月3日深夜「スチーミーボウルズ」
・11月4日夜「テイスト オブ ザ シーズン」
・11月5日朝「ケイキ イン ザ キッチン ファミリーサンデー」
・11月5日ブランチ「フードファイト&ブラッディマリー」

ウォールアートで有名なカカアコ地区で開催された「ロウ&ワイルド」。このイベントには将来が気になるシェフが集まっていて、「次に行きたいレストラン」のリストがまた増えてしまいました。いまトレンドのペルー料理のエッセンスをうまく取り入れるなど、時代の空気を感じます

ウォールアートで有名なカカアコ地区で開催された「ロー&ワイルド」。このイベントには将来が気になるシェフが集まっていて、「次に行きたいレストラン」のリストがまた増えてしまいました。いまトレンドのペルー料理のエッセンスをうまく取り入れるなど、時代の空気を感じます

それぞれのタイトルからもわかるように、イベントごとにコンセプトが設定され、それに合ったシェフ、料理やお酒がラインナップされます。たとえば「ロー&ワイルド」なら、生の野菜や魚を使うなど、素材の持ち味を引き出す料理が中心。シェフもレストランをオープンしたばかりの若手や、いま話題を集めている伸び盛りのシェフといった顔ぶれです。「スパイスマーケット」はその名の通り、四川料理やタイ料理、インド料理といったスパイス大国の料理が並びました。ちなみに、ここには日本から、サントリーのほか、麦焼酎の「いいちこ」の三和酒、だしパックで有名な「茅乃舎」も参加。どちらも早々に品切れになるほど好評でした。

「ハワイってやっぱアメリカ!」と思ったのが「フードファイト&ブラッディマリー」。男性シェフVS女性シェフという構図に加えて、写真の魚介やベーコン、ソーセージなどの肉、フルーツや野菜をブラッディマリーにどんどん加えてオリジナルの味のカクテルをつくるのです

「ハワイってやっぱアメリカ!」と思ったのが「フードファイト&ブラッディマリー」。男性シェフVS女性シェフという構図に加えて、写真の魚介やベーコン、ソーセージなどの肉、フルーツや野菜をブラッディマリーにどんどん加えてオリジナルの味のカクテルをつくるのです

すべてのイベントは定員制で、イベントごとに入場券が発売されます。各会場には、基本的にシェフやレストランごとに分かれたブースが立ち並び、それぞれのシェフの料理が少量ずつ使い捨ての器に盛り付けられます。ゲストはブースを周遊しながら、好きな料理を立食ブッフェスタイルで好きなだけ楽しめます。前段で日本ブースは早々に品切れと書きましたが、これは非常にまれなケース。超高級ワイン(イベント「アンコークド」で提供)といったものでない限り、すべてのゲストが満腹になるまで飲んだり食べたりできるようになっています。

「ハワイ フード&ワイン フェスティバル」の創始者、アラン・ウォンさん(左)とロイ・ヤマグチさん、ベリーダンサーたち。アラン・ウォンさんは日本に何度も来日して日本料理にも造詣(ぞうけい)が深く、ロイ・ヤマグチさんは日本語が堪能。それにしても…日本では大御所シェフが公共の面前でベリーダンスを踊るとか、ちょっと聞いたことがないですよね

「ハワイ フード&ワイン フェスティバル」の創始者、アラン・ウォンさん(左)とロイ・ヤマグチさん、ベリーダンサーたち。アラン・ウォンさんは日本に何度も来日して日本料理にも造詣(ぞうけい)が深く、ロイ・ヤマグチさんは日本語が堪能。それにしても…日本では大御所シェフが公共の面前でベリーダンスを踊るとか、ちょっと聞いたことがないですよね

なぜ、「ハワイ フード&ワイン フェスティバル」は始まったのでしょうか。その立役者が、1980年代から進化系ハワイ料理の「パシフィックリム(環太平洋)料理」を確立させ、日本にも新しいジャンルの料理として広めたふたりのシェフ、アラン・ウォンさんとロイ・ヤマグチさんです。同世代で、共に世界的名声を得たふたり。ハワイという恵まれた土地で育つ食材の持つポテンシャルの高さ、日本や中国、東南アジア、ミクロネシアといったさまざまな地域が融合した食文化のオリジナリティーを再発見するとともに、それが正しく世界に発信されていないことにも気がついたそうです。

子ども向けの青空マーケットとフードイベント「ケイキ イン ザ キッチン」では、地元の子どもたちによるフラダンスが披露されました。料理上手な子どもが、小さな子どもでも簡単につくれるデザートレシピを披露したり、子どもたちが直接有名シェフに質問したりと食育の場が設けられました。入場料も5ドルと格安です

子ども向けの青空マーケットとフードイベント「ケイキ イン ザ キッチン」では、地元の子どもたちによるフラダンスが披露されました。料理上手な子どもが、小さな子どもでも簡単につくれるデザートレシピを披露したり、子どもたちが直接有名シェフに質問したりと食育の場が設けられました。入場料も5ドルと格安です

ふたりがイベントを開催する目的は、主に次の五つ。一つは生産者を守り育て、生産者がよりよく食材づくりに取り組めるモチベーションと環境をつくること。二つめは、地産地消という考え方を広めることによって、消費者の意識を変え、安いだけの輸入品ではなく、ハワイ産の食材に目を向けてもらうこと。主催者によると、ハワイはかつて自給率100%の社会システムを形成していましたが、いまでは85〜90%も輸入に依存しているそうです。三つめは、ふたりが発信者となることで、ハワイ内だけでなく、海外にもハワイの食文化を広く伝えること。四つめは、ふたりのシェフが中心になってハワイに設立したカリナリースクール(料理学校)の生徒たちに、世界のシェフの最先端の技術に触れる機会を与えること。五つめは、未来を担う子どもたちにとって食育の場になること。

ホテル「ハレクラニ」のバンケットルームで開催されたガラディナーの会場。参加費はなんと1000ドル!と破格ですが完売したというからすごい。当然ながら参加せず会場をチラ見しただけですが、メイン料理はなんと日本から参加した「うかい亭」のシェフチームが任されたそう

ホテル「ハレクラニ」のバンケットルームで開催されたガラディナーの会場。参加費はなんと1000ドル!と破格ですが完売したというからすごい。当然ながら参加せず会場をチラ見しただけですが、メイン料理はなんと日本から参加した「うかい亭」のシェフチームが任されたそう

「ハワイのいま」を味わえるこのイベント。しかし私のように七つものイベントを掛け持ちするのは、正直ちょっとやりすぎで、スケジュール的にも予算的にもたいへんです。それではどうやったらこのイベントを満喫できるのか。そのヒントは次回のリポートでお伝えします!

■MEMO:旅と予約
来年の「ハワイ フード&ワイン フェスティバル」のスケジュールが先ごろ発表されました。2018年10月6日がハワイ島、10月19〜21日がマウイ島、10月24〜28日がオアフ島です。チケットの発売日はまだ決定していませんが、例年だいたいイベント開催の半年前、4月ごろに発売になっています。人気のイベントは数日間で完売してしまうことも。参加したい方は早めの情報チェックをお忘れなく。

PROFILE

江藤詩文

トラベルジャーナリスト、フードジャーナリスト、コラムニスト。その土地の風土や人に育まれたガストロノミーや歴史に裏打ちされたカルチャーなど、知的好奇心を刺激する旅を提案。趣味は、旅や食にまつわる本を集めることと民族衣装によるコスプレ。著書に電子書籍「ほろ酔い鉄子の世界鉄道~乗っ旅、食べ旅~」シリーズ3巻。

朝日に染まる絶景・チチカカ湖へ、南米初の豪華寝台列車「ベルモンド アンデアン・エクスプローラー」号でアプローチ

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レアなワインも逃さない!「ハワイ フード&ワイン フェスティバル」を攻略する10の方法

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