絵本のぼうけん

サンタクロースを待ちながら 絵本と過ごすクリスマス・イブ

サンタクロースを待ちながら 絵本と過ごすクリスマス・イブ

世界中の子どもたちが楽しみにしているクリスマス・イブまであと少し。「今年はどんなプレゼントがもらえるのかな」「どうやってサンタさんは家の中に入ってくるんだろう」。そんな子どもたちのドキドキした気持ちが大人にも伝わってきます。クリスマス・イブの夜は、大人も子どももいつもより早く寝支度をして、暖かい部屋でゆったりと絵本タイムをお楽しみください。

美しい版画で味わう、聖夜の物語

サンタクロースを待ちながら 絵本と過ごすクリスマス・イブ

『ほしのひかったそのばんに』文:わだ よしおみ 絵:つかさ おさむ(こぐま社)

サンタクロースを待ちながら 絵本と過ごすクリスマス・イブ

中ページ 『ほしのひかったそのばんに』より

『ほしのひかったそのばんに』(こぐま社)は、イエス・キリストの降誕の物語を、美しい版画と共に静かに語る作品です。クリスマスを象徴する赤の表紙、横長のページに広がる版画の鮮やかな色づかい、小さな子どもにも伝わるやさしい語り……。一つひとつの要素がまるで賛美歌のハーモニーのように響き合い、荘厳な世界を作り出しています。日本でうまれたクリスマス絵本の代表的な作品として、出版から50年以上を経た今もまったく色あせることなく、大人と子どもを魅了し続けている特別な一冊です。

イタリアの舞台美術家が彩るクリスマスの夜

サンタクロースを待ちながら 絵本と過ごすクリスマス・イブ

『クリスマス・イブ』文:マーガレット・W・ブラウン 絵:ベニ・モントレソール 訳:矢川澄子(ほるぷ出版)

「まよなかのことでした。それも クリスマスの ばんでした。こどもたちは とこについても ねむれません」(本文より)。オレンジ色のページをめくりながら、『クリスマス・イブ』(ほるぷ出版)のお話ははじまります。そっとベッドから抜け出した4人の子どもたちは足音を忍ばせ、ツリーのある居間へ。きらめくクリスマスツリーの下にはプレゼント、暖炉の前の靴下には色とりどりの包み、そして外からは家々を回る大人たちのクリスマスの歌声。雪ふる夜の子どもたちの喜びと大人たちの静かな祈りが見事に描かれ、読んでいる私たちもその場にいるかのような感覚に包まれます。イタリアの舞台美術家出身のベニ・モントレソールがアメリカの絵本作家マーガレット・ワイズ・ブラウンの遺作に絵をつけました。静かなイブの夜におすすめしたい作品です。

世界中で愛されてきたクリスマス・イブの詩

今から約200年前の12月23日、米国ニューヨーク州の新聞に、作者名のないひとつの詩が発表されました。クリスマスの前の夜、八頭のトナカイが引くそりに乗って、煙突から入ってプレゼントを届けるサンタクロースの姿を、子どもたちの父親が目撃するというストーリー。“The Night Before Christmas” と題され、クリスマスとサンタクロースのイメージに大きな影響を与えました。のちに明かされた作者の名は、神学者のクレメント・クラーク・ムーア。その詩は多くの画家のイマジネーションを刺激し、世界中でさまざまな絵本が出版されることになりました。『クリスマスのまえのよる』(主婦の友社)は明るくカラフルなイラストが魅力。迫力あるさし絵が読み聞かせにもぴったりなのは『しずかなしずかなクリスマス・イヴのひみつ』(BL出版)。大胆で細密なタッチの『聖ニコラスがやってくる!』(西村書店)は、韻をふむ訳が特徴的です。そして「オズの魔法使い」のさし絵で知られるウィリアム・W・デンスロウによる『クリスマスのまえのばん』(福音館書店)では、目のくりくりとしたおどけたサンタクロースが紺色のジャケットで登場します。海外の絵本では、サンタクロースの服は赤と決まっているわけではありません。サンタクロースのファッションチェックも、クリスマスの絵本のお楽しみの一つです。

サンタクロースを待ちながら 絵本と過ごすクリスマス・イブ

『クリスマスのまえのばん』文:クレメント・C・ムーア 絵:ウィリアム・W・デンスロウ 訳:渡辺 茂男(福音館書店)

長く読み継がれてきた3つのクリスマスの物語を紹介しましたが、今年出版された新しい絵本からもおすすめを一冊。『テオのふしぎなクリスマス』(ゴブリン書房)は、イギリスのクリスマスの雰囲気が伝わる作品です。ブリキの兵隊、天使など、クリスマスツリーを彩るオーナメントが少年テオを不思議な冒険に連れていってくれます。

サンタクロースを待ちながら 絵本と過ごすクリスマス・イブ

『テオのふしぎなクリスマス』文:キャサリン・ランデル 絵:エミリー・サットン 訳:越智典子(ゴブリン書房)

「みなさん クリスマス おめでとう! しあわせな よるに なりますように!」
(『クリスマスのまえのばん』本文より)

PROFILE

長嶺今日子

子ども一人ひとりの個性に合わせて絵本を選び届ける「ブッククラブえほんだな!」主宰。子育て支援のイベントやライブラリーの選書も手がける。また、外国語による絵本の読み聞かせ活動にも長年携わっている。

絵本の中のクリスマス “Christmas Trees”

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