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トルファンからマランへ、玄奘三蔵が歩いたシルクロードの旅(2)

西安から西に向かった玄奘三蔵は、かつてトルファンにあった高昌国(こうしょうこく)に入る。この国は5世紀半ばから7世紀半ばまで続いたオアシス都市国家である。高昌国の王は、西に向かう玄奘三蔵に20年分ともいわれる旅費を渡している。「西遊記」にも登場する火焔山(かえんざん)もトルファンに近い山からヒントを得ている。玄奘三蔵は難所を越えたのだが、僕らは逆だった。新疆(しんきょう)ウイグル自治区に入り、まるで戒厳令のような警備にさらされていくことになる。中国のなかのウイグル人たちへの締めつけは、年を追って厳しくなっていた。

《玄奘三蔵が歩いたシルクロードの旅。「ギャラリー」に沿ってクリックを。前回はこちら

※取材期間:2017年12月22日~12月23日
※価格等はすべて取材時のものです。

長編動画


【動画】トルファンから西に向かう列車は天山山脈に迷い込む。傾斜が急で険しい山々。厳しい風景が続く。乗ったのは“硬座”という2等座席。乗客たちが交わすウイグル語がBGM。

短編動画


【動画】トルファンのバザール。肉のコーナーにはずらりと羊。イスラム社会です。

今回の旅のデータ

トルファンはシルクロードの要衝。ここから北に向かい、天山山脈の北側を通る道が天山北路、天山山脈の南側を進む道が天山南路だ。玄奘三蔵ははじめ、北に向かうつもりだったが、高昌国の王のすすめで天山南路を西に向かった。西突厥(とっけつ=6~8世紀にかけてモンゴル、中央アジアを支配した遊牧国家で、後に東西に分裂)と東突厥の勢力争いのためだといわれる。トルファン近郊には玄奘三蔵が滞在した高昌国の城跡がある。世界遺産にも指定されている。

PROFILE

下川裕治

1954年生まれ。「12万円で世界を歩く」(朝日新聞社)でデビュー。おもにアジア、沖縄をフィールドに著書多数。近著に「一両列車のゆるり旅」(双葉社)、「週末ちょっとディープなベトナム旅」(朝日新聞出版)、「ディープすぎるシルクロード中央アジアの旅」(中経の文庫)など。最新刊は、「12万円で世界を歩くリターンズ 【タイ・北極圏・長江・サハリン編】」 (朝日文庫)。

西安からトルファンへ、玄奘三蔵が歩いたシルクロードの旅(1)

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マランからクチャへ、玄奘三蔵が歩いたシルクロードの旅(3)

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