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思わずパチリ、幻想的な韓国大邱のランタンフェスティバル

大邱のランタンフェスティバル

大邱のランタンフェスティバル

出かけると写真を撮りたくなる。撮ると誰かと共有したくなる。

今回は、そんな気持ちにさせてくれる場所を旅した。

訪れたのは、韓国の大邱(テグ)市だ。知名度はソウルや釜山には劣るが、朝鮮時代からの文化と西洋文化を併せ持つ特徴的な町だ。また音楽の町としても知られており、1900年ごろアメリカから来たキリスト教の宣教師によって、韓国に初めてピアノが伝来したのが大邱だといわれている。その名残か、今ではオペラが盛んで、大きなオペラハウスが町に建ち、2003年からは大邱国際オペラフェスティバルが開かれている。

特に印象に残ったのは、「青蘿(つた)の丘」。西洋風の教会や住宅が市街地の中から、ひょっこりと姿をあらわす。周囲の町並みとのあまりのギャップに、異世界に迷い込んだ感覚に陥る。実はこの場所、先にも述べた宣教師の布教活動の拠点だったのだそう。当時、医療の知識もあった宣教師たちは、大邱の人たちの診察や治療もしていたという。いわば大邱の人々が西洋文化と巡り合った場所なのだ。ちなみに青蘿の丘には写真撮影スポットを印すマークがいたるところに。もちろんそこから撮る写真はきれいなのだが、せっかくなら自分だけの構図を見つけて撮影してみては。

青蘿(つた)の丘の宣教師の私宅。今は資料館になっている

青蘿(つた)の丘の宣教師の私宅。今は資料館になっている

続いては打って変わって、韓国の古くからの景色を残すオッコル村へ。大邱地域で最も古い邸宅が並ぶ村で、300年以上前に建てられた住宅もある。まるで韓流時代劇のセットのような景色が広がっている。木漏れ日の中、静かな村を歩くと、いつもより時間がゆっくりと流れているように感じた。

オッコル村の町並み

オッコル村の町並み

旅のクライマックスは、大邱のランタンフェスティバル。釈迦の誕生日とされる旧暦4月8日ごろに毎年開催されているイベントだ。今年は5月19日に行われ、頭流公園に3万人ほどが集まり、約3000個のランタンが上がった。このイベント自体は2014年と最近始まったものだが、新羅時代から伝わる「灯籠(とうろう)をもって町を歩き、釈迦を奉る」仏教行事をもとにしている。

ランタンを飛ばす前にはステージでライブが行われるなど、会場は完全にお祭りムードだ。
事前にランタンが配られ、参加者自らが組み立てるのだが、完成すると予想以上に大きく人の腰ほどの高さがあった。

ランタンというと、多くの人は手提げのガラス製のものを想像するだろうが、ここでのランタンは紙製の袋状のもので、ランタンの下に火をともせば気球の要領で空に浮かぶのだ。
このランタンに願いを書いて空に飛ばすとその願いがかなうらしい。参加者には「去年、結婚したいと願いを書いて飛ばしたんです。当時は彼氏もいなかったのに今年、本当に結婚しました」という人も。どうやら相当な効力だ。筆者もここぞとばかりに三つも願いを書いた。果たしてかなえてもらえるだろうか。

カウントダウンが始まりランタンに火をつけると、大きなランタンがふわりと浮かんだ。いよいよカウントが0になると、会場中から一斉にランタンが上がっていく。空はあっという間に色とりどりのランタンで埋め尽くされ、その美しさに圧倒された。

ランタンフェスティバル。月夜の空に無数のランタンが浮かぶ

ランタンフェスティバル。月夜の空に無数のランタンが浮かぶ

「イベント初年度は仏教関係者を中心に集まり、もっと小規模に行っていました。ここまで規模が大きくなったのは、セウォル号沈没事故の被害者の冥福を祈る市民たちがランタンフェスに参加したからなんです」と大邱広域市文化観光局のハン・マンス局長は語る。

空に舞う、参加者の様々な願いをのせたランタンは、幻想的な風景を作り上げていた。

ランタンフェスティバルでは、花火も打ち上げられた

ランタンフェスティバルでは、花火も打ち上げられた

一つの町で、様々な美しい景観が楽しめる大邱はカメラ旅におすすめ。ぜひ一度訪れて頂きたい。

(文・写真 &TRAVEL編集部 田中遼平)

大邱広域市 公式ホームページはこちら

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