原田龍二の温泉番長

甲府盆地を眼下に望む絶景露天風呂「ほったらかし温泉」

“温泉番長”こと俳優の原田龍二さん(撮影=岡村智明)


“温泉番長”こと俳優の原田龍二さん(撮影=岡村智明)

これまで訪ねた温泉の数は、約200カ所。「温泉との出合いは一期一会ならぬ“一期一湯”」と話す温泉番長・原田龍二さんにとって、特に印象深かった温泉をご紹介します。

今回は、山梨県にある「ほったらかし温泉」。湯船につかりながら甲府盆地や富士山を見渡せる、眺望が自慢の温泉です。

全然ほったらかされてない、管理された良い温泉

湯船から甲府盆地を一望できて、よく晴れた日は、遠くにそびえる富士山の姿もくっきり見える———。今回ご紹介する「ほったらかし温泉」は、標高約670mの場所にある眺望に優れた温泉です。

山梨県にあるほったらかし温泉「あっちの湯」からは、朝焼けに染まる空を眺められる(写真=ほったらかし温泉提供)


山梨県にあるほったらかし温泉「あっちの湯」からは、朝焼けに染まる空を眺められる(写真=ほったらかし温泉提供)

日の出1時間前から営業を開始(「あっちの湯」)しているので、暗いうちから太陽が昇るのを待ちわびる人たちでにぎわっているそうです。テレビや雑誌でもよく取り上げられている温泉だから、行ったことはなくても名前は知っているという方も多いのではないでしょうか。

「原田龍二のオススメなのに、秘湯じゃないんだ……」と意外に思う人もいるかもしれませんが、僕は秘湯好きではあるものの、秘湯しか好きじゃないというわけではないんですよ。内湯で思わず「気持ちいい~!」と声を出してしまったこともありますからね。そういう温泉も、おいおい紹介したいと思っています。

それにしても“ほったらかし”って名前、いいですよね。その由来は、「他の温浴施設のような特別なサービスもなくほったらかしにしてるけど、自由にお湯を楽しんでほしいから」だとか、「建物が掘っ立て小屋のような見た目だから」などと言われているそうですが、僕は“全然ほったらかされてないし、むしろ管理された良い温泉だなぁ”という感想を抱きました。なにせ、人の手がまるで入っていない、本当にほったらかされている温泉に過去何度も出合ってきたので……。

お風呂は二つあって、1999年にできたのが「こっちの湯」、2003年に完成したのが「あっちの湯」。それぞれに男女別の内湯と露天風呂があります。「こっちの湯」の浴槽は、木材や岩でできていて、お湯の温度はちょっとぬるめ。一方、「あっちの湯」の温度は熱めで、広さは「こっちの湯」の約2倍あるとのこと。ただ、どちらも山肌に沿って造られているので、角度は違いますが、富士山も甲府盆地もしっかり見えます。

絶景の中の爽快感と開放感、とっても気持ちよかったです

山梨県のほったらかし温泉で汗を流す原田さん(写真=BS-TBS「日本の旬を行く!路線バスの旅」)


山梨県のほったらかし温泉で汗を流す原田さん(写真=BS-TBS「日本の旬を行く!路線バスの旅」)

僕がこちらの温泉にお邪魔したのは、2015年の夏。まだ明るい時間帯で、最寄りのバス停から20分、汗をダラダラ流しながら坂道を歩きました。「移動は基本的にバスで」という制約がある番組のロケで訪れたため僕は歩くしかなかったですが、マイカーなら温泉の専用駐車場まで一気に上がれるので、楽に行けます。電車を利用する場合は、JR山梨市駅からタクシーで10分くらい。これなら、子ども連れでも行きやすいですよね。

一般的には、温泉のベストシーズンはじっくりお湯につかれる冬なのかもしれない。でも、夏の温泉には夏ならではの良さがあります。暑い時期にさっと入って汗を洗い流すと、気分がスッキリしませんか? 特にこのときの僕はたくさん汗をかいていたから、爽快感がすごかった。視界いっぱいに広がる甲府盆地を見渡せる開放感とあいまって、とっても気持ちよかったです。

甲府盆地の夜景を眼下に望む湯船(写真=ほったらかし温泉提供)


甲府盆地の夜景を眼下に望む湯船(写真=ほったらかし温泉提供)

見渡す限り山とか、目の前が海っていう温泉は多いけど、盆地を一望ってありそうであんまりない。訪れる時間や天気によって、見える景色に変化があるのもおもしろいですよね。早朝は朝焼けに染まる空、日中は青空に映える富士山、日が落ちれば頭上の星と眼下の夜景。僕、温泉の評価は泉質の良しあしだけで決まるものではないと思うんです。湯船からの眺めもすごく大事。お湯の気持ちよさもさることながら、その絶景で強く印象に残ったのが、このほったらかし温泉でした。

(聞き手・渡部麻衣子)

◆連載「原田龍二の温泉番長」では、この5~6年の間、旅番組で数々の温泉を巡った温泉情報の猛者・原田龍二さんにとって、特に印象深かった温泉を隔週で一カ所ずつご紹介します。次回は、大海原を望む青森県の温泉を予定しています。

山梨県・ほったらかし温泉

ほったらかしおんせん

山肌に沿って造られた、甲府盆地を一望できる温泉。南向きで真正面に富士山を望む「こっちの湯」(=写真、ほったらかし温泉提供)と、南東向きで日の出前から営業している「あっちの湯」の二つの浴場があり、それぞれに男女別の内湯と露天風呂が備えられている。泉質はいずれもアルカリ性単純温泉。敷地内には朝食セットや名物の“温卵揚げ”などを提供している店舗のほか、湯上がりに一息つける休憩所もある。

住所:山梨県山梨市矢坪1669-18
電話:0553-23-1526
営業:年中無休。「こっちの湯」午前10時30分~17時(土日祝日は午後10時まで)。「あっちの湯」日の出1時間前~午後10時。いずれも最終受け付けは終了時間の30分前まで
HP:http://www.hottarakashi-onsen.com
入浴料:一風呂につき800円(小学6年生までは400円)

PROFILE

渡部麻衣子

ライター
インタビュー記事を中心に。ときどき書籍や雑誌、ムックの編集も。専門は社会学。興味があるのは人工知能と乗りもの。

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