豪華バスツアーが運行開始。水戸岡鋭治デザインの“走る茶室”

豪華バスツアーが運行開始。水戸岡鋭治デザインの“走る茶室”

「クラブツーリズム フアースト」のシートに座る水戸岡鋭治氏

2019年は、豪華バスでのツアーが脚光を浴びそうだ。旅行会社のクラブツーリズムの新型バス「クラブツーリズム フアースト」が、1月10日に運行をスタートした。デザインを手掛けたのは、豪華寝台列車のブームの立役者でもある工業デザイナーの水戸岡鋭治さん。「自分の部屋や書斎にいるような、“走る茶室”の感覚でデザインした」と話している。

ぬくもりを感じさせる木材を内装に使用

「クラブツーリズム フアースト」は、同社の貸切バスツアーで使用されるオリジナルバス。ゆとりあるワンランク上の旅を乗客に楽しんでもらおうと、JR九州の800系新幹線や寝台列車「ななつ星in九州」など、数々の交通機関や建築物で知られる水戸岡さんにデザインを依頼した。

豪華バスツアーが運行開始。水戸岡鋭治デザインの“走る茶室”

世界に1台だけというこだわりのバス「クラブツーリズム フアースト」

座席は横3席×6列の18席(定員17人+添乗員)。通常の観光バスが44~49席であるのに比べて4割以下。前のシートとの間隔は1メートル余りで、リクライニングを倒してゆったりと座ることができる。頭上には荷物棚がなく、開放的な車内空間となっている。

水戸岡氏が目指したのは“ポストクラシックデザイン”。「モダンよりもクラシックを追求して、懐かしさと新しさを兼ね備えたものを」と語る。優雅な赤と黒を用いた車体に、内装は古今東西の様式や日本の伝統的なデザインを曼荼羅(マンダラ)のように配置した。

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木目調のひじ掛けに、精緻(せいち)な図柄のシートが印象的

ウォルナットなど温もりを感じさせる木材をふんだんに使用しているのも特徴。床はヨーロッパの伝統的な寄木(よせぎ)を用い、格(ごう)天井は宮大工が丁寧に仕上げた。水戸岡さんは「本格的な格天井を使ったバスは、おそらく世界で最初」と説明する。

車内後部には、トイレと独立した洗面台のほか、バーカウンターを設置。ツアーでは厳選したドリンクやお茶菓子を乗客に提供するなど、おもてなしの面も充実させるという。

豪華バスツアーが運行開始。水戸岡鋭治デザインの“走る茶室”

シンボルマーク、ブランケットやスリッパといったグッズなど、ブランディング全般も水戸岡さんが担当。「お客様が主役として最高の旅を自分でつくりたくなるようなバスに仕上がれば」と話している。

バスに乗ること自体を旅の目的に

9日に東京都内で開かれたお披露目会には、水戸岡さんやクラブツーリズムの関係者らが出席。同社執行役員バス旅行部長の村上さちえさんは、開発のきっかけを「バス旅行にマイナスイメージを持たれる方からは『狭くてイヤだ』『くつろげない』『渋滞した時にトイレはどうするの』といった声をいただきました」と説明。「『クラブツーリズム フアースト』は従来の貸し切り観光バスの概念を一掃し、バス自体が旅行の目的となるような旅を目指して運行します」と語った。

当面は、月10数本の首都圏発着ツアーを実施する。水戸岡さんデザインの列車にも乗る一部のコースは既に満席だという。東北、長野、関西などへ2~9日間のツアーを予定している。

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お披露目会に出席した(左から)クラブツーリズムの村上さちえさん、水戸岡鋭治さん、同社の平野恭一取締役、運行委託先であるケイエム観光バスの太田晴久社長

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