楽園ビーチ探訪

急ピッチで進化中のカンボジアの秘境、ロン島

急ピッチで進化中のカンボジアの秘境、ロン島

雨季だったため、透明度は今ひとつ。でも、白砂の感触は上々。朝のビーチには犬の足跡しか付いていません

アンコールワットのあるカンボジアのシェムリアップから国内線の空路で約1時間。世界遺産と合わせて訪れることができるビーチリゾートとして人気上昇中のシアヌークビルがあります。目下、ホテルの建設ラッシュに沸くシアヌークビルですが、その沖合約25キロに浮かぶロン島はまだ開発も小波程度。豊かな自然がたっぷり残り、美しいビーチに目がないバックパッカーやリゾート愛好者がここ数年、集まってきています。

カンボジアで2番目に大きな、面積78平方キロのロン島。島を一周できる道路はまだ整備されておらず、島のほとんどがジャングルに覆われています。この島が注目を集めたきっかけは、フランスやアメリカなどのテレビで数年前に放送されたシリーズ番組「サバイバー」。その映像で映し出された島の風景が話題となり、「15年前は旅行者なんてほんの一握りしか来なかったよ」と地元の人がいう状況が変わりました。

急ピッチで進化中のカンボジアの秘境、ロン島

約7キロも続くソクサンビーチに、リゾートホテルはわずか2軒

中心地は、本土からの定期船が発着するコトゥービーチ。ここにバックパッカー向けの手頃なバンガローやレストランが集中しています。今回滞在したのは、島いちばんのロングビーチの、西海岸にあるソクサンビーチ。うれしいことに、約7キロ続くビーチには2軒のリゾートホテルと数軒のバンガローがあるのみ。しかも砂は漂白したように真っ白、粒も細かく、上質です。そんな美しいビーチで、混雑とは無縁にのんびり過ごせるのです。

急ピッチで進化中のカンボジアの秘境、ロン島

ロフトやヴィラなど客室タイプが豊富なソクサンビーチリゾート。こちらはシービューシャレー

ソクサンビーチにある、その名もソクサンビーチリゾートは、「サバイバー」の撮影スタッフが宿泊していた施設を、一般に開放したもの。波打ち際にあり、素朴ながらもスパやレストラン、バーもあります。ここを起点に島をボートで1周してみることにしました。

急ピッチで進化中のカンボジアの秘境、ロン島

ソクサンビーチリゾートのスタッフと島一周の探検へ

時計回りに、まずは北上。荒々しい岩壁の海岸線がしばらく続きます。番組の中で出演者が海に飛び込む崖を通過し、北海岸へ。漁民の一家族が暮らすドッグアイランドやヤシの木がうっそうと茂るロンリービーチチャレンジが見えてきます。ロンリービーチチャレンジには小さなバンガローが木々の合間に見え隠れしています。
島を東側に回りこむと、河口には水上にあるプレック・サバイ村が見えます。少し川を上ってみると、フルーツや日用雑貨を売る店先で遊ぶ子供たち、家事をしている人、ハンモックで昼寝している人、暮らしぶりがうかがえます。

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食料品や日用品をあつかう店で遊んでいた子供たち

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プレック・サバイ村の水上レストラン

民家に交じって、ワイルドな雰囲気の水上レストランもありました。海へ戻って島の南部へ入ると、これまでの自然が優位な風景から、島の玄関口のコトゥービーチのにぎやかな空気に変わります。

急ピッチで進化中のカンボジアの秘境、ロン島

建物の密集度が高いコトゥービーチ。メイン桟橋があり、島の中心地

船で20分ほどのロンサムレム島も、ロン島に続き、美しいビーチで注目度が高まっている島です。メインのサラセンビーチには、バンガローやプチリゾートなど、タイプも様々なステイ先が並んでいます。

急ピッチで進化中のカンボジアの秘境、ロン島

フランスやスペインからのゲストが多いというロンサムレム島

船を走らせながら船長は「あれ、知らないホテルができている」と驚き、ロンサムレム島のホテルスタッフは「道路整備や発電所の計画がある。今はまだ電力は自家発電だけどね」とうれしそう。一方で本土のシアヌークビルのカジノホテルの建設ラッシュには「マカオのようになってしまう」と困惑気味。急速に変化する島や周囲に、島民は期待と戸惑いがないまぜになった心境のようです。いつまでも美しい自然を保ったビーチであってほしいものです。

ベトナム航空
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PROFILE

古関千恵子

ビーチライター。リゾートやカルチャー、エコなどを切り口に、国内外の海にフォーカスした読み物や情報を発信する。ダイビング雑誌の編集者を経てフリーとなり、“仕事でビーチへ、締め切り明けもビーチへ”を繰りかえすこと四半世紀以上。『世界のビーチ BEST100』(ダイヤモンド・ビッグ社)の企画・執筆、『奇跡のリゾート 星のや 竹富島』(河出書房新社)の共著のほか、ファッション誌(『Safari』『ELLE Japon』など)やウェブサイトに寄稿。ブログも配信中。

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