楽しいひとり温泉

温泉+熟睡 開湯1200年の湯で体の芯まで温まる 肘折温泉・丸屋旅館

温泉+熟睡 開湯1200年の湯で体の芯まで温まる 肘折温泉・丸屋旅館

丸屋旅館のノスタルジックな外観

山形新幹線の終点、新庄駅で降りて、路線バスで55分。日本屈指の豪雪地の大蔵村へ近づくにつれて、道路脇の雪壁はどんどん高くなっていきます。山道を進むと、ぱあっと景色が開けて、山間の集落が見えてきます。これぞ、開湯1200年の肘折温泉、大きなカルデラの中にすっぽりと納まった湯治の里です。古くは月山(がっさん)信仰の登山口として栄え、こよいの宿・丸屋旅館も始まりは宿坊、その後湯治宿としての歴史を重ねた建物を生かして10年前にリニューアルしました。ノスタルジックな建物にゆれるのれんに癒やされます。

温泉+熟睡 開湯1200年の湯で体の芯まで温まる 肘折温泉・丸屋旅館

宿名物の源泉100%露天風呂

宿こだわりの源泉100%露天風呂。温度の高い源泉を加水せずに注ぎ入れる工夫をして成分の濃い、ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉を楽しめる湯船を実現させたそうです。成分総計は1キロあたり3410ミリグラム。体を温めて、塩の皮膜で熱を逃がさず保湿する塩化物泉と、肌をすべすべに整える炭酸水素塩泉のコンビネーションが絶妙。はらはらと庭に降る粉雪を眺めてここちよい温度の温泉に入っていると、時を忘れそうになります。しかーし! 油断は禁物です。肘折温泉の源泉はパワフル。ほどほどで上がるのが大切なのです。

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レトロモダンな雰囲気がすてき

部屋は7室。それぞれ少し雰囲気が異なります。障子からの優しい光に癒やされて、コタツで温泉まんじゅうでほっこりしたり、温泉から戻ってきて、畳でごろんと寝転んだり。きままにひとり湯治を楽しみます。

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かつての湯治宿を工夫して改装

湯治宿の時代には細かく仕切られていた部屋や廊下だった場所を組み合わせて工夫した設計が見事。わたしが最初にこの宿に泊まったのは改装前の湯治宿だったころなのですが、現在は椅子とテーブルがある部屋の中の広縁は、かつての廊下。手前の寝室と奥のコタツの和室は別々の部屋でした。当時の雰囲気を思い出して懐かしく感じます。

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必要な時に自由に取り出せる浴衣がうれしい

廊下にあるレトロな戸棚には浴衣を常備。身長に合わせて、しかも好きな柄を選べるようになっていて、洗い立ての浴衣をいつでも自由に取り出せます。湯上がりに汗をかいてしまったり、食事の匂いがついてしまったりしても、着替えることができて幸せです。

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情緒ある階段を下りて貸し切り風呂へ

館内はどの場所もレトロモダン。どこにいても癒やされるのは、照明の色と明るさがここちよく統一されているからだと感じました。階段の下にあるのは「貸し切り混浴風呂」。あれ? 混浴風呂? もちろん、おひとり様でも貸し切りOK。空いていればいつでも何度でも利用できます。

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同じ源泉でも注ぎ方で違う魅力を味わえる

7室だけの宿ですから、大浴場もひとりで「独泉」(温泉を独り占めすること)ということも多いのですが、貸し切り風呂のすてきな空間にひとりでのんびり入れるのは、さらにぜいたくな気分です。「ふうううう。気持ちいい」と、ぼんやり浸っていると、「シュワシュワシュワ~、プチプチプチ」と、なにやら温泉のささやきが聞こえてきました。温泉が湯口から流れ落ちる場所を観察すると、ささやきの正体はここ。源泉温度が65.9度と高いにもかかわらず、二酸化炭素を357.9ミリグラム含有。肘折温泉にはいると、じんじんと温泉が染み渡ると感じるのは二酸化炭素の血行促進作用のおかげです。体の芯まであたたまって、全身の血のめぐりもよくなって、肩こりや疲れもすっと温泉へ消えていくようです。

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ちょこっと休憩できる場所が点在

館内には、雑誌や山形に関する本が置いてあるスペースが点在。湯上がりにむぎ茶や山のおいしい水を飲んで休憩。

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夕食の前菜は雪国の恵みがいっぱい

豪雪の里ならではの山菜やきのこをおいしく味わう料理は、知恵が詰まったごちそうです。色鮮やかなわらびはしゃきしゃきとろりとした食感がおいしい。きのこたっぷりのきのこ汁も絶品です。

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冬のあゆは脂がのっておいしい

おとなりの町で育てられているアユは、ぷっくりとしていてかぶりつくと背脂のこくが広がります。「冬のアユってこんなにおいしいんですね」と驚きの逸品。赤ワインを思わず注文してしまいました。

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メインはジューシーな牛ステーキ

国産牛のステーキで元気をチャージ。肉汁たっぷりで、食べ応えもある程よいバランス。寝る前にもう1度温泉に入って、体の芯までポカポカに温まり、布団に滑り込むとすぐにぐっすり、朝まで熟睡できました。

■「楽しいひとり温泉」ポイント
1.レトロモダンな宿にうっとり
2.パワフルな温泉で疲れも吹き飛ぶ
3.土地の恵みをおいしく味わう

山形県・肘折温泉 丸屋旅館
https://www.maruya-ryokan.com/
*HPのひとり宿泊プランは平日限定。祝日、休前日は電話で要相談。

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PROFILE

石井宏子

温泉ビューティー研究家・トラベルジャーナリスト。日本・世界の温泉や大自然を旅して写真撮影・執筆をする旅行作家。テレビにも出演。温泉・自然・食で美しくなる旅を研究する。海外ブランドのマーケティング・広報の経験から温泉地の企画や研修もサポート。日本温泉気候物理医学会会員、日本温泉科学会会員、日本旅のペンクラブ会員、気候療法士(ドイツ)、温泉入浴指導員。著書「癒されてきれいになる おひとりさま温泉」(朝日新聞出版)「地球のチカラをチャージ! 海温泉 山温泉 花温泉 76」(マガジンハウス)ほか。新著「感動の温泉宿100」(文春新書)が10月に発売された。

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