クルーズへの招待状

大改装直後の「セレブリティ・ミレニアム」でアジアクルーズ

大改装直後の「セレブリティ・ミレニアム」でアジアクルーズ

ベトナム・ニャチャン沖の「セレブリティ・ミレニアム」。写真=撮影はすべて上田英夫

クルーズ会社「セレブリティ・クルーズ」は、約500億円をかけ自社船をすべて、前回紹介したセレブリティ・エッジのようなモダンで高級感のある最新鋭の設備に改装する計画「セレブリティ・レボリューション」を発表しました。その最初の船に選ばれたのが「セレブリティ・ミレニアム」です。

シンガポールのトゥアス・ブールバード造船所で約35日にわたる改装を終え、2月9日シンガポール発ベトナム経由香港クルーズ(7泊)で再デビューを飾りました。

リニューアルされた「セレブリティ・ミレニアム」

画期的な点は、客室を30室も増やしたこと。さらに、スイート客室のデザインは英国の有名デザイナー、ケリー・ホッペンが担当し刷新されました。

大改装直後の「セレブリティ・ミレニアム」でアジアクルーズ

洋上の隠れ家のような「ザ・リトリートサンデッキ」

同社がセレブリティ・エッジから開始したスイート客用の屋外ラウンジ「ザ・リトリートサンデッキ」も新設されました。これまで何もなかった12階の前方デッキは、ジェットバスやカバナタイプのデッキチェアやソファが置かれ、軽食も注文できるようになり、一段と特別感のある洋上の隠れ家となりました。

大改装直後の「セレブリティ・ミレニアム」でアジアクルーズ

モダンなデザインに刷新。「ザ・リトリートラウンジ」

また、これまで、ヨーロッパスタイルで重厚な雰囲気だったスイート客用ラウンジ「マイケルズクラブ」は「ザ・リトリートラウンジ」と名前を変え、軽快でモダンな雰囲気に変身。「セレブリティ・クルーズ」の船では、ほぼすべての船に「マイケルズクラブ」があるのが定番だったので、同社の新しい時代の夜明けを感じました。

大改装直後の「セレブリティ・ミレニアム」でアジアクルーズ

窓も柱も新デザイン。メインダイニングの「メトロポリタン」

一方、窓も柱も照明もがらりと変わっていたのが、メインダイニングの「メトロポリタン」。椅子は、背もたれの高い「お誕生日椅子」のようなデザインのものを、ところどころに配置し、おとぎの国を思わせるおしゃれでモダンな雰囲気も醸し出していました。

大改装直後の「セレブリティ・ミレニアム」でアジアクルーズ

新感覚の劇場でショーを楽しむ

ショー劇場も、昔は赤を多用した暖色系だったのが、白系を基調とし、クールビューティーなデザインに生まれ変わりました。ミュージカルスタイルのプロダクションショーや、ゲストエンターテイナーによる歌のショーなど日替わりで楽しめます。

ベトナムのホーチミンとニャチャンで寄港地ツアー

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冒険心をかき立てるメコンデルタクルーズ

シンガポールを出港したセレブリティ・ミレニアムは、2日後ベトナム・ホーチミンの外港フーミーに到着。ここでは、メコンデルタをカヌーで進むワイルドなツアーに参加しました。片道3時間もかかるメコン川沿岸の町ミトーまで行くバスの車窓には、ベトナムらしい円錐(えんすい)形の帽子ノンラーをかぶって農作業をする人々や、自由に歩き回る牛の群れなどの田園風景が広がりました。ミトーの船着き場から遊覧船でメコン川を渡り対岸のユニコーン島へ。そこから、メコンデルタクルーズの始まりとなりました。

そもそもメコンデルタとはメコン川下流の三角州のことで、メコン川と支流、そしてそれらを結ぶ水路を中心に広がっていて、一帯の総面積はおよそ3万9千平方キロメートルもあるといいます。

今回はその一つの水路を、4~6人乗りの手こぎボートで2キロメートルほどクルージング。乗客には気分を盛り上げるようノンラーが貸し出されました。こぎ手が前後に1人ずつ座り、慣れた手つきでオールを操ると、小舟はジャングルを縫うように通る水路を進んでゆきました。時折聞こえる鳥の声。すれ違う小舟。狭い水路で対抗舟をぎりぎりでかわす船頭の腕前も見事でした。

翌日はニャチャン。ホーチミンから北東へ約450キロメートルにある、ベトナム有数のリゾート地で、広大な湾には、黄金色の砂浜や大小の島々が点在しています。

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ライトアップしたニャチャンのテーマパーク

中でもチェー島にある巨大テーマパーク「ヴィンパールランド」は、船で行くのではなく、海上にかけられたロープウェーで入場するのがユニークでした。遊園地、水族館、ウォーターパーク、ゲームセンターなどがあり、ファミリーに人気があるそうです。夜になると海に面したテーマパークがライトアップされ、漆黒の海に彩りを添えました。

新装した「セレブリティ・ミレニアム」の料理は?

大改装直後の「セレブリティ・ミレニアム」でアジアクルーズ

殻付きロブスター登場

ところで、セレブリティ・ミレニアムは料理に定評がありますが、新装したメインダイニング「メトロポリタン」で食べるディナーは期待を上回るものばかり。大きなエビのカクテル。香り高いエスカルゴ。たっぷりとチーズの乗ったオニオングラタンスープ。そして、時には立派な殻付きのロブスターや、ビーフ・ウェリントン(牛肉のパイ包み焼き)が登場した日もありました。

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目の前で割ってくれる新鮮ココナツジュース

また一日中海を走る航海日のランチにはビュッフェレストラン「オーシャンビューカフェ」で、ローカルマーケットのようなムードも演出してくれました。たとえば、通常のビュッフェ料理に加え、「トゥデーズ・キャッチ」という札の下に鮮魚、貝、エビをたくさん並べ、焼いたり、炒めたりしてもらえます。無料でふるまわれたココナツジュースも目の前で割ってくれるのでフレッシュでした。

有料のスペシャルティーレストランの中で大幅に変わったのがイタリアステーキレストラン「トスカーナグリル」。入り口をこれまでの位置と全く変えたため、どこから入ればよいのかわからない秘密のレストランのような趣になりました。船上で唯一手作りのフレッシュパスタを食べることができる本格派のレストランです。

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ワインバーで生演奏と食前酒を楽しむ

また、じゅうたんや家具を変え、現代的になったワインバー「セラーマスター」では生演奏とともにゆっくりとワインが楽しめます。

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岡田シェフの「寿司(すし)デモンストレーション」

ところで、最近は海外の人にも「すし」は興味の的のよう。船上のすしレストラン「スシ・オン・ファイブ」の総料理長・岡田悦一氏による「寿司(すし)デモンストレーション」が行われ、大勢の観客でにぎわっていました。「菜切包丁」「柳包丁」など包丁の種類と用途の解説から始まり、見事な包丁さばきで刺し身づくりを実演。さらに簡単な「ポン酢」や、岡田シェフ考案の魚介に合う「ダイナマイトソース」の作り方などを教わり、最後は試食までと、有意義な時間でした。

断崖絶壁に“神の手”、話題の「ゴールデンブリッジ」へ

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“神の手”に支えられた「ゴールデンブリッジ」

最後の訪問地はチャンメイ。ここでは、“神の手”に支えられた橋「ゴールデンブリッジ」で話題を集めているバーナーヒルズへ出かけました。かつてバナナの木が茂り、ダナンに移住したフランス人の避暑地であった高原が、いまや、ケーブルカーとゴールデンブリッジで有名なアミューズメントパークになりました。

2018年に完成したゴールデンブリッジは、山の中腹に張り出した回廊状の橋を下から“神の手”が支えるというユニークなデザインです。霧に包まれることも多いそうですが、当日は天気にも恵まれ、神秘的な“神の手”も、遠くの景色もくっきり。断崖絶壁の上にかかる橋歩きを楽しみました。さらにケーブルカーでのぼると中世のフランスを模した「フランス村」に到着。とんがり屋根のお城。ノートルダム寺院を模した聖堂などが並んでいました。そして帰路は、世界最長とギネスにも認定されたケーブルカーに乗って空中散歩を楽しみながら天空のテーマパークを後にしました。

数百組の夫婦が“再び愛を誓い” 終点の香港へ

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聖バレンタインデーに夫婦が再び愛を誓う「バウ・リニューアル」

今日は2月14日「聖バレンタインデー」。この船には英国からの乗客約1300人を筆頭に、欧米やアジアからやってきた40カ国以上、合計約2200人が乗船していました。その夜、船中央の吹き抜け空間「グランド・フォイヤー」にある大階段では、ギリシャ人のアレックス船長の先導で盛大かつ国際的な「バウ・リニューアル」が行われました。バウ・リニューアルは、夫婦が再び愛を誓うというセレモニー。数百組の夫婦が会場に集まり、互いに手を取り、感謝と誓いの言葉を交わし合いました。

そして、客室に戻れば、船長やホテルディレクターから贈られたピンクのクリームのカップケーキとかわいらしいカードが。外国客船らしいロマンチックな演出も最高潮です。やがて、セレブリティ・ミレニアムでまわったアジアクルーズは、2月16日、そびえたつ摩天楼群に迎えられ、終点の香港に到着しました。

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新装「セレブリティ・ミレニアム」で今度は日本の海を

2019年、セレブリティ・ミレニアムは春と秋に日本一周クルーズを予定しています。新装した革新的客船で訪ねる旅は、美しい日本の魅力を再発見させてくれるでしょう。

このクルーズに関する問い合わせ先
www.celebritycruises.jp

PROFILE

上田寿美子

クルーズライター、クルーズジャーナリスト。日本旅行作家協会会員、日本外国特派員協会会員。クルーズ旅行の楽しさを伝え続けて30年。外国客船の命名式に日本を代表するジャーナリストとして招かれるなど、世界的に活動するクルーズライター。旅行会社等のクルーズ講演も行う。著書に「豪華客船はお気に召すまま」(情報センター出版局)、「世界のロマンチッククルーズ」(弘済出版社)、「ゼロからわかる豪華客船で行くクルーズの旅」(産業編集センター)、「上田寿美子のクルーズ!万才」(クルーズトラベラーカンパニー)など。2013年からクルーズ・オブ・ザ・イヤー選考委員。

ついに完成した客船「セレブリティ・エッジ」、バハマ沖“魔法のじゅうたん”で飲むビールは格別

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