楽園ビーチ探訪

エイとキスすると7年ラッキー? カリブ海のグランドケイマン島

エイとキスすると7年ラッキー? カリブ海のグランドケイマン島

旅行誌などの「カリブ海のベストビーチ」によく選ばれるセブンマイルビーチ©Cayman Islands Department of Tourism, photographer/Don McDougall

MSCディヴィーナ号のカリブ海クルーズで立ち寄ったグランドケイマン。かつてその中心地ジョージタウンから、沖に浮かぶ何隻もの巨大な豪華客船を眺めて、この風景もこの島の華やぎのひとつだなぁ、と憧れたことがあります。今回はその豪華客船からの上陸。停泊時間に限りがあるので、ツアーに参加して、島のハイライトを濃縮して体験することに。

ジャマイカの北西約290kmに浮かぶ3島からなるイギリス領ケイマン諸島において、グランドケイマンは最大かつ中心的役割の島です。距離的に近いアメリカの影響が強いですが、そこは女王陛下のイギリス領、淡いパステルカラーの家並みやコロニアル調のリゾートホテルに、どこか気品を感じます。

エイとキスすると7年ラッキー? カリブ海のグランドケイマン島

軒下や欄干のレリーフが美しいコロニアル調の建物が並ぶジョージタウン ©Cayman Islands Department of Tourism, photographer/Mark Narsanski

エイとキスすると7年ラッキー? カリブ海のグランドケイマン島

マリーナの岩場で見かけたイグアナ。グランドケイマン名物のブルーイグアナではなかったけれど……

グランドケイマンで人気ナンバーワンのアクティビティーは、「スティングレイシティ」というスポットでのサザンスティングレイ(アカエイの仲間)との触れ合い。本来は臆病者のエイがまるで子犬のような無邪気さで、一緒に遊んでくれるのです。こうなったいきさつは、グランドケイマンの主産業が観光ではなく、漁業だった頃にさかのぼります。

グランドケイマンはサンゴのリーフで波や風から守られています。漁師たちはキャットボートと呼ばれる帆船で漁を行い、カジキやマグロを狙って外洋へ出ることもしばしば。漁が成功した日の終わりには、スティングレイチャンネルという水路を通ってリーフ内の安全な浅瀬へ戻り、売り物にならない魚は海に捨て、船内を清掃しました。すると、嗅覚(きゅうかく)のいいエイが「あそこへ行けば食べ物がある」と集まるようになり、「船が来れば食べ物がもらえる」と漁師を歓迎するようになったとか。

エイとキスすると7年ラッキー? カリブ海のグランドケイマン島

世界的に有名な、サザンスティングレイと一緒に遊ぶアクティビティー ©Cayman Islands Department of Tourism, photographer/Will Burrard-Lucas

スティングレイシティでダイビングをすると、カリブ海特有の軽やかなブルーの海に純白の砂地が一面広がる中、遠くから座布団のようなエイたちがこちらへ向かってくるのが見えてきます。手のひらにイカの切り身を乗せると、エイは掃除機が吸い込むようにスポッと食べてくれます。おなかの感触はふわふわで、まるでマシュマロのよう。イカをもった手を頭上に持ち上げると、足元から体をつたってするする登っていき「ちょうだい!」とばかりに、ほしがります。ちょっと口角を上げて笑っているような口元も、かわいらしさ満点。ごはん欲しさからの愛嬌(あいきょう)とはわかっていても、思わず目尻が下がります。

実はエイと遊べるスポットはグランドケイマン内に2カ所あります。有名な「スティングレイシティ」は水深3.6メートルほどあり、シュノーケリングやダイビング向け。もうひとつの「スティングレイシティ・サンドバー」は、水深60センチ~1.2メートルと浅く、泳げない人でも体験できるので、一般的なツアーにはこちらが使われています。

エイとキスすると7年ラッキー? カリブ海のグランドケイマン島

一般的なツアーで行くスティングレイシティ・サンドバーはこのにぎわい

今回、訪れたのはスティングレイシティ・サンドバー。ここは数年前のスティングレイシティとは状況が異なりました。カタマランボートでその場所を訪れた時、その混雑ぶりにびっくり。エイの数より明らかに人間の数の方が多いのです。さらに、ガイドが「エイとキスすると、7年間ラッキーが続くよ!」の言葉に、その場がわっと盛り上がります。この盛り上がり、エイにとっては災難です。ガイドにひとたび捕まると、お客一人ずつにキスさせられ、記念撮影をパチリ。全員分のキスが終わればようやく解放してもらえますが、ごほうびはイカの切り身一切れですので割が悪いと思っていることでしょう。

エイとキスすると7年ラッキー? カリブ海のグランドケイマン島

魚類とは思えないほど、愛らしいエイ。ガイドに捕まると、悲劇が……

エイとキスすると7年ラッキー? カリブ海のグランドケイマン島

沖に数隻浮かぶ客船へ戻る時間になると、クルーズ客による大行列が

クルーズ船が用意した観光コースには、グランドケイマンの代名詞的なセブンマイルビーチやドルフィンスイム、ジョージタウンでのショッピングも。各島やビーチの魅力を停泊地ごとにダイジェストで楽しめるのも、クルーズの魅力ですね。

【取材協力】
MSCクルーズ
http://www.msccruises.jp/

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PROFILE

古関千恵子

ビーチライター。リゾートやカルチャー、エコなどを切り口に、国内外の海にフォーカスした読み物や情報を発信する。ダイビング雑誌の編集者を経てフリーとなり、“仕事でビーチへ、締め切り明けもビーチへ”を繰りかえすこと四半世紀以上。『世界のビーチ BEST100』(ダイヤモンド・ビッグ社)の企画・執筆、『奇跡のリゾート 星のや 竹富島』(河出書房新社)の共著のほか、ファッション誌(『Safari』『ELLE Japon』など)やウェブサイトに寄稿。ブログも配信中。

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