楽園ビーチ探訪

セーシェル・ラディーグ島の絶景ビーチで超大陸へ思いをはせる

インド洋に浮かぶ115の島々からなるセーシェル。人類誕生のはるか昔、ゴンドワナ大陸からマダガスカルやインド亜大陸が分裂した際に生まれた島々です。

セーシェルのビーチは、ごろんごろんと鎮座する巨大な黒い花崗岩(かこうがん)が、サファイアのような澄んだブルーの海と真っ白な砂浜にアクセントを加えているのが特徴です。黒い岩肌にしみ込んだ雨水や海水が描いた模様や、風や波が削った造形を見ていると、気の遠くなるような年月を感じます。そして、ゴンドワナ大陸がおせんべいを割るように分裂して、パラパラとこぼれるかけらや粉のように、セーシェルの島々が誕生したのかなと、花崗岩を前に想像が膨らみます。

セーシェル・ラディーグ島の絶景ビーチで超大陸へ思いをはせる

特に有名でなくても、昼寝にごきげんな美しいビーチがあちこちに

セーシェルの中でも絶景ツートップといわれるビーチがあるのが、ラディーグ島です。南北約5キロ、東西約3キロのひし形に似た形で、この国で4番目の大きさがあります。主要3島(ほかの2島は首都のあるマヘ島と世界遺産の自然保護区があるプララン島)ながら、国内線は飛んでおらず、国際空港のあるマヘ島からは高速カタマラン(双胴船)に乗り、プララン島を経由してアプローチします。マヘ島からの所要時間は約1時間30分、プララン島からは約15分です。

高速カタマランが到着する西海岸のラ・パッセが、ラディーグ島の玄関口。船が到着すると、ゲストの名前を書いた看板を掲げた宿の人や荷物をピックアップに来た人で活気にあふれます。が、それもしばらくすると潮が引くように消え、のんびりとした島に戻ります。

セーシェル・ラディーグ島の絶景ビーチで超大陸へ思いをはせる

高速カタマランが着岸するラ・パッセの桟橋。船が到着すると、にわかに人々が集まります

中心地のラ・パッセは銀行の支店や土産物店が入った2階建ての店舗や、小さなよろず屋、ゲストハウスが数軒ある程度。自転車で10分もあれば通り過ぎてしまいます。路地を進めば民家もあるようですが、人口も2千人あまり。マヘ島やプララン島に比べると、のどかな「南の島指数」が高い感じです。

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伝統的なプランテーションスタイルの民家。セーシェルの主要3島のひとつながら、のどかな暮らしぶりです

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色とりどりの花々が手向けられた、ラ・パッセ近くの墓地

それほど大きな島ではないので、移動は自転車が便利。タクシーは数に限りがあり、昔ながらのオックスカート(牛車)は今では珍しい存在となってしまいました。人気ビーチのアンス・スース・ダルジャンならば、道もフラットなので、自転車で気軽に訪れることができます。

セーシェルの文化を紹介するテーマパーク、リュニオン・エステートの入場料を払い、ゾウガメを紹介するコーナーなどを通り過ぎて、目指すはビーチへ。アンス・スース・ダルジャンは、セーシェルを紹介するポスターにも使われている、いわばこの国の看板ビーチです。花崗岩が折り重なって壁となり、海岸線は巨大迷路のように入り組んでいます。視界を覆う巨岩の向こうにパッと海が開けることが連続し、歩くたびに風景が変わる楽しみがあります。

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巨岩の合間の小道を進む、アンス・スース・ダルジャン

もうひとつの絶景ビーチは、西海岸にあるグランタンス。こちらへの道程は、多少の坂道を覚悟する必要があります。空き地に自転車を止め、低木のクサトベラに囲まれた道を抜けると、大きく弧を描いた白砂のビーチが広がります。

ビーチの両脇を固めているのが、花崗岩の折り重なったかたまり。砂浜の白と花崗岩の黒のコントラストが絶妙です。そして軽やかなブルーをたたえた美しい海には、思わず飛び込みたくなってしまいます。が、そこはご用心。インド洋を渡ってきたうねりが打ち寄せるグランタンスは、波にパワーがあります。ひざ下くらいの水深でも足をもっていかれるほど。泳がずに、美しい風景を目で満喫しましょう。

セーシェル・ラディーグ島の絶景ビーチで超大陸へ思いをはせる

ツーリストが自転車で乗り付けるグランタンス

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絶妙なバランスで折り重なるグランタンスの花崗岩

のんびりとした島の風情も魅力なラディーグ島。プララン島やマヘ島から1日ツアーもありますが、この緩やかに流れる島時間を味わうならば、2~3日の滞在がおすすめです。悠久の年月を経た島では、急ぎの旅は似合いません。

セーシェル・ラディーグ島の絶景ビーチで超大陸へ思いをはせる

斜陽が船を淡く染める、一日を終えたラ・パッセの港

PROFILE

古関千恵子

ビーチライター。リゾートやカルチャー、エコなどを切り口に、国内外の海にフォーカスした読み物や情報を発信する自称「ビーチライター」。ダイビング雑誌の編集者を経てフリーとなり、“仕事でビーチへ、締め切り明けもビーチへ”を繰りかえすこと四半世紀以上。『世界のビーチ BEST100』(ダイヤモンド・ビッグ社)の企画・執筆、『奇跡のリゾート 星のや 竹富島』(河出書房新社)の共著のほか、ファッション誌(『Safari』『ELLE Japon』など)やウェブサイトに寄稿。http://www.world-beach-guide.com/では、日々ニュースを発信中。

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