楽園ビーチ探訪

20年ぶりのタイ・サメット島。バイクでビーチホッピングがおすすめ

タイの首都バンコクから比較的行きやすいビーチリゾート、サメット島。バンコクからバスに乗ること3時間強で港町バンペーへ、そこから船で約1時間。時間はかかるものの、飛行機移動がないため、週末のバンコクっ子のバカンス地として長年人気を誇っています。

サメットのメインビーチ、サイ・ケオ・ビーチ。静かなビーチが様変わりしていました。宿の選択肢は増えたけれど、物価も上昇

サメットのメインビーチ、サイ・ケオ・ビーチ。静かなビーチが様変わりしていました。宿の選択肢は増えたけれど、物価も上昇

アルファベットの「t」の字に似た形の島は、南北約6.8キロ、東西は最大2.6キロ。メインのサイ・ケオ・ビーチをはじめ、島の東側にビーチが連なっています。「サメット」とは、タイ語でカユプテという木の意味。この木が多く繁茂していることから名付けられたそう。

緑と美しい白砂に恵まれた島が、バックパッカーや旅行者に見いだされたのは1970年代のこと。この自然を守ろうと人々は動き、1981年にタイで34番目の国立公園として、サメット島とその周囲の海が登録されました。

国立公園のため、入島料200バーツがかかります。支払った半券は滞在中、キープを

国立公園のため、入島料200バーツがかかります。支払った半券は滞在中、キープを

実はサメット島を訪れたのは20年ぶり。当時は欧米のバックパッカーが多く、宿もバンガローが中心。チョークの粉のように細かい真っ白な砂と翡翠(ひすい)色の海が美しく、早朝のビーチでは瞑想(めいそう)をしているヨギーを見かけることも。そんな穏やかな島時間を再び味わいに、訪れてみることにしました。

夜のサイ・ケオ・ビーチ。サンセットに合わせて、ビーチにテーブルが出没し、青空屋台と化します

夜のサイ・ケオ・ビーチ。サンセットに合わせて、ビーチにテーブルが出没し、青空屋台と化します

が、年月が経てば、状況も変わるもの。わかっていても、あまりの様変わりぶりにびっくりしてしまいました。ちょうど旧正月だったせいか、メインのサイ・ケオ・ビーチは旅行客が行列して歩き、夜になると砂浜はゴザ&ちゃぶ台のシートでびっしり。どんなもんだろうと、ビールを頼んでみたら、なんとバンコクのレストランの約3倍。島の人気とともに物価も上昇していました。

サイ・ケオ・ビーチの混雑ぶりに、少々落胆してしまったけれども、気を取り直して原付きバイクを借りて島内をビーチホッピングしてみることにしました。島内はやや内陸に舗装道路が整備されているので、バイクでの移動が快適です。

最初に向かったのは、南下したアオ・ルン・ダム。木々がうっそうと茂る丘のふもとに小さな入り江があり、レストランとバンガローが海沿いに並んでいます。波打ち際近くのレストランのテーブルに着くと、木陰の向こうに輝く海が見えます。木々のそよぎと波の音のみの静寂。そうそう、こういう島を求めていましたと、途端にうれしくなってしまいます。

丘のふもとの岩礁にレストランとバンガローがある、小さな入り江のアオ・ルン・ダム

丘のふもとの岩礁にレストランとバンガローがある、小さな入り江のアオ・ルン・ダム

続いて南下したアオ・ワイは緩やかに弧を描いた、開放感あふれる白砂ビーチ。一年分の太陽を浴びようと日光浴にいそしむシニアや、木陰で読書を楽しむ人など、思い思いに海辺の時間を楽しんでいます。

緩やかにカーブした、開放的な雰囲気のビーチ、アオ・ワイ

緩やかにカーブした、開放的な雰囲気のビーチ、アオ・ワイ

アオ・ワイで見かけたシニアの旅行者。南の太陽を受けて、楽しそう

アオ・ワイで見かけたシニアの旅行者。南の太陽を受けて、楽しそう

さらに南下したアオ・カランには、パステルカラーのバンガローが並ぶリゾートが1軒あるのみ。ウッドデッキのカフェでビールを飲みつつ、周囲を観察すると、木の枝につるしたブランコで遊ぶ親子やイカダの上で昼寝する男性など、このビーチものんびりしています。

アオ・カランではイカダの上で昼寝をしている人を発見。気ままに島時間を味わっているようです

アオ・カランではイカダの上で昼寝をしている人を発見。気ままに島時間を味わっているようです

ビーチではスマホよりも、読書している姿がかっこよく見えます

ビーチではスマホよりも、読書している姿がかっこよく見えます

夕暮れが迫ってきたので、サメット島では貴重な西海岸にあるビーチ、アオ・プラオへ向かってみました。駐輪場にバイクを止め、坂道を下ると、500メートルはありそうなビーチに出られます。ラグジュアリーなリゾートもあり、隠れ家感たっぷり。浅瀬につかりながら乾杯しあうグループや、夕日をひたすら見つめるカップルなど、リラックスした雰囲気の中、一日の終わりを迎えていました。

アオ・プラオビーチで見かけたグループ。浅瀬につかって、ビールで乾杯。サンセットの過ごし方は人それぞれ

アオ・プラオビーチで見かけたグループ。浅瀬につかって、夕日に乾杯。サンセットの過ごし方は人それぞれ

20年前に比べても、白砂の細かさは変わらず、海の色もサイ・ケオ・ビーチ以外は同じく翡翠色。タイ通の友人たちいわく、「サメット島では南へ行かなければ! 近隣の島も面白いですよ」、「バイクで静かな湾めぐりがいいですよね」。次回は、最初から静かなビーチを目指そうと、心に決めました。

島の西側に位置するアオ・プラオ。ビーチの南側の木陰が、のんびりできそう

島の西側に位置するアオ・プラオ。ビーチの南側の木陰が、のんびりできそう

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PROFILE

古関千恵子

ビーチライター。リゾートやカルチャー、エコなどを切り口に、国内外の海にフォーカスした読み物や情報を発信する。ダイビング雑誌の編集者を経てフリーとなり、“仕事でビーチへ、締め切り明けもビーチへ”を繰りかえすこと四半世紀以上。『世界のビーチ BEST100』(ダイヤモンド・ビッグ社)の企画・執筆、『奇跡のリゾート 星のや 竹富島』(河出書房新社)の共著のほか、ファッション誌(『Safari』『ELLE Japon』など)やウェブサイトに寄稿。ブログも配信中。

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