太公望のわくわく 釣ってきました

「幻の魚」イシガキダイを狙え! 乗っ込み時期の鹿児島県屋久島 

春は磯の底物と呼ばれているイシダイやイシガキダイの乗っ込み時期(産卵期)で、南の島ではイシガキダイがシーズン入りする。「幻の魚」などと形容されているイシガキダイ、クチジロ(オスの老成魚)が釣れる確率が高くなる。乗っ込みは桜前線の北上と似ていて、南から始まる。そこで3月、鹿児島県の屋久島へ出かけてみた。

屋久島は九州最南端の佐田岬からさらに南へ約60キロの洋上に浮かぶ島だ。世界遺産に指定されている島で、全国的にも広く知られている。島内には平内海中温泉や、尾之間温泉もあって、登山や釣りで来島した人たちのオアシスともなっている。

「幻の魚」イシガキダイを狙え! 乗っ込み時期の鹿児島県屋久島 

鹿児島港から屋久島へ向かう高速船

南岸の雄大な美しい景観の中で竿(さお)を振るのは格別な気分だ。屋久島へは大阪・伊丹から直行便が飛んでいるが、あいにくの満席。そこで伊丹から鹿児島まで飛び、鹿児島から屋久島まで高速船で入島する手を選んだ。

「幻の魚」イシガキダイを狙え! 乗っ込み時期の鹿児島県屋久島 

身も心も癒やされる尾之間温泉

今回は島の南東側、原地区の民宿を基地にした。同行の上内茂さんと、旅装を解くのももどかしく、釣りの準備をする。南岸の平内地区の屋久島おおぞら高校下の地磯へ出かけた。釣りを始めたのは午後3時を過ぎていた。しかも、北西風がものすごい勢いで吹きつけている。そこで、風を背中で受ける風裏になるところで竿を出した。

平内地区の荒々しい地磯の釣り場

平内地区の荒々しい地磯の釣り場

用意したエサは現地で多用されている「シラガウニ」。これの芯を取り出して2~3個刺す。雑魚にかじり取られる場合はトゲだけ切り取って、丸のまま2~3個刺しにする。ウネリがきついので丸のままハリに掛けて狙った。

エサにはシラガウニを使った

エサにはシラガウニを使った

リールのカウンターを18にして狙った。仕掛けが波やウネリで安定しない悪状況ではあったが、早々に上内さんの竿先が海面に向かって引き込まれた。強い引きで揚がってきたのは50センチクラスのイシガキダイ。口元が白くなっている良型だ。

「幻の魚」イシガキダイを狙え! 乗っ込み時期の鹿児島県屋久島 

上内茂さんの竿にさっそくアタリが

この日は上内さんの場所ばかりでアタリが出て2匹のイシガキダイを追加。私には1度アタリがあったものの竿先が引き込まれることはなく、日が暮れる前に竿をしまった。

「幻の魚」イシガキダイを狙え! 乗っ込み時期の鹿児島県屋久島 

本命のイシガキダイを釣り上げ喜ぶ上内さん

2日目も同じ場所で狙ったものの、水温が下がってイシガキダイのアタリが出ない。そこで、柔らかいアカガイをエサに使ってみたら70センチもあるカンムリベラと40センチの高級魚アカハタが釣れた。

「幻の魚」イシガキダイを狙え! 乗っ込み時期の鹿児島県屋久島 

思わぬ釣果のカンムリベラを手にする筆者

「幻の魚」イシガキダイを狙え! 乗っ込み時期の鹿児島県屋久島 

アカハタも釣れた

3日目は低気圧の通過で荒天となり釣りができなかった。4日目は上内さんが平内地区の地磯、私は島の南東側、麦生の地磯で釣ってみたが、水温が下がったのかこの日は2人ともイシガキダイのアタリは出なかった。

屋久島は雄大な景観を背後にして竿出しが楽しめる。麦生の地磯で

屋久島は雄大な景観を背後にして竿出しが楽しめる。麦生の地磯で

いよいよ最終日。帰宅の用意もあって午前10時までの短時間の釣りだ。上内さんは原地区の地磯、私は平内の地磯へ入ることにした。当初は別の場所に入る予定だったが、すでにエサを打ち込んである場所のほうがいいのでは、という判断だった。

平内地区の地磯。この離れた岩と手前の岩場とのあいだを狙った

平内地区の地磯。この離れた岩と手前の岩場とのあいだを狙った

イシガキダイなどの石物(磯に生息する魚)は、魚が寄るまでにけっこう時間がかかる。最初に釣り上げてから日にちが経過しており、「そろそろ次の群れが入ってくるころか?」という判断だった。釣りの用意をしてエサを打ち込む。「食ってくれ」と祈りを込めて仕掛けを投げ込んだ。もちろん狙いは先日の「18地点」だ。

エサが海底に到着すると、間髪をいれずに竿先が動く。しかも、「イシガキダイだな」と判断できるようないいアタリだった。アタリがだんだんと大きくなってきた。そして、海面に向かって勢いよく引き込まれた。思いきり竿をつかんであおるといい感触が伝わってくる。バッチリ掛かったようだ。グングン引き込むいい手ごたえを楽しむ。40センチクラスのイシガキダイだった。本命の登場に一気に気分が盛り上がる。

この後3匹を追加して納竿を迎えた。

「幻の魚」イシガキダイを狙え! 乗っ込み時期の鹿児島県屋久島 

 

PROFILE

釣り大好きライター陣

安田明彦、猪俣博史、西田健作、石田知之、木村俊一

木村 俊一

1952年生まれ。兵庫県尼崎市で底物釣り専門店「木村商」を経営する。イシダイやイシガキダイなどの底物釣りでは全国的に知られる専門家。

風にもめげず 春告魚・メバルと知恵比べ 神奈川・三浦半島 

一覧へ戻る

釣った魚で大宴会 アジ・イシモチをアウトドアで料理 神奈川・金沢八景

RECOMMENDおすすめの記事