心に残る旅

「SCANDAL」HARUNAさんのニューヨーク 知らない自分に会えた1人旅

いつもと違う場所で風に吹かれた経験は、折に触れて思い出すもの。そんな旅の思い出を各界で活躍するみなさんにうかがう連続インタビュー「心に残る旅」。第3回は、ガールズバンド「SCANDAL」のボーカルHARUNAさんです。

(聞き手:渡部麻衣子、写真:山田秀隆)

自分の気持ちに素直に過ごした、ニューヨークへの1人旅

「SCANDAL」HARUNAさんのニューヨーク 知らない自分に会えた1人旅

―――一番心に残っている旅を教えてください。

「昨年末に1人旅で行ったニューヨークです。私、1人でごはんを食べに行ったり、カラオケに行ったりできるタイプなんですけど、そういえば1人で旅をしたことはないなぁと思って。2018年はバンドもメジャーデビューして10周年、自分も30歳になった節目の年だったので、今までにない挑戦をしてみました」

―――ニューヨークではどんな風に過ごしましたか。

「その日の予定はその日に決める感じで、ラフに過ごしました。日本でも話題になっている『キンキーブーツ』っていうミュージカルをみたり、ニューヨーク近代美術館に行ったり」

「誰かと一緒に行く旅は、その人と行けることがすごく貴重だと思うからこそ全部やりきろうとしちゃうんですけど、1人なら、別にやり残したことがあってもいい。そのときにやりたいと思ったことだけやればいいのが楽しかったです」

―――自分の時間を自分のためだけに使えるのは、実はかなりぜいたくなことですよね。

「楽しさを知ってしまったので、また1人旅に行きたくなっちゃいました。今回の旅で、自分のことも少し知れたような気がするんですよね。例えば、1人で自由に過ごしてみて初めて、『あ、普段私はいろいろ人に気をつかって生きているんだなぁ』って」

「SCANDAL」HARUNAさんのニューヨーク 知らない自分に会えた1人旅

―――特に印象に残ったことはありますか?

「やっぱり、人の温かさ。すごくいかついタクシーの運転手さんも、降りるときには『Merry Christmas and a Happy New year!』って声をかけてくれたし、買い物に行っても店員さんが『この後もいい旅続けてね』って言ってくれました。『ありがとう』のあとに、必ず笑顔で何か一言付け加えてくれるんですよね、ニューヨークの人たちって」

「あと、ニューヨークの地下鉄のホームにある駅名のパネルがモザイクタイルでした。それがすごくかわいかったのは印象的です」

「SCANDAL」HARUNAさんのニューヨーク 知らない自分に会えた1人旅

モザイクタイル(getty images)

―――かわいいものがお好きなんですね。

「好き……なのかなぁ?  そういうのも、これまであんまり意識してこなかったんですよね。デビューしてからの10年を駆け抜ける中で、ちょっと気を張りつめすぎちゃってた部分もあったのかなと思います。仕事以外のことを考えたり、メンバー以外の誰かと何かをしたりするのはよくないんじゃないかと思っていた時期さえありました」

「だから自分はどういうものが好きなのかにさえ無頓着で、向き合ってこなかった。でもこの1人旅では、そういうものが自然に見つかる瞬間が多かったんです。気持ちの赴くまま足を運んだところに、結果として好きなものがあったというか」

「SCANDAL」HARUNAさんのニューヨーク 知らない自分に会えた1人旅

旅を経験して変わった音楽

―――旅をしたことで心境に変化はありましたか。

「曲作りの時には、もっといろんな気持ちを言葉にして残しておきたいなって思うようになりました。今までは『これでいいのかなぁ』『これじゃかっこよくないかなぁ』とか考えながら歌詞を書いていたんです。心配性なんですよね(笑)。でもこれからは難しく考えず、自分が感じたことをまずは1回ノートに書いてみる、くらいの気持ちでやってみるつもりです」

「変にかっこつけたりしないでそのままの自分で勝負してみようって思えたのは、ニューヨークで1人旅を経験したから。旅で感じたことは、生き方にも音楽にも、すべてにつながっていくんだろうなぁと思います。私にとって1人旅は、まだ知らない自分に出会えた貴重な経験でした」

「SCANDAL」HARUNAさんのニューヨーク 知らない自分に会えた1人旅

―――今後の音楽活動も進化していきそうですね。

「そうですね。この春から、『her』っていう自分たちだけのレーベルを新しく立ち上げたので、『SCANDAL』としても、より私たちらしく自由にいろんなことができたらいいなと思います」

―――どうして『her』という名前にしたんですか?

「女性アーティストが所属しているレーベルだと一目でわかるようにしたかったので、『her』と名付けました。それから、自分たちはこれまでもガールズバンドだという誇りを持って活動してきたんですけど、今後はより一層女性だからこそできる表現を追求していけるようなレーベルにしたいという思いも込めています」

―――新レーベルから第1弾としてリリースされた両A面シングルは、まさにその思いが形になったもの、ということでしょうか。

「『マスターピース』は新しいレーベルを立ち上げることを決めてから、『まばたき』は新しいレーベル名を『her』にしようって決めてから作りました。『マスターピース』には再スタートするぞって気持ちが、『まばたき』にはガーリーな部分を感じてもらいたいという気持ちが入っているから、両極端なタイプの曲になっています。これからもこういう幅をもって活動していくぞという姿勢も、今回のシングルで提示できたかなと思います」


 

 

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PROFILE

旅する著名人

家入レオ、ふかわりょう、HARUNA(SCANDAL)、福士蒼汰、加古隆、池内博之、吉田戦車、清水尋也、しりあがり寿、高畑充希、松本穂香、江國香織

HARUNA(SCANDAL)

愛知県出身。ガールズバンド「SCANDAL」のボーカル・ギターを担当。「SCANDAL」は2008年「DOLL」でメジャーデビュー。翌年には「少女S」でレコード大賞新人賞を受賞。近年ではファッションアイコンとしても注目を集め、自身のアパレルブランド”Feedback!”をプロデュース。2019年にはプライベートレーベル”her”を設立。

「SCANDAL」オフィシャルサイトはこちら

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