太公望のわくわく 釣ってきました

釣った魚で大宴会 アジ・イシモチをアウトドアで料理 神奈川・金沢八景

釣り人から満面の笑みがこぼれる時といえば、魚を釣ったときと、その魚を食べたとき。大勢の仲間と一緒なら、なおさらです。まず釣りを楽しみ、下船後はみんなでさっきまで泳いでいた魚をさばいて食べる。鮮度抜群、ビールがうまい! そんな魅力的な「釣り&アウトドア料理」を楽しむために4月上旬、横浜市の金沢八景に行ってきました。

横須賀市にほど近い京浜急行の金沢八景駅は、駅のすぐ前が平潟湾という地の利もあって、多くの船宿が軒を連ねています。釣り場まで近く、1日船より手軽な半日船を出している船宿も多いので、釣りを始めたいという人にはお勧めの場所です。今回お世話になったのは黒川丸。船宿に屋根付きのバーベキュー場を併設していて、「貸し切り船+BBQ」というプランを提案しています。

多くの船宿が軒を連ねる金沢八景。釣り船がびっしりと並ぶ

多くの船宿が軒を連ねる金沢八景。釣り船がびっしりと並ぶ

今回の幹事は、釣友で会社の先輩でもある淺野眞さん。淺野さんは料理好きでもあり、釣ったばかりの魚のおいしさを多くの人に知ってもらうことに情熱を傾けています。この日、呼びかけに集まったのは14人ほど。ビギナーも多く、釣りやすいアジとイシモチを狙うことになりました。

船は八景島に向けて進む

船は八景島に向けて進む

出船は午前7時30分。15分ほどで釣り場に到着し、まずはアジ釣りから。アジは、ビシを使って釣ります。ビシとは金属製のカゴのことで、これにコマセ(イワシのミンチ)を詰め、海中でまいてアジの群れを寄せるんです。

言葉で説明するとややこしいですが、やってみると実に簡単。道糸の先に天秤(てんびん)を接続し、その下にビシを、天秤の先に2本針を出した仕掛けをつなぎます。

まず、ビシにコマセを詰めて、およそ20メートルほどの海底まで沈めます。そして、リールをふた巻き。ここで小気味よく竿(さお)をしゃくると、海底から1メートルぐらいのところにコマセが漂います。さらにリールをふた巻きすると、針がちょうどコマセの煙幕の中に。コマセに寄ってきたアジが、針に刺した赤短(赤く染めたイカ)をコマセと勘違いして吸い込むといった具合です。

でも、この日は渋かった。しゃくれどもしゃくれども、竿先はピクリとも動きません。たまにプルプルッとしても、上がってくるのは15センチ弱の豆アジのみ。長潮という潮が動かない日で、アジの食欲もいまいちでした。私も1時間余りで3匹釣っただけ。たくさん釣ってこそ、面白いアジ釣りですから、厳しい日に当たってしまったようです。

この日は食い渋りだったアジ。豆アジだが貴重な1匹

この日は食い渋りだったアジ。豆アジだが貴重な1匹

竿が大きくしなったと思ったら、サメだった

竿が大きくしなったと思ったら、サメだった

このままではビギナーの心が釣りから離れてしまう……でも、船長と幹事の淺野さんは次の手を考えていました。この時期好調のイシモチ釣りなら、潮が動かない日でも釣れるはず。これが、大正解でした。

潮が流れない悪条件でもイシモチは順調に釣れた

潮が流れない悪条件でもイシモチは順調に釣れた

イシモチは、一番下におもりを付けた胴付き仕掛けで狙います。出す針は2本ほど。餌はミミズのような青イソメの頭の部分に針をちょんがけして、底に沈め、イシモチが食ってくるのを待ちます。

ガジガジ、ガジガジ。さっそく食ってきました。でも、ここで合わせてはだめ。イシモチは細長い青イソメのしっぽの方からかじってくるので、頭の方までかじるのを待たないと、針が口に刺さりません。ガジガジ、ガジガジ……グググググググ。竿先が戻らなくなったら、合わせるチャンス。

やりました! 25センチほどのイシモチをゲットです。

筆者もイシモチをゲット

筆者もイシモチをゲット

魚影は濃いようで、ビギナーの参加者も次々とイシモチを釣り上げていきます。ほっと一息。大宴会の食材もなんとかなりそうです。

釣り人にはイシモチの食味をいま一つと思っている人が多いのですが、船長さんによると、きちんと血抜きをすればおいしい魚とのこと。午前11時過ぎ。参加者はそれぞれそれなりに釣って、3時間ほどのアジ・イシモチ釣りは納竿となりました。

イシモチをおいしく食べるには血抜きがキモ。エラの付け根をカットする

イシモチをおいしく食べるには血抜きがキモ。エラの付け根をカットする

この日釣った豆アジとイシモチ

この日釣った豆アジとイシモチ

参加者の釣果を集めればこんなにたくさんに。手前のクーラーがイシモチ、奥がアジ

参加者の釣果を集めればこんなにたくさんに。手前のクーラーがイシモチ、奥がアジ

船宿に戻ったら、さっそくみんなでアウトドア料理の開始です。屋根付きのバーベキュー場には炊事場もあって、手分けしてアジとイシモチをさばいていきます。イシモチは3枚におろしてたたきに。両手の包丁でリズミカルに。トントントン、トントントン。向かい合った2人が4本の包丁でたたくと、まるでバンドの演奏のよう。食欲をそそる音が響きます。豆アジはちょっと小さいですが、定番のアジフライにすることにしました。さらに、イシモチの炭火焼きに、蒸し料理。テーブルが次々と埋まっていきます。

3枚に下ろしたアジとイシモチをリズミカルにたたいてタタキに

3枚に下ろしたアジとイシモチをリズミカルにたたいてタタキに

釣りたてを使ったアジフライは絶品

釣りたてを使ったアジフライは絶品

ついに料理はできあがり、みんなで座って乾杯! イシモチのたたきは、身にちょっと甘みがあって、想像していたよりずっと上品な味でした。釣りたてを使ったアジフライは、青魚っぽさがほとんどなくて、普段食べているアジフライとは別物です。本当は、もう少し大きいと、感動するほどのおいしさなんですが、それは次の機会に。

知り合ったばかりの参加者同士でも、釣りの話は、はずむ、はずむ。夕方の解散まで、楽しい宴となりました。

アジフライとイシモチ・アジのタタキ

アジフライとイシモチ・アジのタタキ

料理は完成。みんなで乾杯

料理は完成。みんなで乾杯

金沢八景にはほかにも、釣った魚を料理してくれるダイニングバーを併設している船宿さんもあります。ほとんどのお店で、竿とリールの貸し出しもしています。

釣りが心地よい季節になってきました。入門者に優しい金沢八景に、よかったら出かけてみてください。

金沢八景・黒川丸
https://www.kurokawamaru.com/

バックナンバー

>> 連載一覧へ

PROFILE

  • 釣り大好きライター陣

    安田明彦、猪俣博史、西田健作、石田知之、木村俊一

  • 西田健作

    朝日新聞記者
    1971年、神奈川県茅ケ崎市生まれ。15年ほど前に千葉県浦安市に引っ越し、ディズニーランドのすぐ近くで魚が釣れることを知り、釣りにはまる。朝日新聞社では文化くらし報道部で美術担当、映画担当などを務め、現在は同部次長(デスク)。外に出られない平日のモヤモヤから、ますます週末の釣りにのめり込んでいる。

「幻の魚」イシガキダイを狙え! 乗っ込み時期の鹿児島県屋久島 

一覧へ戻る

男女群島でイシダイと格闘 長崎県・五島沖

RECOMMENDおすすめの記事