楽しいひとり温泉

温泉+椿 伊東温泉「星野リゾート 界 伊東」

温泉+椿 伊東温泉「星野リゾート 界 伊東」

日本庭園を眺める広々としたロビー

JR東日本の特急「踊り子」号は、伊豆へ旅する人たちのウキウキした空気にあふれていました。プシュッと缶ビールを開ける音、笑い声……。「これぞ、伊豆の温泉旅だなあ」と、どこか懐かしい気分に誘われて、ゆっくりと過ぎていく車窓の景色を眺めていました。海の景色を楽しむために、座席はA席を狙います。行きも帰りも海側の座席はA席なのです。

「星野リゾート 界 伊東」は、JR伊東駅から徒歩10分。レトロな温泉街を進み宿へ到着です。2018年12月にリニューアルオープンし、ロビーはすっきり整いましたが、美しい日本庭園は健在で、春を彩る花々が咲き野鳥もやってきます。

温泉+椿 伊東温泉「星野リゾート 界 伊東」

伊豆の四季を草花で表現した宿はお茶とお菓子も季節限定

季節ごとに味わいを変える和菓子とお茶。この日は桜の餡(あん)と桜茶です。

温泉+椿 伊東温泉「星野リゾート 界 伊東」

35㎡の和室。全8タイプの部屋にひとり宿泊が可能

この宿のおもしろいところは、部屋のバリエーションが豊かなこと。こちらは一番コンパクトなタイプで35㎡。定員2名ですが、ひとり温泉旅にもちょうどいいサイズ。窓側のソファが居心地が良くて、庭を見下ろしてのんびり。

温泉+椿 伊東温泉「星野リゾート 界 伊東」

男女別大浴場の内湯は古代檜(ひのき)で豊かな源泉が注がれている

伊東温泉は日本全国の中でも有数の温泉湧出(ゆうしゅつ)量があります。界 伊東は四つの自家源泉を持ち、毎分600リットルの湯量。温度の異なる源泉を混合することで、源泉100%でかけ流ししています。しかも、それは古代檜(ひのき)の大浴場だけではないのです。大浴場のカランの湯も、シャワーも、プールも足湯も、部屋の内湯までもが温泉。大浴場の温泉が気持ちいいと「浴びるほど入りたい」と、思うことがありますが、まさに、そんな夢が実現。シャワーをひねれば温泉なのですから、頭の先からつま先まで、源泉かけ流しの温泉まみれになれるのです。

温泉+椿 伊東温泉「星野リゾート 界 伊東」

迫力ある大きな岩の露天風呂

内湯の外には野趣あふれる大岩の露天風呂。温泉はすっぽり肩まで浸れる深さ、壁際にしつらえた木製のベンチに座ると腰湯になってゆっくり入ることができます。泉質は、カルシウム・ナトリウム-塩化物・硫酸塩泉、pH8.2の弱アルカリ性。つるりとした柔らかな感触の温泉が、肌を包むように寄り添ってきます。肌をしっとり保湿し、ぽかぽかと温まりが持続する美肌気分の湯です。

温泉+椿 伊東温泉「星野リゾート 界 伊東」

源泉のプールは通年利用可能

日本庭園にはモダンな温泉プール。温度は30度ほどですが、なんと、これも源泉を使っています。4本の源泉の調整により源泉だけでプールに注いでいるそうです。ここで、水中ウォーキングをする常連さんもいらっしゃって、リゾートのような光景と日本庭園とのコントラストが面白い。

温泉+椿 伊東温泉「星野リゾート 界 伊東」

ロビー横のトラベルライブラリー

湯上がり処には足湯や季節の薬膳茶などがありますが、ロビーにあがれば、トラベルライブラリーがあります。コーヒーやハーブティーを自由にいただきながら、伊豆や旅ゆかりの本を読むことができます。

温泉+椿 伊東温泉「星野リゾート 界 伊東」

界 伊東の「ご当地楽」で椿(つばき)油造りを体験

星野リゾート「界」ブランドの滞在のお楽しみといえば「ご当地楽」。こちらの宿では、椿(つばき)油づくりです。伊東市の花木である「椿」の種から油を搾る体験メニューで、宿泊者は誰でも参加できます。意外に力が必要で、ほんの少ししか採れないことが分かり、椿油の精油の価値を実感します。絞った椿油を手に付けてみると、しっとりツヤツヤです。

温泉+椿 伊東温泉「星野リゾート 界 伊東」

温泉で体を癒やすための呼吸法やストレッチを教えてくれる

大浴場の近くでは、温泉に入る前、温泉に入っている時などに行う、呼吸法やストレッチ法を教えてくれます。ひとり温泉旅だと、時間を持て余さないかという心配は、この宿では無用です。あれこれと宿のアクティビティーやパブリックエリアを楽しんでいるうちに、あっという間に夕食の時間がやってきました。

温泉+椿 伊東温泉「星野リゾート 界 伊東」

春夏の特別会席の「宝楽盛り」は伊豆の幸がてんこ盛り

ひとり旅でも、食事プランが選べるのもうれしい。泊まり方も、1泊2食付き、1泊朝食、素泊まりが選べます。伊東温泉は夜食事ができるお寿司(すし)屋さんや居酒屋もあるし、モーニングをやっている喫茶店もありますから、外ごはんという選択肢も楽しめます。

それでも、温泉に入ってのんびりしたら、宿で浴衣のままでずーっと過ごしたいと思う時には、2食付きプランで。通常の会席でも満足なのですが、「金目鯛(キンメダイ)・伊勢海老(イセエビ)・アワビ」の三大美味の料理が味わえる特別会席がすごい。先付け、お椀(わん)の次にでてくる「宝楽盛り」は、八寸とお造りと酢の物が一緒にやってきます。伊勢海老のお造りは甘くてぷりんぷりん。アジや金目鯛など伊豆の地魚もたっぷり。伊豆シャルドネの白ワインと一緒に楽しみました。

温泉+椿 伊東温泉「星野リゾート 界 伊東」

上品な味わいの金目鯛の煮つけに熱した椿油を注ぐ

アワビの踊り焼きと和牛の三味焼きの次は、春夏の特別会席のメイン料理「金目鯛の椿蒸し」です。ふんわりと煮付けた金目鯛に目の前で熱々の椿油をかけて仕上げます。自分でじっくり身をほぐしながらゆっくり味わうもよし。面倒だという方は、取り分けもしてくれます。

そうそう。温泉宿の夜といえば、あんま・指圧のマッサージですよね。この宿は予約した後の確認ページからマッサージのWEB予約ができるんです。絶対に受けたい時間にあんま・指圧マッサージを確保できるのは重要なポイントです。国家資格を持ったゴッドハンドにほぐしてもらって、たまった疲れが吹っ飛んでいきました。

■「楽しいひとり温泉」ポイント
1.全館温泉かけ流し
2.マッサージの事前予約ができる
3.体験やパブリックが楽しい

■星野リゾート 界 伊東
https://kai-ryokan.jp/ito/

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PROFILE

石井宏子

温泉ビューティー研究家・トラベルジャーナリスト。日本・世界の温泉や大自然を旅して写真撮影・執筆をする旅行作家。テレビにも出演。温泉・自然・食で美しくなる旅を研究する。海外ブランドのマーケティング・広報の経験から温泉地の企画や研修もサポート。日本温泉気候物理医学会会員、日本温泉科学会会員、日本旅のペンクラブ会員、気候療法士(ドイツ)、温泉入浴指導員。著書「癒されてきれいになる おひとりさま温泉」(朝日新聞出版)「地球のチカラをチャージ! 海温泉 山温泉 花温泉 76」(マガジンハウス)ほか。新著「感動の温泉宿100」(文春新書)が10月に発売された。

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