京都ゆるり休日さんぽ

新緑の京都御苑散策に 緑に開かれた「中立売休憩所」

新緑がまばゆい季節。京都御苑を散歩するには、一番心地よいシーズンの到来です。現在の位置に建てられた14世紀から明治天皇の東京遷幸が挙行された1869(明治2)年までの間、歴代天皇が居住し公務を執り行った「京都御所」を中心に、公家屋敷の跡地などを国民公園化した「京都御苑」はまさに京都のセントラルパーク。2016年より京都御所は通年無料公開となり、観光に訪れる人、散歩やジョギング、ピクニックなどに憩う地元の人々が、思い思いにすがすがしい京都御苑の空気を楽しんでいます。

新緑の京都御苑散策に 緑に開かれた「中立売休憩所」

京都御苑は、地元の人々にとっても観光客にとっても憩いの場

その京都御苑の西側、中立売通に通じる中立売御門に、今年1月リニューアルオープンしたのが「中立売休憩所」。これまで地元の人々が利用することの多かった休憩施設が、ガラス張りのファサードから御苑の緑をゆったりと眺めることのできる、開放的な空間へと生まれ変わりました。御所への入り口の目の前にあり、施設前の緑地では芝生に囲まれた小径(こみち)や木陰のベンチでくつろぐ人々の姿があります。

新緑の京都御苑散策に 緑に開かれた「中立売休憩所」

テラス席を含め100席以上ある広々とした空間

広々とした館内は、レストラン、人気の京都のお土産を集めた物販スペース、京都御苑のパンフレットや見どころ案内などの情報を入手できるコーナーなど、観光客向けのサービスも充実。車いすの貸し出しや授乳・オムツ替えなどに利用できる多目的室も完備しています。また、飲食物の持ち込み自由なのもうれしいポイント。持参したお弁当などをいただきながら休憩することができます。

新緑の京都御苑散策に 緑に開かれた「中立売休憩所」

窓一面の緑が心地よい。テーブルと椅子は御苑のケヤキの木で作られたもの

「これまでは、地元の人々に知られるローカルな休憩所といった印象だったのですが、開業から何十年も経ち建物も老朽化。より観光の人々にも開かれた、心地よくオープンな場を目指してリニューアルされました。バリアフリー設計で、飲食物の持ち込みもできる。誰もが自由に活用していただけたら」と、施設の担当者は話します。

新緑の京都御苑散策に 緑に開かれた「中立売休憩所」

「本日の甘味セット」(800円・税込み)

レストラン「檜垣茶寮(ひがきさりょう)」では、季節の食材や京都の食文化を取り入れた和食のメニューがいただけるほか、軽食やデザートもそろいます。その時々で内容が変わる「本日の甘味セット」は、ブラウニー、わらび餅などのスイーツの盛り合わせにコーヒー、紅茶、グリーンティーなどが選べるもの。御苑散策の合間にほっと一息つくのにぴったりです。客席に使われているテーブルと椅子は、御苑で伐採されたケヤキの木を使って京都の木工職人が制作したもの。しっとりとした木肌が、これから多くの人々の「止まり木」となり、深みのある色合いに変化していくのが楽しみです。

新緑の京都御苑散策に 緑に開かれた「中立売休憩所」

俵屋吉富の麩焼きせんべい「菊華仙(きっかせん)」(9枚入り1,100円)と亀屋良長「懐中しるこ」(1個378円)。いずれも税込み、京都御苑限定

お土産コーナーには、笹屋伊織、亀屋良長などの和菓子店、漬物やお酒などの京都の名店からえりすぐった品々がずらり。菊紋をあしらった限定のお菓子なども並びます。

新緑の京都御苑散策に 緑に開かれた「中立売休憩所」

休憩所は京都御所の清所門が見える場所

散歩の途中に、天気の良い休日に、京都の人々は自然とこう口にします。「御所(御苑)でも行こか」。皇室の式典や節目の年には記帳所が設けられ、心寄せる人々が名前を記(しる)します。京都の街と暮らしとともに歩みながら、皇室ゆかりの地として歴史を伝える京都御苑。新しい時代のはじまりに改めてじっくり散策した後は、豊かな緑に開かれた休憩所でひと休みしてはいかがでしょう。(撮影:津久井珠美)

京都御苑 中立売休憩所
https://nakadachiuri.jp

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PROFILE

  • 大橋知沙

    編集者・ライター。東京でインテリア・ライフスタイル系の編集者を経て、2010年京都に移住。京都のガイドブックやWEB、ライフスタイル誌などを中心に取材・執筆を手がける。本WEBの連載「京都ゆるり休日さんぽ」をまとめた著書に『京都のいいとこ。』(朝日新聞出版)。編集・執筆に参加した本に『京都手みやげと贈り物カタログ』(朝日新聞出版)、『活版印刷の本』(グラフィック社)、『LETTERS』(手紙社)など。自身も築約80年の古い家で、職人や作家のつくるモノとの暮らしを実践中。

  • 津久井珠美

    1976年京都府生まれ。立命館大学(西洋史学科)卒業後、1年間映写技師として働き、写真を本格的に始める。2000〜2002年、写真家・平間至氏に師事。京都に戻り、雑誌、書籍、広告、家族写真など、多岐にわたり撮影に携わる。

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