原田龍二の温泉番長

温泉番長・原田龍二の温泉お悩み相談  Case.3「キャリア編」

鹿児島県霧島市の山あいの露天風呂。ここで俳優・原田龍二さんへ&TRAVEL読者が日頃のお悩みを相談。第3編は「キャリア」についてのお悩みです。
(文・渡部麻衣子、写真・山田秀隆、文中敬称略)

回答者

温泉番長・原田龍二の温泉お悩み相談  Case.3「キャリア編」

悩める読者

温泉番長・原田龍二の温泉お悩み相談  Case.3「キャリア編」

原田)じゃあ、最後に宮下くん。

宮下)いま社会人2年目なんですけど、まだ学生と社会人の気持ちの切り替えができていない気がするんです。もう社会人になったのに、まだ別の何かに挑戦したいという意欲や好奇心が捨て切れてなくて……。

原田)それって悪いことなのかなぁ。何か不安材料があるの? ちなみに、他に何かあるの? やりたい仕事。

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宮下)いま一番思っているのは、表舞台に立つ仕事です。

原田)それは、表現する側として?

宮下)……としてでもいいですし、アナウンス業もいいかなと。

原田)しゃべることが昔から好きなの?

宮下)はい。小学3年生から中学1年生まで歌舞伎クラブに入っていて、主演に近い役も演じたことがあって。

原田)そのとき感じた楽しさの魔力みたいなものを忘れられない、と。……なるほどなぁ。ただ、好きなことするのはいいけど、それで食っていけるのかとも言うよね。ちなみにやりたい気持ちはあるんだけど、一歩踏み出せていないのはなんでかな?

宮下)やっぱり、今の仕事も好きなんだろうなって。

原田)じゃあ、100%嫌いでもう辞めたくて仕方がないって状況ではないんだ。

宮下)そうですね。

原田)だったら、今はとりあえず仕事を続けたらどうだろう。それで、しばらく経ってもフツフツと消えない火種がずーっとあるようだったら、そのとき初めて決断が迫られるかもね。今はその時期じゃないね、うん。

宮下)そうかもしれないです。

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原田)しかも入社してまだ2年でしょう? これからの未来の中で、違うビジョンも見えてくるかもしれないし。たぶん、これは“悩み”じゃないよね。先が見えない“不安”なんだと思う。悩みって、「死にたいな」とか、そのレベルのことだもの。

宮下)不安……なんでしょうか。

原田)でも、先のことを考えて不安になる必要なんかないよ。だって明日のことだってわからないんだもの。大地震がくるかもしれないし、テロが起こるかもしれない。そう考えると、不安になっても良いことは一つもない。だったら今を楽しく生きないと!  今この瞬間だって、1秒後には過去になっちゃうんだから。……あとね、たぶん本当に悩んでいる人は、この企画に応募しないと思う。

一同)(笑)

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原田)だって、応募している場合じゃないもの。温泉に来ている場合じゃない。けど、こういうちょっと特別な日常を過ごしたことには意味があると思うよ。大きなきっかけにはならないだろうけど、人生、何がどこでどう作用するかわからないからさ。オレは、人との出会いと別れを経験することが人生だと思うから。

宮下)人生……。

原田)うん。ボーッと生きてさえいなければ、自然と進むべき方向性は見えてくる。ビビビッとこないにしても、ふいに「そっか、こういうことか」って自然と体がそっちに向くと思う。そのためには常に「行くべき方向はどこかな」って探してなきゃダメだけど。そういうアンテナ(自分の感覚)は、3人とも持ってると思う。

一同)(うなずく)

原田)あとは自分のアンテナが反応したときに、素直に従えるかどうか。そのためには、アンテナも信用できるものにしたいよね。その精度を上げるのは、やっぱり経験。それしかない。どこにも売ってないし、そもそもお金で買えないから。

少しでも興味があるなら、そちらに向かって行動し続けることが、アンテナの精度を上げることにもつながる。意識して生活していると急に「あっ!?」てなる瞬間がくるから、油断せずに毎日なるべく悔いの残らないように一所懸命生きてほしい。全力で生活しているときっとなんか見えてくる。一所懸命さが何かを見せてくれることが、きっとある。それは一所懸命に生きている人間にしか訪れない瞬間だから。

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宮下)原田さんは、20代のころと今とでは仕事への考え方は変わりましたか?

原田)もう180度違う。自分の経験値も20代のころとは違うし、状況も違う。今は家族のために仕事をしているし、それが生きがいだからね。「バカなことやってるなこの人」って見た人に元気になってもらうのも、仕事を一所懸命やるモチベーションになっているし。

宮下)背負うものが大きくなると、仕事の重みも増すんでしょうか。

原田)いや、家族を背負っているって感覚はないの。形としては背負ってるけど、「背負ってやってるぞ」っていうのはない。心をさびつかせないでいる秘訣(ひけつ)は、ずっと1人の人間として生きていることなのかもしれない。

宮下)1人の人間として、ですか。

 原田)芸能人ってさ、“人にカッコいいところを見てもらうのが仕事”ってイメージが若いころのオレにはあったんだけど、それ、今思うと逆だと思うんだよね。

宮下)逆?

原田)昔ね、ドジなことやったりすごいおちゃめなことやったりするオレの先輩を、すごくかっこいいなって感じた瞬間があったの。オレその姿を見たときに、「自分もこっちだな」って思った。どれだけ人から渋いイメージを抱かれても、そんなのは自分には関係ない。自分がおもしろいと思うことを純粋に楽しむことが、かっこいいにつながるんじゃないかなって。

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宮下)その先輩に出会うまでは、かっこよさの基準は違ったんですか?

原田)たとえば昔は、陰があってなんとなくアウトローな人がかっこいいって、そういうイメージの俳優さんなんかを見ては思ってたの。でもそれは作品の中でのことで、普段からそうってわけじゃないんだよね。むしろ普段をすごく人間っぽく生きてないと、作品の中でそういう風に見せることもできないんじゃないかなって思うし。若いときはかっこつけちゃったりするけど、だんだん自然体がかっこいいと思うようになった

宮下)かっこいいの価値観もどんどん変わっていく……。

原田)今はもう完全に、飾らない精神

(全裸のアニキを見て、うなずく一同)

原田) “着飾る=かっこいい”なら、オレだって全身脱毛するし、髪の色も変えるよね。でもオレはそれをかっこいいとは思わない。着飾っているだけの人ほど不格好っていうかさ、そういう風にオレは思うよ。

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PROFILE

渡部麻衣子

&TRAVELでは2018年4月から「原田龍二の温泉番長」を連載。

鹿児島県・旅行人山荘 「赤松の湯」

単純泉と硫黄泉、二つの源泉が楽しめる湯量豊富な温泉宿。今回入浴したのは、木立を吹き抜ける心地よい風が感じられる露天風呂「赤松の湯」(硫黄泉)。小鳥のさえずりや源泉かけ流しの湯が流れ落ちる音を聞きながら、至福の時間を過ごせる。

住所:鹿児島県霧島市牧園町高千穂3865

電話:0995-78-2831

HP:https://ryokojin.com

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