太公望のわくわく 釣ってきました

活きエビが決め手! 五目釣りでクーラー満タン 茨城県大洗町

釣り人が船宿に求めるサービスといえば、まずは狙った魚をしっかりと釣らせてくれることでしょう。それも1匹でも多く。できればクーラー満タンに。そんな、私のような欲深い釣り人のために努力を惜しまない船宿さんがあると聞いて、茨城県大洗町の大洗港まで行ってきました。
(トップ写真は筆者が釣りあげた尺超えのオキメバル)

活きエビが決め手! 五目釣りでクーラー満タン 茨城県大洗町

遊漁船や職漁船が並ぶ大洗港

お世話になったのは藤富丸。ちょうど、ゴールデンウィークだったので、その日は近くの大洗キャンプ場に泊まって、釣った魚の活(い)け造りで一杯やろうという、釣りおやじには夢のような計画を立ててみました。

活きエビが決め手! 五目釣りでクーラー満タン 茨城県大洗町

藤富丸の釣り人たち

高速道路で都心から車で2時間ほど。大洗町は、水戸市の中心部から南東に10キロ余りの場所にあります。人口1万7千人ほどの小さな町ですが、アニメ好きには、女子高生が戦車で競う「ガールズ&パンツァー」(ガルパン)の舞台として知られていて、今でも多くのアニメファンが訪れています。

その一方で、今も昭和の薫りを残している港町でもあります。藤富丸が掲げるのは「夫婦(めおと)船」。昭和生まれの筆者には、ガルパンよりこちらの響きの方がぐっときます。夫が舵(かじ)を操り、同船する妻が釣り客の面倒を見る。まさに演歌の世界です。

「朝早くに遠くまで来てくれるんだから、クーラー空っぽで帰すのではかわいそう。うちなら初心者でもたくさん釣れるよ」と船長の小沼洋一さん。釣らせるためには手を抜かない。そんな職人気質の証しが、エサに活きエビを使っていることです。エビは暗くならないと浅場に上がってこないため、小沼船長がエビを獲るのは日が暮れてから。釣り船の出船は早朝ですから、まさに寝る間を惜しんでのエサ確保です。「冷凍のエビとは、魚の食いが違うから」と小沼船長。さて、うまくいくかどうか。

活きエビが決め手! 五目釣りでクーラー満タン 茨城県大洗町

活きエビに針を刺す

午前4時30分に釣り人が港に集合すると、藤富丸はまもなく出船しました。まず、港内のいけすから活きエビを積み込み、沖に出てさっそく釣りの開始です。仕掛けは一番下に30号(約110グラム)の軽いおもりを下げた胴付き仕掛け。下から80センチ間隔で3本の枝針を出しています。

まず、おけで活かしておいたエビを、枝針に付けます。尾羽を切ってそこから針を刺し、腹側から針先を出す。エビはまだ生きていて、ピチピチしています。水深は40メートルほど。仕掛けを底まで下ろし、1メートルほど巻き上げてアタリを待つと、すぐに、ブルブル、ブルブルと、竿(さお)先が震えました。どうやら魚の口に針がかかったようです。何の魚かな? ゆっくりと巻き上げてみると、真っ赤なオキメバルが海面に。しかも尺(約33センチ)に迫る大きさです。

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グッドサイズのオキメバルが釣れた

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35センチ超の良型オキメバルは活け造りにしよう

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35センチ超のハナダイの引きはなかなかの強さだった

「活きエビが誘ってくれるんだから、釣りの腕はいらないよ」と小沼船長。ブルブル、ブルブル。仕掛けを下ろすたびに、面白いようにアタリがあります。ハナダイ(チダイ)、クロメバル、ソイ、ホウボウ……。クーラーはどんどんにぎやかに。竿を曲げるたび、釣り人は満面の笑顔に。尺超えの大メバルやハナダイも混じって、お昼過ぎにはめでたくクーラー満タンになりました。やっぱり、釣りの楽しさは、釣れてこそですね。

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釣友の長野剛さんの竿が弓なりにしなる

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大きなソイも釣れた

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オキメバルとハナダイでクーラーはいっぱいに

下船後、すぐ近くの大洗キャンプ場に行って、アウトドア料理の開始です。洗い場で魚をさばいていると、家族連れのキャンパーが「すごいですね」と話しかけてきます。「朝、釣ってきたんですよ」と、ちょっと自慢げに答えます。釣友の長野剛さんが、大きなオキメバルを活け造りにしてくれました。

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大洗キャンプ場はフリーテントサイト利用の場合は予約不要。松林の好きな場所にテントを張れる

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ハナダイは炭火焼きに

オキメバルはさらに煮付けにしたり、パクチーを使ったセビチェ風マリネにしたり。さらにハナダイは炭火焼きに。キャンプ飯らしくない、豪華な海鮮フルコースとなりました。食べきれない! たき火を眺めながらのお酒も進む、進む。この日集まった4人の会話は弾み、大盛り上がりの宴(うたげ)となりました。

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豪勢な魚尽くしが完成

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たき火は最高のスパイス

私もそうですが、子どもが大きくなって、かつて家族のために買いそろえたキャンプ道具が押し入れや倉庫に眠ったままの人も多いはず。それを引っ張り出してのおやじキャンプ、楽しいですよ。野外で過ごすのが気持ちいい季節になりました。みなさん、ぜひ、釣りおやじキャンプをお試しあれ!!

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オキメバルは家でも煮付けに

藤富丸
http://www.fujitomimaru.com/

大洗キャンプ場
http://www.oarai-camp-jo.com/

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PROFILE

  • 釣り大好きライター陣

    安田明彦、猪俣博史、西田健作、石田知之、木村俊一

  • 西田健作

    朝日新聞記者
    1971年、神奈川県茅ケ崎市生まれ。15年ほど前に千葉県浦安市に引っ越し、ディズニーランドのすぐ近くで魚が釣れることを知り、釣りにはまる。朝日新聞社では文化くらし報道部で美術担当、映画担当などを務め、現在は同部次長(デスク)。外に出られない平日のモヤモヤから、ますます週末の釣りにのめり込んでいる。

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