カメラは旅する

ローカルな生活を垣間見る、写真家が旅するサンディエゴ

「サンディエゴの人たちはどんな生活を送っているんだろう。」

旅のだいご味の一つは、地元の人に出会い、暮らしに触れること。もちろん、旅では垣間見ることしかできないけれど、その土地の生活を見ると、新しい発見があったり、親近感が湧いたり、旅に深みを与えてくれる。初のサンディエゴ、彼らの生活をちょっとだけのぞいてきた。

(文・写真/葛西亜理沙)

子どもの感性を刺激するクリエイティブな博物館

「ママだってベッドの上でジャンプしたいのよ!」

子供たちの創造性を刺激する体験施設「The New Children’s Museum」には子どもから大人まで一緒に遊べる部屋がいくつもあり、みんな大はしゃぎ。中でも、マットレスとタイヤの形をした枕が部屋全体に敷き詰められたマットレスルームは大人気。おのおのが心ゆくまで跳ねたり転んだりを楽しんでいる。

アスレチックのようなワンダーサウンドルームでも、思いきり散らかしながら粘土遊びができるクレイスタジオでも、親は安心して遊ばせている。「家では叱るような駄目なことも、ここではルールから解放されるの」と子どもと遊んでいたお母さんが、息を切らしながら話してくれる。

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40個のマットレスと165個の“タイヤ枕” が並ぶマットレスルーム

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アスレチックのようなワンダーサウンドルーム

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壁の一部は子どもたちがペイントした木片で作られている

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エントランスにある約15メートルの橋の両壁にもカラフルなアートが

サンディエゴ市民の憩いの場

サンディエゴ風(?)子育てを見た後、天気がいいので「Balboa Park」へ。博物館・美術館だけでも16以上、そのほか植物館、動物園など様々な施設がある広大な総合公園だ。真っ青な空の下、桜が満開に咲き誇っている。

「あれ? ここサンディエゴだよね!?」

ヤシの木とサボテンにあふれる公園を勝手にイメージしていた私は拍子抜け。公園内にある「Japanese Friendship Garden」では、ピンククラウドと呼ばれる桜が満開の時期(4月)を迎えていた。桜の木の下で話したり、写真を撮ったり、みんな花をめでている。サンディエゴの人たちもお花見をする、ということに親しみを感じてしまった。

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ピンククラウドと呼ばれる桜

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桜の写真を撮りに来たと言っていた地元の大学生

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もちろん、サボテンはあちらこちらで見かけることができる

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Balboa Parkのシンボル、サンディエゴ人類博物館。公園内は見どころがたくさんあり、1日ではとても回りきれない

ローカルにも人気の大型商業施設

「旅行者はもちろん、地元の人にも人気があるよ」と薦められたのが「Liberty Station」。1923年に建てられた当初は海軍訓練センターだった。ピンク色の2階建ての建物に囲まれ、草木がきれいに整えられた中庭が、当時は砂地で軍の行進や銃の練習場だったなんて想像がつかない。

敷地は四つのエリアに分かれ、Arts District エリアの1階は飲食店やギャラリー、2階は地元のアーティストのアトリエになっていて、ローカルグルメや芸術にも触れることができた。

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芝生が敷き詰められ、ピクニックをしている人でにぎわうこの中庭は、かつて砂地の広場だった

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海軍訓練センターは冷戦の終結後、1997年に正式に閉鎖され、サンディエゴ市がこの敷地を買い取ったという

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海軍の食堂だったMess Hall。窓は昔のままを残し、中は改装して今はレストランやバーなどが入っている

リトルイタリーの人気カフェ

帰り際、おしゃれなカフェに遭遇。ダウンタウンにある「Bird Rock Coffee Roasters」に立ち寄った。

「ブラックコーヒーが苦手なんだけど、おすすめはある?」とコーヒーが売りのカフェで変な注文をしてしまう。嫌な顔もせず、エスプレッソにミルクをたっぷり入れた、程よい甘さのフラットホワイトをいれてくれたバリスタのコーニー。出身を聞くと「根っからのサンディエガンよ!」と返事が返ってきた。サンディエゴ出身の人のこと“サンディエガン”って言うんだ!

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ダウンタウンのリトルイタリーにある人気のカフェBird Rock Coffee Roasters

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サンディエガンのコーニーが淹(い)れてくれたミルクたっぷりのフラットホワイト。苦いのが苦手な私でもおいしく飲めた

今回出会ったサンディエガンの日々。太平洋を渡ったこちら側でも、子育てに奮闘したり、お花見をしたり。道端でサボテンをあちらこちらに見かけながらも、日本の日常と重なるところがあるのは新鮮だった。どこか似ていて、どこか違う。そんな彼らの生活をちょっとだけ見ることができたサンディエゴの旅だった。

■バックナンバー
心躍るアートの街、写真家が旅するサンフランシスコ

■取材協力
カリフォルニア観光局
サンディエゴ観光局
Intercontinental San Diego
住所:901 Bayfront Court San Diego, CA 92101 USA
電話:+1 619-501-9400

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宿泊したホテル「Intercontinental San Diego」。ラウンジのバーではオリジナルのカクテルを作ってくれる。部屋からはサンディエゴ湾が一望できる

PROFILE

葛西亜理沙

フォトグラファー。

横浜生まれ。サンフランシスコ州立大学芸術学部写真学科卒業後、写真家・坂田栄一郎氏に師事。その後、独立。東京を拠点に活動。広告や雑誌などで撮影する他、個人の作品を国内外で発表している。第63回朝日広告賞入賞。第16回上野彦馬賞「九州産業大学賞」受賞。

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