楽しいひとり温泉

温泉+温冷交互浴 「雲上の温泉」長野・高峰温泉

ひとりでも温泉を楽しみたい! 連載「楽しいひとり温泉」は、全国各地の温泉をめぐり、温泉・自然・食で美しくなる旅を研究する、温泉ビューティー研究家の石井宏子さんが、テーマごとにひとり温泉にぴったりなお宿を紹介します。

今回ご紹介する温泉とお宿は、長野県の「高峰温泉」。はたして、どんなところなんでしょう?

梅雨のストレスを乗り切る「雲上の温泉」

梅雨の季節は気圧の変化が激しいため、自律神経が乱れやすく体の不調を感じてしまうことがあります。2014年の温泉法の見直しに伴い、温泉の適応症に注目すべき項目が追加されました。それは、自律神経失調症やストレスによる諸症状(睡眠障害、うつ状態など)について。

なんだか調子が出ないとか、疲れがとれずにぐったりするとか、そんな時こそひとりでのんびり温泉へ出かけましょう。

今回の旅は、蒸し暑さから逃れられる標高約2000メートル、「雲上の温泉」で知られる高峰温泉です。高峰温泉には、温泉の入り方や造りにも心身のバランスを整えるための特徴があります。

ぬる湯と加熱泉の「温冷交互浴」で心も体もリフレッシュ

温泉+温冷交互浴 「雲上の温泉」長野・高峰温泉

温泉や館内を照らすランプの明かりに癒やされます

館内にある内湯のひとつ「ランプの湯」。小さめの湯船は約33度の源泉かけ流しになっています。入る瞬間は「ちょっと冷たい」、でも、じっと入っていると、あたかも温泉に同化してしまうような心地よい錯覚が。これこそが“ぬる湯”の楽しみです。

大きめの湯船は加熱泉で約41度、冷たい源泉と加熱した温かい温泉に交互に入る「温冷交互浴」をすることで、血行が促進され疲労回復効果が、また交感神経と副交感神経が刺激され、自律神経が整うことを期待します。泉質は、含硫黄-カルシウム・ナトリウム・マグネシウム-炭酸水素塩泉。硫黄を含む泉質に心も体もリフレッシュ。

温泉+温冷交互浴 「雲上の温泉」長野・高峰温泉

2階にも二つの内湯があり、ヒノキの湯船にゆったり入れる

2階にも大きめの内湯「四季の湯」(女性用)・「高峰の湯」(男性用)があり、それぞれ約37度のぬる湯と約41度の加熱泉の二つの湯船があります。寝る前はこちらのぬる湯にゆっくりつかって心身の緊張を緩めてぐっすり。

いざ、雲上の絶景温泉へ

温泉+温冷交互浴 「雲上の温泉」長野・高峰温泉

雲上の露天風呂は朝も夕暮れ時もそれぞれの絶景が楽しめる

この宿にはもうひとつ、とっておきの温泉があります。宿の裏手から山道へでて、少し進むと……。絶景露天風呂に到着です。

わあ。彼方(かなた)には雲海とその上に頭を出している中央アルプスの山々。こんな絶景を眺めながら温泉に入れるのはこの宿ならでは。標高約2000メートル、雲上の露天風呂は男女別にありますから、いつでも好きな時に入りにくることができます。どんな季節でも気持ち良い絶妙の温度で入れるように工夫されたご主人手作りの露天風呂。加熱泉をかけ流しにし、湯船の底の方もぬるくならないように熱交換の仕組みが湯船の中に隠されているそうです。

また、この宿の温泉は「飲泉」で飲むことができます。ほんのり硫黄の香りの温泉を、少しずつかみしめるようにちびちびと飲むのがコツ。糖尿病や便秘などの適応症があるそうです。

温泉+温冷交互浴 「雲上の温泉」長野・高峰温泉

飲むことができる温泉で、体の中からもリフレッシュ

温泉+温冷交互浴 「雲上の温泉」長野・高峰温泉

自然環境に配慮して洗剤を極力使わない提案も

夕食は空と山を見渡す食事処でいただきます。手作りこんにゃくのお刺し身が、ぷるんぷるんでおいしい。山菜の天ぷらは揚げ立てで、イワナの塩焼きも熱々で運ばれてきます。

温泉+温冷交互浴 「雲上の温泉」長野・高峰温泉

山菜、野菜、川魚など山国・信州ならではの恵みが並ぶ

無料で参加できるアクティビティーが満載

温泉+温冷交互浴 「雲上の温泉」長野・高峰温泉

ドラマチックな夕暮れの空

刻々と変化する夕暮れの空。すっかり暗くなると、大きな空に星がまたたきます。食事の途中に「まもなく人工衛星が通過しますよ」とスタッフが案内すると、みんなどよめいて窓辺へと集まります。電気が消されて、目を凝らしていると、すーっと光が動いていくのが見えました。目の前を人工衛星が通過していくのを見られるなんて、さすがは雲上の温泉宿。こんなことは、この宿ではよくあることなのだそうです。

温泉+温冷交互浴 「雲上の温泉」長野・高峰温泉

無料で参加できるアクティビティーのひとつ「星の観望会」

無料で参加できるアクティビティーが色々あるので、ひとり温泉でもぼーっとしている場合ではありません。夜は宿の玄関前に本格的な天体望遠鏡が登場して星の観望会。宿がある高峰高原は、空気が澄んでいて見える星が多すぎるため星座がわからないほどです。

温泉+温冷交互浴 「雲上の温泉」長野・高峰温泉

宿の近くの池の平湿原を周遊する「自然観察会」も人気

翌朝にも、ぜひ参加してから帰りたい体験があります。朝9時から正午まで行われる「自然観察会」は、宿からガイドがついて池の平湿原まで出かけ、約2時間の周遊案内が行われます。5月から11月20日までは普通のスニーカーでも大丈夫な遊歩道を歩きますので安心です。

温泉+温冷交互浴 「雲上の温泉」長野・高峰温泉

大パノラマの絶景。雲の上に山々が頭を出す

湿原の奥まで進むと、こんな絶景が広がります。温泉に癒やされ、圧巻の大自然とともに過ごす一夜で、心も体もすっきり爽快になりました。

■「楽しいひとり温泉」ポイント
1.ぬるい温泉が心地いい
2.雲上の露天風呂に感動
3.自然を体験するプランが満載で寂しくない

長野県・高峰温泉
https://www.takamine.co.jp/

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PROFILE

石井宏子

温泉ビューティー研究家・トラベルジャーナリスト。日本・世界の温泉や大自然を旅して写真撮影・執筆をする旅行作家。テレビにも出演。温泉・自然・食で美しくなる旅を研究する。海外ブランドのマーケティング・広報の経験から温泉地の企画や研修もサポート。日本温泉気候物理医学会会員、日本温泉科学会会員、日本旅のペンクラブ会員、気候療法士(ドイツ)、温泉入浴指導員。著書「癒されてきれいになる おひとりさま温泉」(朝日新聞出版)「地球のチカラをチャージ! 海温泉 山温泉 花温泉 76」(マガジンハウス)ほか。新著「感動の温泉宿100」(文春新書)が10月に発売された。

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