太公望のわくわく 釣ってきました

ギューン!と次々に釣れるアユ 友釣りを満喫 奈良県上北山村

西へ東へ、海へ川へと旅して釣りする太公望たちの奮闘記です。魚との知恵比べ、釣った魚で一杯……。目的は人それぞれながら、闘いの後の心地よい疲労と旅情は格別。今回は、釣りライターの安田明彦さんが、奈良県の山奥にある上北山村で、アユの友釣りに挑みました。数ある釣りの中でも安田さんが「一番好き」と太鼓判を押す、そのココロは?

「順調に掛かっている」北山川へ

父親に釣りを教えられ、淡水の釣りから入門した私は、いろいろ経験してきた釣りの中でも、アユの友釣りが、今でも一番大好きです。理由は楽しいからです。楽しさの度合いが半端ではないのです。

アユ釣りが6月9日に解禁された奈良県上北山村の北山川では、順調に掛かっていると、アユ釣り愛好者の団体「ちろりん会」の瀧澤佳樹さんから聞きました。そこで6月下旬、兵庫県明石市の小林鋭二さんと奈良県吉野町で合流し、1台の車で3人一緒に出かけました。

途中、話題に上るのはアユだけ。吉野川沿いの国道169号を走っている時は、この川で友釣りをした思い出話、とか。

新伯母峯トンネルを抜けると上北山村に入り、今度は北山川が見えてきます。北山川には上流から下流へ池原ダム、七色ダム、小森ダムと三つのダムがあり、三重県新宮市で熊野川に合流して熊野灘に流れ込みます。熊野川の最上流部分を流れる川の一つが、上北山村の北山川ということです。

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道の駅の看板が見えた

オトリを購入、高まる期待

道の駅「吉野路 上北山」のそばにある「喫茶ひろ」の前で車を止め、友釣りに使うオトリアユと入漁券を購入します。川の対岸には、上北山温泉があります。今回は入りませんでしたが、釣りの後の温泉というのも、ええもんです。

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この道は何度も通ったが、「喫茶ひろ」に寄ったのは初めて

オトリには天然(600円)と養殖(500円)があり、選んだのはもちろん泳ぎの良い天然オトリです。少しお高いですが……。

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「喫茶ひろ」のマスターから天然オトリを受け取る

北山川で良く釣れる理由は、放流されているアユよりも、ダム湖からの遡上(そじょう)アユにありそうです。ダムのある川では、アユが産卵すると稚魚がダム湖へ流れ込むのですが、ダム湖のエサの状況が、稚魚が育つか育たないかの分かれ目になると聞きます。池原ダムにはアユの稚魚が育つエサがあるようで、今年は遡上数が多く、順調に釣れているようです。

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北山川と小橡川の合流点

車は喫茶ひろから下流へ向かい、支流の小橡川(ことちがわ)との合流点へ向かいます。支流と言えども、河原が開けた広い川です。釣りやすそうなポイントが点在し、誰も入っていない、お宮さんの所にポイント決定。

攻めにくい場所を狙ったら……ガガーン!

浅い瀬があり、トロ場(流れが穏やかな場所)があり、荒瀬がありと、ポイントに変化が富んでいます。瀧澤さんが上流へ、私と小林さんは下流へと向かいました。

ギューン!と次々に釣れるアユ 友釣りを満喫 奈良県上北山村

支流とは思えないほど、広々している釣り場

小林さんは、浅い瀬肩で見えていたアユをポンポン掛けています。足元には、7~8センチの、池原ダムから遡上してきたと思われるアユが群れています。踏むほどいるとまではいかなくても、相当数の遡上アユがいることは間違いないです。大いに期待が盛り上がり、ポイントにオトリを入れれば、間髪いれずに追ってくるというイメージがわいてきます。

しかし、下流の私が竿を出した瀬肩では、その入れ掛かりが無いのです。昨日、釣り人が釣ってしまったのかもしれません。そこで、オトリを入れにくい場所や、攻めにくい場所を狙うと、ガガンッ!ギュン!!と掛かってきました。

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筆者の1尾目はやや遅かったが、追って掛かってきた

ウロコが小さくてキレイ。湖産のアユでしょう。小さいですが、黄色いので縄張りを持っていたとわかります。

さきほど分かれた地点で、お昼に集合することになっていました。私は釣りにくい場所を狙って下り、12尾のアユを得て戻りました。上流の瀧澤さんは、18センチクラスの良型を含め26尾釣っています。下流へ移動した小林さんは、29尾も引き舟から出てきて、午前中のトップ。

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小林鋭二さんが午前中29尾釣ってトップ

橋の下の陰になるところで、焼きそばを作って、昼休憩にしました。コンクリートの護岸で、横にはすぐ川が流れているので、オトリ缶も浸けられて便利です。

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コンビニもない場所では、お弁当を持って行くか、現地で作るか。暑くても温かい焼きそばの味は、また格別

午前中がウソのように釣れまくる

昼食後は下流に瀧澤さん、上流には小林さんが。私は北山川との合流点から小橡川へと、午後5時までの第2回戦です。

瀬の中へオトリを入れると、バーーンと追ってきました。しかし、根掛かりして、ポイントをつぶしてしまい、4尾元気なオトリを確保して小橡川へ。川を上っていくと、橋の所に3人の釣り人が。このあたりから釣り下ると、時間的にもちょうど良さそうです。

瀬肩へオトリを入れると、待ったなしでガーーン!と追ってきました。17センチの立派なサイズ。長さよりも丸々と肥えているのに目が行きます。よく肥えているのは、エサをたんまりと食べている証拠です。

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小さくても、追って掛かってくるアユは、釣っていて楽しい

元気なオトリを白い泡の中へ放り込んでやると、ガガーン! ギューーーン!! あー楽しい! 午前中がウソのような爽快な気分になれます。水質が良いのも、山の間から青空が見えるのも、爽快な気分になれる要因です。

岩盤に挟まれた「玉石底」にちらっとアユの姿が見えます。アタリが出る前に、水中でギラッと光る姿が。透明度が高いから見る楽しさも。18センチのブリブリに肥えたアユが釣れました。

友釣りは循環のゲーム。良いオトリを使えば、次から次へと掛かるのです。しかも良型ばかり。2桁近く取りこみ、掛かって2、3尾の予想を見事に覆してくれました。まさかこの小場所で入れ掛かりになるとは、思ってもみませんでした。ほかの釣り人に見逃されていたポイントだったのでしょう。

ギューン!と次々に釣れるアユ 友釣りを満喫 奈良県上北山村

瀧澤さんは、トータル59尾のアユを仕留めた

久しぶりの北山川は、気分よく釣りを終了できました。午後だけで21尾で、合計33尾と、筆者の今シーズン最高の釣果となりました。瀧澤さんは計59尾、小林さんは55尾と数釣りを堪能していました。

塩焼きもよし、干物の素揚げもよし

ギューン!と次々に釣れるアユ 友釣りを満喫 奈良県上北山村

アユは串に刺して豪快な塩焼きに

アユは串に刺し、炭火で焼きましたが、頭までむしゃぶりつきました。小さいのは、干物にしてから、油で素揚げ。これまたパリパリになって丸ごと食べられました。

また、行きたい川が、一つ増えました。

ギューン!と次々に釣れるアユ 友釣りを満喫 奈良県上北山村

干物にしたアユの素揚げも、また格別

喫茶ひろ
07468-2-0312
入漁券は年券1万円、日券3千円

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PROFILE

  • 釣り大好きライター陣

    安田明彦、猪俣博史、西田健作、石田知之、木村俊一

  • 安田明彦

    釣りライター
    1959年大阪市生まれ。父親の影響で子供のときから釣りが大好き。大学卒業後、釣り週刊誌の記者、テレビの釣り番組解説者などを務め、「やっさん」の愛称で親しまれる。あらゆる釣りを経験するが、近年は釣って楽しく、食べてもおいしい魚だけを求めて行くことが多い。釣り好き、魚好きが高じて、大阪市内で居酒屋「旬魚旬菜 つり宿」を営んでいる。

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