魅せられて 必見のヨーロッパ

愛らしい民族衣装と美しくおいしい町 ドイツ・フライブルク

ツアーの行き先としてはあまりメジャーではないけれど、足を運べばとりこになってしまう。そんなヨーロッパの街を、ヨーロッパを知り尽くした作家・写真家の相原恭子さんが訪ねました。今回はドイツのフライブルク。針葉樹が生い茂る「黒い森」の入り口に位置する町です。

「黒い森」への入り口の街

愛らしい民族衣装と美しくおいしい町 ドイツ・フライブルク

フライブルク旧市街の眺望

カールスルーエからドイツの高速鉄道ICEに乗り、約1時間でフライブルクに到着。黒い森への拠点とされる美しい町です。

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フライブルクの入り口ともいえる門「シュヴァーベントーア」とホテル「ツーム・ローテン・ベーレン」

「シュヴァーベントーア」は13世紀中ごろに建てられました。それ以前からここで旅人を迎えたのがホテル「ツーム・ローテン・ベーレン」です。写真右端の濃いピンク色の建物で、1120年からホテル&レストランとして絶えることなく営業を続けています。チェックインすると、「黒い森の娘(シュヴァルツヴァルトメーデル)」の民族衣装を着たガイドのジュリアさんが出迎えてくれました。

「黒い森の娘」の民族衣装

愛らしい民族衣装と美しくおいしい町 ドイツ・フライブルク

黒い森の民族衣装を着たガイドのジュリアさん

愛らしい民族衣装と美しくおいしい町 ドイツ・フライブルク

ホテルの地下には地層のように約900年の歴史を物語るそれぞれの時代の礎などが残っています

ジュリアさんが着ているのはグータッハ(フライブルクから約30キロの黒い森にある村)の未婚女性の民族衣装。赤い大きなウールの玉が付いた帽子が特徴です。かぶってみると、首が痛くなるほど重い! 内側にせっこうが施されていて、重さは3キロ以上あるそうです。

黒い森にはいくつか村があり、方言も民族衣装も村ごとに異なります。近年は若い世代も民族衣装に関心を持つようになり、伝統的な結婚式の衣装もあります。1カ月後に結婚するというジュリアさんは、「彼のプロポーズの言葉は『次の民族衣装は、僕が用意するからね』だったんですよ!」と幸せいっぱいです。

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情緒のある路地には水が流れています

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フライブルクのシンボル「ミュンスター(大聖堂)」。塔の高さは116メートル


町なかの道に沿って昔の防災用の水路があり、水の音が心を和ませてくれます。1200年から16世紀にかけて建設された「ミュンスター(大聖堂)」は威風堂々としたゴシック様式の教会。広場にある旧衛兵所「アルテ・ヴァッヘ」には、「バーデン・ワイン・ハウス」があり、セルフサービスのワインバーとショップになっています。バーデン地方のワイン約160種類が勢ぞろい。日本への発送もしており、ネットでも注文可能です。

ワインのようなビールのような酒

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ミュンスター広場にあるアルテ・ヴァッヘ

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不思議な飲み物「Wier(ヴィア)」

珍しいのはWein(ヴァイン=ワイン)でもなく、Bier(ビア)でもないWier(ヴィア)です。ワインをビールのたるで発酵させた微炭酸の飲み物で、ビールの苦みと香り、ワインの香りが生きた不思議な飲み物。「ビール好きはワインを、ワイン好きはビールを感じると言われています」と、ジュリアさん。私はワインを感じました。やはりビール飲みなのでしょうか。

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ラムやジンのボトルにも「黒い森の娘」

ショップに並ぶボトルの中で、愛らしいのは「黒い森の娘」がデザインされたラムやジンのボトル。お土産用に人気です。

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白い外壁が新市庁舎、右端に見える赤い外壁の建物が旧市庁舎

ひときわ美しい建物が「新市庁舎」。19世紀末まではフライブルク大学の建物でした。フライブルクは大学町で「人口約23万人のうち3万人ほどが学生です」とジュリアさん。

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エコロジービールに舌鼓

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レストラン「シュヴァルツヴェルダー・ホーフ」にて、郷土料理「ソーセージサラダ」、地元のワインで軽い夕食

路地を歩きながら、レストラン「シュヴァルツヴェルダー・ホーフ」へ。郷土料理の一つ「ソーセージサラダ」は、パスタのように細く切ったソーセージを酸味のあるドレッシングであえたもので、さっぱりとした味わいです。地元の白ワイン、グートエーデル(ブドウの品種)に合います。すっきりとフルーティーなワインです。

ビール醸造所もいくつかあります。最もおいしかったのは「ファイアーリンク」の「インゼルホプフ」。ホップとモルトは農薬などを施さないものを使い、自然な味わいのエコロジービール。BIOというマークが付いています。エレガントなホップの香りが魅力の淡色ビールです。

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ビアガーデンもあるビール醸造レストラン「ファイアーリンク」のブラウアー、フィアリンクさん

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夕暮れの「ミュンスター」

旧市街のほとんどが歩行者天国なので、ゆっくり散策できるフライブルク。ワイン、ビール、郷土料理は数日では味わいつくせず、また来ようと思いながらミュンスターを眺めました。

「ドイツ歴史古都17都市 /Historic Highlights of Germany」
(日本語・英語)
http://www.historicgermany.travel/ja/

「Freiburg /フライブルク」
https://visit.freiburg.de/en/
www.instagram.com/visit.freiburg
www.facebook.com/visit.freiburg

「レイルヨーロッパ」
www.raileurope.jp

「Hotel Zum Roten Bären」(ホテル ツーム・ローテン・ベーレン=ドイツ語)
https://roter-baeren.de/

「Alte Wache – Haus der badischen Weine」(ドイツ語)
(アルテ・ヴァッヘ - バーデン・ワイン・ハウス)
https://www.badischer-weinshop.com/

[Schwalzwaelder Hof]
(レストラン シュヴァルツヴェルダー・ホーフ)
https://www.schwarzwaelder-hof.com/en/restaurant-winzerstube/

「Hausbrauerei Feierling」(ドイツ語)
(ビール醸造所 ファイアーリンク)
https://feierling.de/

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PROFILE

相原恭子(文・写真)

慶應大学卒業。ドイツ政府観光局勤務を経て、作家&写真家。「ドイツ地ビール夢の旅」(東京書籍)、「ドイツビールの愉しみ」(岩波書店)、「ベルギー美味しい旅」(小学館)、「京都 舞妓と芸妓の奥座敷」(文春新書)、「京都 花街ファッションの美と心」(淡交社)、英語の著書「Geisha – A living tradition」(フランス語、ハンガリー語、ポーランド語版も各国で刊行)など著書多数。国内はもちろん、国際交流基金・日本大使館の主催でスペイン、ハンガリー、エストニアで講演会や写真展多数。NHK「知る楽」「美の壺」、ラジオ深夜便「明日へのことば」「ないとエッセー」、ハンガリーTV2、エストニア国営放送など出演多数。
https://blog.goo.ne.jp/goethekyoko

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