太公望のわくわく 釣ってきました

東京湾で船が大渋滞 銀色に輝くタチウオを追え! 神奈川県横須賀市

西へ東へ、海へ川へと旅して釣りする太公望たちの奮闘記です。魚との知恵比べ、釣った魚で一杯……。目的は人それぞれながら、闘いの後の心地よい疲労と旅情は格別。今回は、朝日新聞の西田健作記者が、神奈川県横須賀市から、東京湾で人気のタチウオ釣りに挑みました。

釣り人を満足させる魚の条件と言えば、釣って楽しく、そこそこ数が釣れて、食べておいしいこと。銀色に輝くタチウオは、そんな条件をしっかり満たしていて、魚種が豊富な東京湾でも、1、2を争うほど人気の釣り物です。シーズンインは例年6月。初期は小型が中心なので、ひと潮(約15日)ごとに大きくなるのをしばらく待ちたいところなのですが、もう、待ちきれない! 7月上旬、今シーズン初のタチウオ釣りに行ってきました。

東京湾で船が大渋滞 銀色に輝くタチウオを追え! 神奈川県横須賀市

横須賀市の大津漁港にある「いなの丸」さん。京急大津駅から徒歩圏内だ

お世話になったのは神奈川県横須賀市にある「いなの丸」さん。京浜急行の京急大津駅から歩いていける船宿さんです。シーズン初期がいい点は、型は小さいけれど、たくさん釣れること。警戒心が薄く、小魚を模した鉛の疑似餌ジグへの反応もすこぶるいいので、ジギングで狙ってみることにしました。

ジギングは、本コラムで3月に紹介したサワラ釣り以来。餌を使わず、カラフルなジグを小魚のように動かす釣りなので、腕の差がはっきりと出てしまいます。目標は10匹。一つ、二つと数えなくなるので、釣りでは「つ抜け」といいます。今回もサワラ釣りと同様に、ジギングを愛する釣友の松村北斗さんに同行をお願いし、いろいろと教えてもらうことにしました。

東京湾で船が大渋滞 銀色に輝くタチウオを追え! 神奈川県横須賀市

鉛製のジグ。タチウオがどの色を好むかはその日次第だ

始発電車に乗り、現地で松村さんと合流。左舷の先端(みよし)に並んで、午前7時15分にいざ出船!

タチウオは、釣り人に「幽霊魚」と呼ばれています。昨日いたところに今日はいない、神出鬼没な魚だからです。まず、群れを魚群探知機で探すことから、タチウオ釣りは始まります。横浜、川崎、浦安、富津……それぞれの港から出てきた何十隻というタチウオ船が、東京湾の実績ポイントで群れを探し始めました。

どうやらこの日は、富津岬の先にある人工島・第二海堡(かいほう)の近くで群れが見つかったようです。色とりどりのタチウオ船が、続々集結。あっという間に大船団に。第二海堡の周辺は船で大渋滞になりました。

東京湾で船が大渋滞 銀色に輝くタチウオを追え! 神奈川県横須賀市

第二海堡(かいほう)の浅場で釣り開始。タチウオの群れに船も群がる

でも、船長さんたちは慣れたもの。後から来た船は、タチウオ船団の一番後ろへ。船はじりじりと進みながら、タチウオの群れの上の位置をキープ。大船団がゆっくりと動きながら、タチウオを追いかけ続けます。

魚群を捉えたら、いよいよ釣りの開始です。タチウオのジギングは、ジグを底まで落としてからの「ワンピッチ、ワンジャーク」が基本。日本語で言うなら、「竿(さお)を1回しゃくると同時に、リールを1回巻く」。リズムよく、小魚が泳いでいるようにジグを動かすのがコツ。隣の松村さんの動きは、さすがにしなやか。さっそくタチウオを釣り上げました。

東京湾で船が大渋滞 銀色に輝くタチウオを追え! 神奈川県横須賀市

手慣れたジャークですぐに1匹釣り上げる釣友の松村北斗さん

松村さんのジグの色を確かめると、どうやらこの日はピンクがいいみたい。タチウオにはなぜか、日によって好みの色や形があるんです。同じ色と形のジグを装着し、「しゃくって、巻いて。しゃくって、巻いて」。脳内でそうつぶやきながら、誘いを繰り返すと、私の竿にもガツンときました。

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横の人が釣れれば、釣りの活性も上がる

竿がしなってなかなかの引き。思わず笑顔になってリールをグリグリと巻くと、刀のように銀色に光るタチウオが水面から姿を現しました。体をくねらすたびに、ギラリ、ギラリと光ります。「指3本」の標準サイズでした。

東京湾で船が大渋滞 銀色に輝くタチウオを追え! 神奈川県横須賀市

私もタチウオをゲット。まだ小さいがうれしい1匹

タチウオの大きさは、体の太さを指の本数で測って表します。シーズン初期は2.5本~3本ぐらい。全長なら60~70センチと言ったところです。4本なら満足なサイズ。5本以上なら文句なし! 

ジギングでのタチウオ釣りの魅力は、誘っていると、突然「ガツン」と強い当たりがあることです。鋭い歯でジグにアタックしたタチウオが、勢い余ってフックに引っかかるからなのですが、この「ガツン」が、やみつきに。

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浦安の釣り船に乗った釣友と海上で鉢合わせ

グリグリとリールを巻いていると、ガツン。グリグリ、ガツン。釣り味最高、数も釣れる。これだから、タチウオ釣りはやめられません。10匹釣って目標の「つ抜け」も何とか達成し、午後1時の納竿時間を迎えました。

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タチウオの梅しそ巻き天ぷら。我が家の定番だ

家に帰って、次は「食べておいしい」を確かめます。我が家の一番人気は、梅しそ巻きの天ぷら。まず、タチウオを3枚に下ろして、20センチほどの長さにそろえます。皮を下側にして細長い身を並べて、梅干しを塗り、細長く切ったシソを置く。くるっと巻いて、つまようじを刺せば準備完了。からっと揚げれば、ふわっとした白身に梅干しの酸味が効いてうまい!

もう一つの定番は炙(あぶ)りの刺し身。身を細長く切って、皮目をバーナーであぶってからカイワレと混ぜます。ポン酢で食べれば、炙りの香ばしさとカイワレの辛みが合わさって、お酒をグビッとやりたくなる大人の味です。

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刺し身は皮側をバーナーであぶって、カイワレとあえる。ポン酢で食べるとお酒が進む

秋に向けて、タチウオはぐんぐん大きくなり、脂ものっていきます。一方で、次第に警戒心も強くなり、釣るのも難しくなっていきます。初心者でも数釣りができる今のうちに、腕を磨いておくのがお勧めですよ!

大津港・いなの丸
http://www1.ttcn.ne.jp/~inanomaru/

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PROFILE

  • 釣り大好きライター陣

    安田明彦、猪俣博史、西田健作、石田知之、木村俊一

  • 西田健作

    朝日新聞記者
    1971年、神奈川県茅ケ崎市生まれ。15年ほど前に千葉県浦安市に引っ越し、ディズニーランドのすぐ近くで魚が釣れることを知り、釣りにはまる。朝日新聞社では文化くらし報道部で美術担当、映画担当などを務め、現在は同部次長(デスク)。外に出られない平日のモヤモヤから、ますます週末の釣りにのめり込んでいる。

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