あの街の素顔

浴衣に下駄でそぞろ歩きしながら楽しむ温泉街の夏祭り 信州 渋温泉

猿が雪の中温泉につかるスノーモンキーで有名な「地獄谷野猿公苑」のおひざもとにある長野県山ノ内町の渋温泉は、開湯して1300年以上ともいわれる歴史ある温泉地です。その渋温泉で毎年、古き良きお祭りの雰囲気を残した夏祭りが行われていると聞き、昨年訪れてみました。(文・写真 / こだまゆき)

(トップ写真:日が落ちて空が群青色になった19時過ぎの温泉街)

毎日が歩行者天国! 情緒ある温泉街の夏祭り

浴衣に下駄でそぞろ歩きしながら楽しむ温泉街の夏祭り 信州 渋温泉

浴衣に下駄(げた)でカランコロン。夏祭りを楽しむ宿泊客

趣ある旅館が立ち並ぶ石畳の渋温泉街。夏祭りの間はこの通りが、毎晩19時半から22時まで歩行者天国になります。もともと一方通行で普通車のみが通行可という細い通りなので、ひっきりなしに車が通り過ぎるような道ではないのですが、車の往来を気にすることなくのんびり歩けるのは最高でした。

浴衣に下駄でそぞろ歩きしながら楽しむ温泉街の夏祭り 信州 渋温泉

縁台将棋を楽しむ人たち

昭和へタイムトリップ! ノスタルジーたっぷり

浴衣に下駄でそぞろ歩きしながら楽しむ温泉街の夏祭り 信州 渋温泉

パズルなどお子さんが夢中になれそうなものがずらり

浴衣に下駄でそぞろ歩きしながら楽しむ温泉街の夏祭り 信州 渋温泉

小石屋旅館さんの前には座って楽しめる畳敷きの飲食スペースが用意されていました

渋温泉の夏祭りは、各旅館が玄関先に縁台将棋やパズル、ヨーヨーすくいなどのそれぞれ趣向を凝らした出し物を用意しているのが特徴です。地元の人たちが手作り感たっぷりにもてなす雰囲気はなんともノスタルジックで、平成を飛び越えて昭和にタイムトリップしたかのよう。飲食屋台が出店するだけのお祭りとは違って、情緒ある日本の夏を感じることができる素朴で素敵な夏祭りなのです。

浴衣に下駄でそぞろ歩きしながら楽しむ温泉街の夏祭り 信州 渋温泉

78段ある石段の先は温泉街を見下ろす「渋高薬師(しぶたかやくし)」。カップに入ったろうそくが並び幻想的な光景が広がります

期間中は盆踊りやカラオケ大会、旅館のおかみさんが振る舞う野だて抹茶などの特別イベントが開催されます。最終日の「渋温泉 民話発信」では地元の人による民話にちなんだお芝居の披露も。

なかでも道行く誰もが立ち止まってカメラを向けるのが「万灯会(まんどうえ)」です。これはろうそくが入ったカップを購入し、願い事を書いてそれを石段に献灯するというもの。購入代金の300円はチャリティー基金として寄付されます。川の流れのように見えるろうそくの明かりにしばし見とれてしまいました。

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カメラを向ける外国人観光客の姿も。私もろうそく入りのカップを購入して願い事を書いてきました

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2019年の万灯会は6日間行われる予定

スタンプラリー感覚で楽しめる外湯巡りが人気

地元の人が昔から守ってきた九つの外湯がある渋温泉では、源泉や効能が異なるその外湯を温泉宿泊者のみに開放しています。ただし9番湯の「渋大湯」だけは宿泊者以外も日帰り入浴が可能。渋温泉旅館組合事務所または渋温泉駐車場で入浴券(500円)を購入します。

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九つある外湯のひとつ、3番湯の「綿の湯」

この九つの外湯をスタンプラリー感覚で楽しむ「九湯めぐり」も人気です。祈願手ぬぐいを購入してスタンプを押しながら巡り、最後に渋高薬師に参拝すれば満願成就。九(苦)労を流して、厄よけや安産、不老長寿などのご利益があるといわれています。

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手ぬぐいは各宿で販売されている

外湯はどれも無人で、各宿で借りた専用の鍵を使って入ります。浴槽のみで洗い場はないので、ざっとつかるだけ。渋温泉は泉温が50度から60度と高いので、ちょっと熱いかもしれませんね。そんな時は適温になるまで水を足して調整します。

どこを撮っても絵になる渋温泉で夏の思い出作りを

浴衣に下駄でそぞろ歩きしながら楽しむ温泉街の夏祭り 信州 渋温泉

渋温泉は裏道も楽しい! 1本奥に入るとこんな路地がありました

浴衣に下駄でそぞろ歩きしながら楽しむ温泉街の夏祭り 信州 渋温泉

老舗旅館「金具屋」のたたずまいは圧巻。正面の「斉月楼」は国の登録有形文化財です

今年の渋温泉夏祭りは8月1日(木)から8月25日(日)まで。

歩行者天国になる時間を狙って日帰りで訪れることも出来ますが、ここはぜひ渋温泉に泊まって、時が止まったかのような温泉街をそぞろ歩きしてみてはいかがでしょうか。気になるイベントがある日を狙って泊まるのもいいですね。射的やスマートボールといったレトロな遊技や、お土産屋のおばあちゃんとの会話など、心に残る夏の思い出の1ページがきっと作れるはずです。

浴衣に下駄でそぞろ歩きしながら楽しむ温泉街の夏祭り 信州 渋温泉

歩行者天国も終わりの時間になると人通りも少しずつ減っていきます

渋温泉夏祭り

2019年8月1日(木)~8月25日(日)
期間中は毎日19時半から22時まで、温泉街の歩行者天国を開催
(※各イベントは雨天中止の場合あり)

【問い合わせ】
渋温泉旅館組合
https://www.shibuonsen.net/index.php

PROFILE

  • 「あの街の素顔」ライター陣

    こだまゆき、江藤詩文、太田瑞穂、小川フミオ、塩谷陽子、鈴木博美、干川美奈子、山田静、カスプシュイック綾香、カルーシオン真梨亜、シュピッツナーゲル典子、コヤナギユウ、池田陽子、熊山准、藤原かすみ、矢口あやは、五月女菜穂、遠藤成、宮本さやか、小野アムスデン道子、石原有起、高松平蔵、松田朝子、宮﨑健二、井川洋一、草深早希

  • こだまゆき

    知らない土地での朝食がなによりも楽しみなフォト派のライター。iPhoneで撮るのも一眼レフで撮るのもどちらも好き。自由で気ままな女性ならではの目線で旅のレポートをお伝えしています。執筆業は旅関連の他、デジカメ、雑誌コラム、インタビューなど。趣味は顔ハメパネル。

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