楽園ビーチ探訪

ニュージーランドのオットセイは休暇中、世界で最もクールな首都のツアー

連載「楽園ビーチ探訪」は、リゾートやカルチャー、エコなどを切り口に、国内外の海にフォーカスした読み物や情報を発信するビーチライターの古関千恵子さんが訪れた、世界各地の美しいビーチや、海のある街や島を紹介いたします。

今回訪れたのはニュージーランドの首都ウェリントン。その南側で絶景と野生のオットセイに会えるツアーに参加しました。

“世界一クール”なウェリントンの町

ニュージーランドの首都は、国際空港を構え、この国最大の都市であるオークランドではなくて、ウェリントン。人口はオークランドの3分の1以下、コンパクトにまとまった中心部は、車は無用、徒歩で十分です。そんなウェリントンを、ガイドブックのロンリープラネットは「小さいながら、世界で最もクールな首都」と称賛しています。

個性的なクラフトビールに、進化したコーヒー文化、フェアトレードのオーガニックな食べ物や衣料品、そして“ウェリウッド”と呼ばれる世界的な映画撮影拠点……。ウェリントンにまつわるキーワードは、そうと狙ったわけではないだろうけれど、時代の先駆けになっています。

ニュージーランドのオットセイは休暇中、世界で最もクールな首都のツアー

スモーキーな香りやユズこしょうフレーバーなど個性的な1杯と出会える、別名“クラフトビールの首都”

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LGBTの平等運動に尽力したカルメン・ループをモデルにした、ドラァグクイーンが青信号の信号機

街はラムトン港に沿って広がり、中心部から自転車で10分とかからずにビーチへ出られます。そこにはおしゃれなカフェやバーがあり、海辺のくつろいだ雰囲気が心地いい。早朝のカフェでは、仕事に行く前に立ち寄って友人と語らい、本を読む人をよく見かけます。心に余裕があるなぁと、うらやましくなります。

ニュージーランドのオットセイは休暇中、世界で最もクールな首都のツアー

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よりエスプレッソを味わえるフォームドミルク入りの“ホワイトフラット”というスタイルはウェリントン発祥

そんなウェリントンで、オットセイと会える「シール・コースト・サファリ」の半日コース(3時間)に参加してみました。首都の近くで野生のオットセイを見られるなんて、驚きです。

ブルックリン・ヒルから4WD車で山道を行く

迎えに来た4WD車に乗り込み、市街地から険しい坂道を登って、かつて稼働していた風力発電の風車がそびえるブルックリン・ヒルへ。風が吹き抜ける丘の上からは、ウェリントンの市街やニュージーランドの北島と南島の間に横たわるクック海峡、その向こうの南島の山並みまでも望みます。

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ブルックリン・ヒルにある丘から見下ろしたウェリントン市街

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市街地から山岳部に入り、海岸線へ抜けるつづら折りのルート

ここから先は、4WD車の駆動力が求められる、アップダウンが激しい山道を進みます。しばらくダイナミックな地形を堪能した後で、ウェリントン南部の海岸線へと降りていきます。

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山岳部では農家に立ち寄り、アカシカやヤギと触れ合います

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山道を走り抜け、南部の海岸線へ。ここから海沿いの道なき道を進んでいきます

オットセイたちのバケーション

タスマン海に面した海岸線は、荒々しい断崖絶壁がそそり立ち、ごつごつとした岩礁が広がっています。風が猛烈に強く、岩にしがみついた植物たちは風の向きにひしゃげています。

ガイドが、海藻が打ち上げられた岩礁を指さしました。最初はわからなかったのですが、よく見るとオットセイたちを発見。灰色の岩肌と彼らの毛色が保護色のように溶け合ってわかりづらいのですが、見つけるコツをつかめば簡単です。26頭までは数えてみましたが、あちらこちらに寝転がっていて、指を折って数えるのも面倒になってきます。ガイドによると、100~150頭がこの海岸線に暮らしているそう。

ニュージーランドのオットセイは休暇中、世界で最もクールな首都のツアー

岩場と同化してしまったオットセイ。日差しに包まれ、気持ち良さそうにお昼寝中

日差しに暖められた岩が気持ちいいのか、どのオットセイも眠たそう。こちらを片目だけで確認して大丈夫そうだと思えば再び眠りについたり、身体を起こして大きなあくびをしたり。近づきすぎると、「よっこいしょっと」と起き上がり、面倒くさそうに海へと避難。

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海藻をマットレスにしているオットセイ。ノビをした後、ふたたびスヤスヤ

ガイドの説明によると、オスはいつもこの浜にいて、南島からメスが現れるのは6月~9月。最も多い7月~9月には300頭まで数が膨れ上がるそう。「バケーションにやってくるんだね」と、ガイド。

1915年建造の“傾いた灯台”

車は海岸線に沿って西へ向かい、タン・ポイントの砂利浜へ向かいます。ここからはニュージーランド初の自動式灯台のひとつ、1915年建造のカロリロック灯台を望みます。やや傾いた灯台は、別名“リーニングライトハウス(傾いた灯台)”と呼ばれ、荒々しい自然の中に朽ちかけてゆく姿がノスタルジックな気分を誘います。

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今は使われていない、1915年に建造された“傾いた灯台”

帰り道は海岸線を引き返し、少し走ったと思うと、ハッピー・バレー・ロードという舗装道に入り、あら、住宅街。オットセイのコロニーがあったのは、首都の中心部から車でわずか30分ほどの場所でした。

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風雨に刻まれた、荒々しい断崖が続いています。この大きな自然が、首都の中心部から車でわずか30分

■シール・コースト・サファリ
https://www.sealcoast.com/tour-packages/seal-coast-safari/

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PROFILE

古関千恵子

ビーチライター。リゾートやカルチャー、エコなどを切り口に、国内外の海にフォーカスした読み物や情報を発信する。ダイビング雑誌の編集者を経てフリーとなり、“仕事でビーチへ、締め切り明けもビーチへ”を繰りかえすこと四半世紀以上。『世界のビーチ BEST100』(ダイヤモンド・ビッグ社)の企画・執筆、『奇跡のリゾート 星のや 竹富島』(河出書房新社)の共著のほか、ファッション誌(『Safari』『ELLE Japon』など)やウェブサイトに寄稿。ブログも配信中。

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