魅せられて 必見のヨーロッパ

ライン川とモーゼル川が合流する絶景の地で超おいしいワイン

ツアーの行き先としてはあまりメジャーではないけれど、足を運べばとりこになってしまう。そんなヨーロッパの街を、ヨーロッパを知り尽くした作家・写真家の相原恭子さんが訪ねる連載「魅せられて 必見のヨーロッパ」。今回はライン川とモーゼル川の合流点 「ドイチェスエック」で名高い、世界遺産にも登録されているドイツ・コブレンツです。

ライン川とモーゼル川が交わる街

ライン川流域は私にとってなじみ深く、第2の故郷とも言えるケルンからクルーズ船、車、列車で何度も旅しました。この地域の旅行先は小さな町や村だと思っていましたが、今回コブレンツを歩き、都市と小さな村が共存する魅力を改めて感じました。フランクフルト空港遠距離駅からIC(ドイツの都市間特急)で約1時間半程度の便利な場所です。

ライン川とモーゼル川が合流する絶景の地で超おいしいワイン

ライン川とモーゼル川の合流点 「ドイチェスエック(ドイツの角)」

「父なるライン、母なるモーゼル」と言われるように地元で愛され、世界にも知られる二つの川が合流するのがコブレンツ。世界遺産に登録されている「ライン渓谷中流上部」に属し、世界各国の観光客が行き交い華やかな雰囲気があります。二つの川の合流点は「ドイチェスエック(ドイツの角)」と呼ばれています。写真手前を水平方向に流れるのがライン川。垂直方向に流れるのがモーゼル川です。

ライン川とモーゼル川が合流する絶景の地で超おいしいワイン

「ドイチェスエック(ドイツの角)」にそびえる初代ドイツ皇帝ウィルヘルム1世の騎馬像

ライン川とモーゼル川が合流する絶景の地で超おいしいワイン

「選帝侯宮殿」。庭園に囲まれ、ライン川に沿って建てられています

プロイセン国王であり、後に初代ドイツ皇帝に即位したウィルヘルム1世は、この宮殿で数年暮らしました。

ホスピタリティーにあふれた隠れ家的ワイナリー

翌日、地元の人たちが絶賛する小さなワイナリー「ゲーレン」を訪ねました。旧市街の対岸にあるエーレンブライトシュタイン要塞(ようさい)のふもとで、小川の流れに沿ってブドウ畑が続きます。観光客でにぎわう旧市街とは打って変わって、のどかな静けさにホッとします。

ライン川とモーゼル川が合流する絶景の地で超おいしいワイン

ワイナリー「ゲーレン」の中庭。コブレンツ市のエーレンブライトシュタイン地区にあります

ライン川とモーゼル川が合流する絶景の地で超おいしいワイン

周辺のブドウ畑

ワイナリー「ゲーレン」は心を込めてきれいに手入れされており、センスの良さを感じます。邸宅へ招かれたような和やかな雰囲気。1921年に創業し、現在は3代目。夫婦2人で経営し、年に3回(合計6週間)だけブドウの収穫の時期にルーマニア人のアルバイトを頼んでいます。それ以外はすべて2人でこなすのですから、膨大な仕事量です。「慣れてはいますが、ぼんやり座っている時間はありません」と夫妻。

ライン川とモーゼル川が合流する絶景の地で超おいしいワイン

ご主人の案内でセラーを見学

初代が作ったロマンチックな部分と現在のモダンな部分が融合した、かなり大きなセラーです。

素敵な中庭で楽しめるテイスティング

ライン川とモーゼル川が合流する絶景の地で超おいしいワイン

写真左:リースリング 写真右:ロートリング

まず初めに「コンフルエンテス」(白、クヴァリテーツヴァイン)。コンフルエンテスとは、合流点という意味でコブレンツを指します。ブドウの品種はリースリングとエーレンブライトシュタイナーが各50%ずつ使われ、フルーティーで爽やかなワイン。エーレンブライトシュタイナーはドイツ全体で作付面積が10ヘクタールほどしかないという希少なブドウの品種ですが、ゲーレンは小さいワイナリーながら、エーレンブライトシュタイナーを年間約600リットル醸造しています。

続いて、「リースリング」(白、クヴァリテーツヴァイン)。フレンドリーな口当たりで軽快。「シュペートブルグンダー」(赤)、「エーレンブライトシュタイナー」(白、シュペートレーゼ)、「エーレンブライトシュタイナー」(白、アウスレーゼ)と、高品質で希少、おいしいワインが続々登場。

夏向きで口当たりの良いワイン「ロートリング」。色彩はロゼの、爽やかでラブリーな味わいです。「昨年は雨が少なく気温が高かったので、高品質なワインがたくさんできました」と奥様。この地域のブドウの木の根は地下深く約5~15メートルも伸びるそうで、雨が少なくても大丈夫と言います。

ライン川とモーゼル川が合流する絶景の地で超おいしいワイン

「ぜひ一緒に写真を」と言って下さり、ご主人が撮影。奥様と私

旧市街へ戻ると、静かな夜。教会の塔や路地のあかりが迎えてくれました。
原稿を書きながら「ゲーレン」の数々のワインを思い出し、労力を惜しまずに汗水流して日々ワインに取り組む夫妻を、また訪ねたくなりました。

ライン川とモーゼル川が合流する絶景の地で超おいしいワイン

聖カストル大聖堂

「ドイツ歴史古都17都市 /Historic Highlights of Germany」(日本語・英語)
http://www.historicgermany.travel/ja/

「コブレンツ ツーリズム」(ドイツ語、英語)
https://www.koblenz-tourism.com/

「Weingut Goehlen」(ドイツ語、英語) Weingut=Winery
http://www.weingut-goehlen.de/

「レイルヨーロッパ」(日本語)
http://www.raileurope.jp

「ドイツ観光局」(日本語)
http://www.germany.travel/jp/index.html

バックナンバー

>> 連載一覧へ

PROFILE

相原恭子(文・写真)

慶應大学卒業。ドイツ政府観光局勤務を経て、作家&写真家。「ドイツ地ビール夢の旅」(東京書籍)、「ドイツビールの愉しみ」(岩波書店)、「ベルギー美味しい旅」(小学館)、「京都 舞妓と芸妓の奥座敷」(文春新書)、「京都 花街ファッションの美と心」(淡交社)、英語の著書「Geisha – A living tradition」(フランス語、ハンガリー語、ポーランド語版も各国で刊行)など著書多数。国内はもちろん、国際交流基金・日本大使館の主催でスペイン、ハンガリー、エストニアで講演会や写真展多数。NHK「知る楽」「美の壺」、ラジオ深夜便「明日へのことば」「ないとエッセー」、ハンガリーTV2、エストニア国営放送など出演多数。
https://blog.goo.ne.jp/goethekyoko

ヘッセは遅れて来た作家? 修道院と城の街 ドイツ・テュービンゲン

一覧へ戻る

「太っちょマルガレータ」の塔とは? 1度は訪ねたいエストニア 

RECOMMENDおすすめの記事