あの街の素顔

ワルシャワで必ず訪れたい、ポーランドの文化がわかる博物館5選

今年で日本との国交樹立100周年を迎えたポーランドの首都・ワルシャワは、世界遺産に登録されるほどの美しい町並みの中に、ポーランドの文化を知るのにうってつけな博物館が数多くある。

今回は、ウォッカの代表的な生産国ならではの博物館、天文学者・コペルニクスの名を冠した科学展示施設、共産主義国家だった冷戦時代のネオンを展示した博物館や同じ時期に創設された世界初のポスター美術館、そして東ヨーロッパ最大のドールハウス博物館を訪ねた。

(文・写真/鈴木博美)

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丹念な修復により、美しさを取り戻したワルシャワ

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世界遺産に登録されている中世の薫り漂うワルシャワ旧市街

かつて「北のパリ」と呼ばれたポーランドの首都ワルシャワ。中世の街並みが残る旧市街は、今も当時のまま、時だけが過ぎたかのように美しい。しかしこの街並みには過去がある。第2次世界大戦の際、街は8割以上が破壊された。そんな街並みの復元に立ち上がった市民は「れんがのひび割れ一つに至るまで」と形容されるほど丹念な修復を行い、現在の美しい街並みを取り戻したのだ。そんなワルシャワは近年、他にはない独自性の高い博物館が続々とオープンしている。

1.国酒だけに訪ねたい、ウォッカミュージアム

ワルシャワで必ず訪れたい、ポーランドの文化がわかる博物館5選

貴重なビンテージウォッカがずらりと展示されている

ポーランドの国酒といえばウォッカ。無色透明な蒸留酒で、ライ麦、小麦などの麦類、またはジャガイモといった穀物から造る。アルコール度数はほとんどのものが40パーセントだ。

「ポーランド人の血はウォッカでできている」と言われるほど、彼らの文化や生活にかかせない。博物館ガイドによると、かのナポレオン1世は「ウォッカを飲むならポーランド人のように飲め」と言ったそうだ。

ワルシャワで必ず訪れたい、ポーランドの文化がわかる博物館5選

ツアーの最後は3種類のウォッカをテイスティング

旧市街から路面電車で橋を渡ったプラガ地区に2018年にオープンしたウォッカミュージアムは、個人が収集した、戦前に製造されたウォッカやボトル、ラベルなどの貴重なアイテムが多数展示されている。専任ガイドとともに最新技術とインタラクティブな展示により、600年にわたるウォッカの歴史や生産工程などを楽しく見学できる。最後は「ビボロワ」などポーランドで代表的なウォッカ3銘柄をテイスティング。

それぞれ原材料に違いがあるため、ほのかに香りが異なるが、どれものどと鼻に抜けるヒリヒリとしたアルコールの刺激の後にくるすっきりとした味わい。ギフトショップでは各種ウォッカやグッズも販売している。

ウォッカミュージアム

Muzeum Polskiej Wódki
住所:Plac Konesera 1, 03-736 Warszawa, ポーランド
営業時間:日~木11:00~20:30 金・土11:00~21:30
入場料:40zl
https://muzeumpolskiejwodki.pl

2.コペルニクスの名を冠した科学展示施設

ワルシャワで必ず訪れたい、ポーランドの文化がわかる博物館5選

入り口で迎えてくれるロボット

ポーランドを代表する人物といえば、地動説を唱えた天文学者コペルニクス。その名を冠したコペルニクス科学センターは、ポーランド最大の科学展示施設。科学の法則を体験できたり、実験できたり、400を超える体験型展示によって構成されている。

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地球が自転していることの証明に使用されるフーコーの振り子

そんなコペルニクス科学センターでは、地球が自転していることを証明する大きなフーコーの振り子がお出迎え。広い館内には人体や自然環境、建築など様々な科学分野をアトラクション感覚で楽しめる。どれもゲーム感覚で体験できて、興味を引く多様な仕掛けに、子供はもちろん大人も夢中になって遊んでいる。知的好奇心と自由な発想が開花しそうな場所だ。

コペルニクス科学センター

Centrum Nauki Kopernik
住所:Wybrzeże Kościuszkowskie 20, 00-390 Warszawa, ポーランド
営業時間:月-金9:00~18:00、土・日10:00~19:00
入場料:平日21zl、週末22zl
4~6月の平日は8:00開館、6月20日~9月は全日9:00~19:00
http://www.kopernik.org.pl

3.共産主義時代のネオンを保存展示する博物館

ワルシャワで必ず訪れたい、ポーランドの文化がわかる博物館5選

レトロでノスタルジックな世界。ネオン好きにはたまらない

再開発が進み、「ワルシャワのソーホー」とも呼ばれるプラガ地区に誕生したネオンミュージアム。赤レンガ倉庫のドアを開けると、そこはネオンの世界。まずはネオンの歴史年表とネオンの性質のパネルを読み、暗い室内へ進むとワルシャワ中から集められた歴史あるネオンが壁一面に飾られている。

図書館や映画館、レストランなど共産主義時代に人気のあったノスタルジックなネオン広告が集まる様は、在りし日のワルシャワを映し出す比類なき博物館と言えるだろう。

ネオンミュージアム

Muzeum Neonów
住所:Soho Factory, Mińska 25, Praga District, 03-808 Warszawa, ポーランド
営業時間:月~金12:00~17:00、土12:00~18:00、日11:00~17:00
入場料:15zl
http://www.neonmuzeum.org

4.世界初のポスターだけの美術館

ワルシャワで必ず訪れたい、ポーランドの文化がわかる博物館5選

ヴィラヌフ宮殿入り口の脇にひっそりとたたずんでいる

ポスターだけを展示する世界初の美術館がここ「ヴィラヌフ・ポスター美術館」。ワルシャワ市の南端、17世紀末にヤン3世ソビエスキ王が建てたヴィラヌフ宮殿に併設される。1966年に創設され、約6万1000点のポスターを所蔵する。

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ポスターを通して見るポーランドもまた興味深い

実はポスターの先進国であるポーランド。戦後の共産主義は、市場競争がないゆえに商業性よりも芸術性を重視したポスターを制作し、ポーランドのみならず世界中のグラフィックデザインに大きな影響を与えたといわれる。それらは「ポーランド派」として世界の注目を集めた。

1966年には第1回ワルシャワ国際ポスタービエンナーレを世界で初めて開催。以後2年ごとに開催されている。ちなみに第1回の金賞を受賞したのは日本人。永井一正氏の 「アサヒスタイニー」のポスターだ。

ヴィラヌフ・ポスター美術館

Muzeum Plakatu w Wilanowie
住所:Stanisława Kostki Potockiego 10/16, 02-958 Warszawa, ポーランド
営業時間:火・木・金10:00~16:00、水・土・日10:00~18:00
月12:00~16:00
入場料:11zl(月曜無料)
http://www.postermuseum.pl

5.東ヨーロッパ最大のドールハウスミュージアム

ワルシャワで必ず訪れたい、ポーランドの文化がわかる博物館5選

ワルシャワ中央駅の前にそびえる文化科学宮殿

ワルシャワの中心部に当時のソ連からポーランドへの贈り物として建てられた文化科学宮殿。ここには世界各国から集めた130以上のドールハウスを所蔵する珍しい博物館がある。それが東ヨーロッパ最大と言われるコレクションを誇るドールハウスミュージアム。創設者は、ポーランドの映画監督のアネタ・ポピエル・マフニツカ氏。

ワルシャワで必ず訪れたい、ポーランドの文化がわかる博物館5選

細部まで実物そっくりに作られ、当時の生活風景を映し出している

小さな扉をくぐるとそこはミニチュアの世界。ドールハウスは19世紀ヨーロッパの市民層の間で流行した玩具で、一定の縮尺で作られた模型の家。部屋のインテリアや家具、人形で生活空間を表現する。実物そっくりに作るための技術はもはや美術工芸品。それぞれの時代の生活文化が反映されているのも大変興味深い。細部まで見ていると、あっという間に時間がすぎてしまう。たかがおもちゃとバカにするなかれ。

ドールハウスミュージアム

Muzeum Domków dla Lalek
住所:plac Defilad 1, 00-901 Warszawa, ポーランド
営業時間:9:00~19:00
入場料:20zl
https://www.muzeumdomkow.pl

ワルシャワにはまだまだ興味深い博物館がある。街歩きの合間に訪れてみてはいかがだろう。

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取材協力
ポーランド政府観光局
https://www.poland.travel/ja
LOTポーランド航空
https://www.lot.com/jp/ja/

LOTポーランド航空は日本–ワルシャワ間をボーイング787ドリームライナーで運航中。プレミアムエコノミークラスは、お手頃な価格でシートはエコノミーの1.5倍の広さ。高水準の機内サービスを約束する新感覚のクラスを体験したい。

PROFILE

  • 「あの街の素顔」ライター陣

    こだまゆき、江藤詩文、太田瑞穂、小川フミオ、塩谷陽子、鈴木博美、干川美奈子、山田静、カスプシュイック綾香、カルーシオン真梨亜、シュピッツナーゲル典子、コヤナギユウ、池田陽子、熊山准、藤原かすみ、矢口あやは、五月女菜穂、遠藤成、宮本さやか、小野アムスデン道子、石原有起、高松平蔵、松田朝子、宮﨑健二、井川洋一、草深早希

  • 鈴木博美

    旅行業界で15年間の勤務を経てフリーの旅行家に。旅を通じて食や文化、風土を執筆。日本航空機内誌のほか、新聞雑誌等に海外各地の旅の記事を寄稿。著書に一人旅に役立つ電子書籍「OL一人旅レシピ」インド編、カンボジア・ベトナム編、エジプト編、世界中のおいしい料理をおうちで作る「いつもの食材で作る世界の料理レシピ」。ブログ「空想地球旅行」で旅のあれこれを発信中。

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