あの街の素顔

花柄模様のかわいすぎる村、ポーランド・ザリピエを訪ねて

近年、渡航先として人気上昇中のポーランド。歴史深い中世の街並みが点在する一方で、実は国中に可愛らしいものがあふれている。民芸品や工芸品の柄や色使いなど、気がつけばあちらこちらで「かわいい!」と声を上げてしまうほど。

そんなポーランドには、絵本の世界から飛び出したような村中が花柄模様であしらわれた「スモールワールド」があるという。好奇心に駆られて「ザリピエ」を訪ねた。

(文・写真/鈴木博美)

古都クラクフからザリピエを目指して

花柄模様のかわいすぎる村、ポーランド・ザリピエを訪ねて

ウィスワ川沿いに立つゴシックルネサンス様式のヴァヴェル城は、16世紀まで国王の居城だった

かつてのポーランド王国の都、クラクフ。黄金期であったヤギェウォ王朝時代には、ウィーンと双璧をなす中世における中欧最大の文化都市を担った顔を持つ。歴代ポーランド王の居住地であった「ヴァヴェル城」を中心に築かれた旧市街は、ヨーロッパでも有数の美しさだ。

クラクフから東へ106キロほどのところに位置するザリピエへは、電車やバスなどの公共交通機関で行くこともできるが3~4時間ほどかかる。旅行者にとって限られた時間を有効に使うならタクシーをチャーターする手もある。

タクシー1台の半日チャーター代は日本円で1万5000円ほど。タクシーならクラクフ~ザリピエ間は約1時間30分で行くことができるので半日チャーターで問題ない。複数人で利用すれば、お得で快適にザリピエを楽しむことができる。タクシーは宿泊先のホテルで、英語を話せる運転手を手配してもらえる。筆者はタクシーを、クラクフ旧市街の南、カジミエシュ地区にあるゴールデンチューリップホテルで手配してもらった。

花柄模様が、かわいすぎるザリピエ村

花柄模様のかわいすぎる村、ポーランド・ザリピエを訪ねて

高速道路を降りて30分ほど、のどかな田舎道を走るとザリピエ村の看板が見えて来た。道を曲がると一軒の花柄で飾られた家が建っている。家の前には「ウェルカム」とポーランド語で書いてあるとドライバーが教えてくれた。ドライバーもザリピエに来たのは初めてだといい、スマホで写真を撮りまくっている。

花柄模様のかわいすぎる村、ポーランド・ザリピエを訪ねて

庭を眺めていると家主の女性マジェナさんが「中へどうぞ」とすすめてくれた。お邪魔すると、一面の白い天井から壁、家具に至るまで花柄であしらわれている。全て自分でペイントしたそうだ。この家は、現在彼女が住んでいるわけではなく、作品として、訪れる人たちを楽しませるためのものだという。リビングには手作りの花柄雑貨が置いてあり、「入場料の代わりに気に入ったものがあれば、買ってもらえたらうれしい」そうだ。こんなゆるい感じもザリピエの魅力のひとつだ。

花柄模様のかわいすぎる村、ポーランド・ザリピエを訪ねて

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マジェナさん手作りのかわいい雑貨が買える

教会も消防署も花柄! 点在する写真映えスポット

花柄模様のかわいすぎる村、ポーランド・ザリピエを訪ねて

村の入り口にある「聖母の夫君聖ヨセフ教会」

村の入り口に立つ一見どこにでもありそうな教会も、内部は壁面や柱、副祭壇にいたるまでかわいい花柄模様に彩られている。また民家の犬小屋に郵便ポスト、そして消防署までと、ありとあらゆるものに花柄のペイントが施されている。しかし、それらは一カ所に集まっているのではなく、村中に点々と散らばっているので、歩いて回るとなるとそれなりの覚悟が必要となる。そういった点からもタクシーチャーターなら楽々だ。

花柄模様のかわいすぎる村、ポーランド・ザリピエを訪ねて

一般の民家とは思えない見事な花柄装飾。庭に入りたいときは家主の許可を得てから入る

花柄模様のかわいすぎる村、ポーランド・ザリピエを訪ねて

花柄模様のかわいすぎる村、ポーランド・ザリピエを訪ねて

窓枠に花柄をあしらった村の消防署

花柄模様のかわいすぎる村、ポーランド・ザリピエを訪ねて

村の中心にある文化センター。村に点在する花柄の家を写真で紹介している

「Dom Malarek」と呼ばれる公民館兼文化センターでは、陶器の絵付けのデモンストレーションや販売、村の紹介、簡単な村の地図がもらえる。ザリピエ観光の際には、まずここを訪れることをおすすめする。敷地の庭には、大きな花柄の日時計や花畑を背景に、写真映えするレプリカの花柄ログハウスが設置されている撮影ポイントがある。ちなみにザリピエでトイレを利用できるのはここだけ。

花柄模様のかわいすぎる村、ポーランド・ザリピエを訪ねて

「Dom Malarek」では、お土産用の絵付けのデモンストレーションを見学できる

「Dom Malarek」スタッフによると、花柄ペイントは1人の女性のアイデアから始まったそうだ。19世紀の終わりに薪ストーブのススで真っ黒になってしまった天井や炉の汚れた場所を石灰で覆い、カラフルな花柄を描いたのが始まりだという。1930年代、ザリピエで暮らしていたフェリツィア・ツリウォヴァさんが、花柄ペイントを屋内全体や庭の井戸、道具と領域を広げ、村全体に波及したそうだ。現在30軒以上の建物に花柄模様が施され、数軒が屋内を公開している。

ザリピエ村にはレストランや売店はないので、飲食物を持参して行こう。

花柄ペイントがあふれる村

取材協力
ポーランド政府観光局
https://www.poland.travel/ja
LOTポーランド航空
https://www.lot.com/jp/ja/

LOTポーランド航空は日本–ワルシャワ間をボーイング787ドリームライナーで運航中。プレミアムエコノミークラスは、お手頃な価格でシートはエコノミーの1.5倍の広さ。高水準の機内サービスを約束する新感覚のクラスを体験したい。

PROFILE

  • 「あの街の素顔」ライター陣

    こだまゆき、江藤詩文、太田瑞穂、小川フミオ、塩谷陽子、鈴木博美、干川美奈子、山田静、カスプシュイック綾香、カルーシオン真梨亜、シュピッツナーゲル典子、コヤナギユウ、池田陽子、熊山准、藤原かすみ、矢口あやは、五月女菜穂、遠藤成、宮本さやか、小野アムスデン道子、石原有起、高松平蔵、松田朝子、宮﨑健二、井川洋一、草深早希

  • 鈴木博美

    旅行業界で15年間の勤務を経てフリーの旅行家に。旅を通じて食や文化、風土を執筆。日本航空機内誌のほか、新聞雑誌等に海外各地の旅の記事を寄稿。著書に一人旅に役立つ電子書籍「OL一人旅レシピ」インド編、カンボジア・ベトナム編、エジプト編、世界中のおいしい料理をおうちで作る「いつもの食材で作る世界の料理レシピ」。ブログ「空想地球旅行」で旅のあれこれを発信中。

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