魅せられて 必見のヨーロッパ

「太っちょマルガレータ」の塔とは? 1度は訪ねたいエストニア 

ツアーの行き先としてはあまりメジャーではないけれど、足を運べばとりこになってしまう。そんなヨーロッパの街を、ヨーロッパを知り尽くした作家・写真家の相原恭子さんが訪ねる連載「魅せられて 必見のヨーロッパ」。今回はバルト3国のエストニア。首都タリンには、「太っちょマルガレータ」という、一風変わった塔が鎮座しているのです。

著書をきっかけにできた縁

「太っちょマルガレータ」の塔とは? 1度は訪ねたいエストニア 

エストニアの首都タリンの旧市街

バルト3国の一つ、エストニアは私には不思議な縁があります。私の英語の著書「Geisha」を読んで下さったというエストニア公共放送の方から声がかかり、2007年に放送された、当時の天皇皇后両陛下のエストニア訪問に関する特別番組の中で日本文化と京都を語り、2011年には首都タリンで「舞妓と芸妓」の写真展と講演会をしました。

以来、私個人にとっても気軽に旅できる「近い国」になりました。

フィンランドの首都ヘルシンキから、首都タリンへフェリーで約2時間ですから、北ヨーロッパの周遊旅行に簡単に組み込めます。9月に入るともう秋。夜はヒーターを入れるほど寒くなる日がありましたが、北国らしいノスタルジックな情緒を楽しみました。

タリン歴史地区は世界遺産

「太っちょマルガレータ」の塔とは? 1度は訪ねたいエストニア 

タリン旧市街の眺望

旧市街の美しい街並みのかなたには、バルト海が望めます。タリンはハンザ都市として栄え、今もその栄華を伝える建造物が多数残っています。タリン歴史地区としてユネスコ世界遺産に登録されています。

「太っちょマルガレータ」の塔とは? 1度は訪ねたいエストニア 

ラエコヤ広場

散策する時には、ラエコヤ広場を中心に方向づけするとわかりやすいです。広場に面して14~15世紀に建てられた旧市庁舎があり、塔の上には「トーマスおじいさん」と呼ばれて親しまれている兵士の姿をした像が旗を持って立っています。タリンのシンボルともいえます。

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ラエコヤ広場と旧市庁舎

「太っちょマルガレータ」という砲塔

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「太っちょマルガレータ」と呼ばれる砲塔

歩いていて目につくのは、港近くに海上攻撃から町を守るために建てられた砲塔「太っちょマルガレータ」。16世紀に建てられ、直径約25メートル、高さ約20メートル、壁の厚さは約5メートルもあります。建てたのは、外敵に威圧感を与えるためとも言われています。

東京23区より広いラヘマー国立公園

「太っちょマルガレータ」の塔とは? 1度は訪ねたいエストニア 

ラヘマー国立公園

「ぜひ行ってみて!」とタリンの知人に勧められて、車で1時間ほどの「ラヘマー国立公園」を訪ねました。バルト海に面しており、東京23区の総面積約627平方キロメートルよりも広くて、約748平方キロメートルもある広大な地域です。その6割が森林。森や平原がどこまでも続き、大自然が美しいので私も5時間近く散策しました。ヨーロッパ人はハイキング好き。ここへ来るのは3回目というデンマークの夫妻は、早朝から日暮れまで歩くそうです。

「太っちょマルガレータ」の塔とは? 1度は訪ねたいエストニア 

散策中に見かけたキノコ

野草、キノコなどの植物はもちろん、動物、鳥類、魚類などが多種生息しています。海風に当たりながら、森林浴もできる快さがあります。

タリン市民の別荘地サーレマー島

「太っちょマルガレータ」の塔とは? 1度は訪ねたいエストニア 

サーレマー島の風景

サーレマー島へも足を延ばしました。タリンから島の中心の町クレッサーレまで車で約3時間半、バスで4時間前後かかり、フライトもあります。驚いたのは、この島に別荘を持っていて、毎週末タリンから車で往復している人たちがかなりいることです。

「太っちょマルガレータ」の塔とは? 1度は訪ねたいエストニア 

夏はヨットなどマリンスポーツも楽しめるサーレマー島

首都タリンを離れて、週末は静かなところで過ごすというヨーロッパらしいライフスタイルですね。

サーレマー島で私も2泊してタリンへ帰還。毎週この距離を移動するのは大変だと思いながらラエコヤ広場を歩きました。

ヨーロッパでは海風に当たることが保養になるといわれますが、確かにスッキリした気持ちになりました。冬は日照時間が短く、気温もマイナス10~15度は普通で、マイナス30度になることもあるそうですが、そういう極寒の時期にもぜひ訪ねてみたいと好奇心がわいています。

Visit Estonia
https://www.visittallinn.ee/jp/

タリン歴史地区(ユネスコ世界遺産サイト)
https://whc.unesco.org/en/list/822/

太っちょマルガレータ(エストニア海洋博物館、外国語)
http://meremuuseum.ee/en/

ラヘマー国立公園(外国語)
https://kaitsealad.ee/est/lahemaa-rahvuspark

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PROFILE

相原恭子(文・写真)

慶應大学卒業。ドイツ政府観光局勤務を経て、作家&写真家。「ドイツ地ビール夢の旅」(東京書籍)、「ドイツビールの愉しみ」(岩波書店)、「ベルギー美味しい旅」(小学館)、「京都 舞妓と芸妓の奥座敷」(文春新書)、「京都 花街ファッションの美と心」(淡交社)、英語の著書「Geisha – A living tradition」(フランス語、ハンガリー語、ポーランド語版も各国で刊行)など著書多数。国内はもちろん、国際交流基金・日本大使館の主催でスペイン、ハンガリー、エストニアで講演会や写真展多数。NHK「知る楽」「美の壺」、ラジオ深夜便「明日へのことば」「ないとエッセー」、ハンガリーTV2、エストニア国営放送など出演多数。
https://blog.goo.ne.jp/goethekyoko

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