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航空会社が「電車に乗って」と動画で呼びかけ?! KLMが創立100周年で大胆意見広告

今年10月7日、世界で初めて創立100周年を迎えるエアライン「KLMオランダ航空」が、大胆な意見広告動画をYouTube上で公開しました。航空会社なのに、「電車で移動することはできませんか」と、「飛行機に乗らないススメ」を盛り込んでいるのです。いったい、なぜなのでしょう。

「責任ある航行」のために

この動画は、KLMが今年発表した「Fly Responsibly(フライ・レスポンシブリー=責任ある航行)」計画に基づく意見広告です。飛行機は他の交通機関より高速に移動できる半面、二酸化炭素(CO₂)のような温室効果ガスを大量に排出するため、近年、とくに欧州で「エコでない」と利用を避ける動きが広がっているという背景があります。

航空会社が「電車に乗って」と動画で呼びかけ?! KLMが創立100周年で大胆意見広告

「Fly Responsibly」のイメージ画像

動画の長さは約1分20秒(日本語字幕版)。KLM機の飛行シーンからはじまり、エジプトのピラミッドなど、世界各地を飛行機でめぐる場面のあと、「次の100年も飛び続けられるように、私たちは日夜努力しています」と説明が入ります。

航空会社が「電車に乗って」と動画で呼びかけ?! KLMが創立100周年で大胆意見広告

意見広告動画から。エジプトのピラミッドの上空に飛行機が

利用者にできることを考えてもらう

ただ、そのためには航空会社の努力だけでは不十分で、「いつも直接顔を合わせて話すことは必要ですか」とビデオ会議を推奨したり、「飛行機の代わりに電車で移動することはできませんか」と提案したりと、利用者が時には飛行機に乗らないことも、航空産業の持続的成長の後押しになる、というメッセージに仕上がっています。

航空会社が「電車に乗って」と動画で呼びかけ?! KLMが創立100周年で大胆意見広告

意見広告動画ではビデオ会議も推奨する

電車の車窓からは、ある場所で出たCO₂を別の場所でのCO₂削減で相殺する「カーボン・オフセット」利用促進の看板が見えるなど、ユーモアもちらり。ラストシーンでは、飛行機で巡ったはずの場所は、すべてスタジオでミニチュアを用いて撮影されたという種明かしがあり、「この映像の製作には一度も飛行機を利用しませんでした」と字幕で説明する徹底ぶりです。

■意見広告の動画はこちら
https://www.youtube.com/watch?v=6tp_NvMIHzg&feature=youtu.be

次の100年を見据えたメッセージ

「Fly Responsibly」計画は、100周年の100日前にあたる6月29日、ピーター・エルバース社長兼CEOが次の100年を見据えて提唱しました。「航空業界は持続可能性にはほど遠い」と認めたうえで、今後も飛行機が飛び続けられるようにするためには、欧州内の移動には飛行機の代わりに鉄道の利用を検討するなど、利用者にも協力を求める、航空会社としては大胆で踏み込んだ内容です。

航空会社が「電車に乗って」と動画で呼びかけ?! KLMが創立100周年で大胆意見広告

6月29日に開かれた祝賀イベント会場で

その際、エルバース社長兼CEOは、問題解決のため、会社や利害の枠を超えた協力を、このように呼びかけました。「私たちはすべての航空会社に無料、かつ弊社の名前を出すことなく、弊社が構築してきたCO₂ゼロカーボンオフセットプログラムを提供します。その代わりに持続的発展可能な未来のために、我々の計画にも参加してもらい、他社の成功事例を相互に共有していきたいと考えています」

理念体現したグッズも

「Fly Responsibly」の理念は、100周年記念ロゴグッズにも体現されています。客室乗務員の制服をリサイクルしたフェルト生地で作られた小物、飛行機や雲の模様をあしらったソックス、オリジナルのモノポリーゲーム、KLMブルーの100周年ロゴ入りポロシャツなど、限定販売のアイテムをそろえています。

航空会社が「電車に乗って」と動画で呼びかけ?! KLMが創立100周年で大胆意見広告

100周年限定グッズのうち、フェルト生地キーチェーン(左)と、飛行機柄ソックス3色セット(右)

■ショッピングサイト「KLM100 shop」
https://klm100.com/en/shop

■KLM100周年特別サイト
https://klm100.com/en

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PROFILE

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&編集部員、フリーライター

危険をリアルに描写、歌舞伎に思わず注目――。機内安全ビデオにアテンションプリーズ

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