魅せられて 必見のヨーロッパ

シンボルはホタテ貝 巡礼の聖地、スペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラ

ツアーの行き先としてはあまりメジャーではないけれど、足を運べばとりこになってしまう。そんなヨーロッパの街を、ヨーロッパを知り尽くした作家・写真家の相原恭子さんが訪ねる連載「魅せられて 必見のヨーロッパ」。今回は世界中から巡礼者が訪れるキリスト教の聖地、スペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラです。

聖ヤコブの遺骸がまつられた地

スペインの北西部のガリシア地方に位置するサンティアゴ・デ・コンポステーラ。813年に、十二使徒の1人である聖ヤコブの遺骸(いがい)が発見されたことによりキリスト教の聖地となりました。中世には地の果てであったここサンティアゴ・デ・コンポステーラへ、ヨーロッパ各地から多くの信者たちが巡礼しました。今も巡礼者や観光客が絶えません。

サンティアゴ・デ・コンポステーラを目指す巡礼路のうちスペイン国内の部分は、世界文化遺産に登録されています。

人口約9万6000人と大都市ではありませんが、サンティアゴ・デ・コンポステーラ大聖堂や堂々とした建造物の数々を見ると、重要な聖地であることを実感します。

シンボルはホタテ貝 巡礼の聖地、スペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラ

大聖堂前のオブラドイロ広場

シンボルはホタテ貝 巡礼の聖地、スペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラ

サンティアゴ・デ・コンポステーラ大聖堂の祭壇

シンボルはホタテ貝 巡礼の聖地、スペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラ

眺める場所によってさまざまな姿を見せるサンティアゴ・デ・コンポステーラ大聖堂の塔

サンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼の道は、アラゴン・ルート、フランス・ルート、そのほか、この連載に書いたオンダリビアからスペインの海岸線を通る海岸ルート(北ルート)、ポルトガル・ルート、イギリス・ルートなどがあり、カトリック教会にとっては、エルサレムやローマに比肩するほどの巡礼地となりました。

課外授業の子供たちにも会う

シンボルはホタテ貝 巡礼の聖地、スペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラ

社会見学や課外授業で訪れたスペイン各地の子供たち

スペイン各地から、社会見学や課外授業で子供たちが訪れていました。引率教師の1人、インマさんは「『ネットを見れば何でもわかる』と生徒たちは思いがちですが、実際に見学して気づくことがあるようで、巡礼とは、信仰とは何なのか考えているようです」と満足げです。

シンボルはホタテ貝 巡礼の聖地、スペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラ

聖ヤコブの像。帽子にホタテ貝が付いています

聖ヤコブにはホタテ貝がつきものです。巡礼の道の道しるべにもホタテ貝のマークが描かれています。興味深いのはドイツ語でホタテ貝をヤコブの貝(Jakobsmuschel)とか、巡礼者の貝(Pilgermuschel)と言うことです。聖ヤコブ、サンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼と、ホタテ貝が結び付いています。

シンボルはホタテ貝 巡礼の聖地、スペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラ

町なかの路上にもホタテ貝の模様が

美しいパラドールでホタテ料理を

シンボルはホタテ貝 巡礼の聖地、スペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラ

サンティアゴ・デ・コンポステーラのパラドール

大聖堂のすぐ近くにはパラドール(国営ホテル)があります。ここは15世紀末から巡礼者の宿泊所となり、今は伝統的で最も美しいパラドールとされ、巡礼者だけでなく観光客にも人気があります。とても目立つ建物です。

シンボルはホタテ貝 巡礼の聖地、スペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラ

巡礼のシンボル「ホタテ貝」を使った前菜

パラドールのレストランで食事をしました。前菜にホタテ貝を注文。日本で食べるホタテ貝よりも多少大ぶりで、ムッチリとした食感があります。イクラが乗って、パプリカの香りのソースでおいしい一品です。

シンボルはホタテ貝 巡礼の聖地、スペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラ

メイン料理はスズキとエビ、ムール貝

メインのお魚は大西洋のスズキだそうで、ここから海へ出ると大西洋に至るのだと改めて納得。エビとムール貝のうまみがしっかりと出ており、味わい深い魚料理です。

シンボルはホタテ貝 巡礼の聖地、スペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラ

パラドールの建物にある回廊

翌朝回廊を歩くと、ひっそりと静かで清い空気が流れ、内省的な気持ちになりました。

聖地サンティアゴ・デ・コンポステーラに至るいくつもの巡礼ルートには、のどかな田園風景や小さな村、修道院や教会などがあります。巡礼の旅は、必ずや自分自身を見つめ直す機会にもなったのだろうと思いをはせました。

自分の生き方を見つめ直すために、たとえ数日でも巡礼の旅に出ようかと思いながら回廊を巡りました。

シンボルはホタテ貝 巡礼の聖地、スペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラ

巡礼者はもちろん、学会や視察、観光で訪れる人も多い


 

イベロジャパン
http://www.iberotour.jp/

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PROFILE

相原恭子(文・写真)

慶應大学卒業。ドイツ政府観光局勤務を経て、作家&写真家。「ドイツ地ビール夢の旅」(東京書籍)、「ドイツビールの愉しみ」(岩波書店)、「ベルギー美味しい旅」(小学館)、「京都 舞妓と芸妓の奥座敷」(文春新書)、「京都 花街ファッションの美と心」(淡交社)、英語の著書「Geisha – A living tradition」(フランス語、ハンガリー語、ポーランド語版も各国で刊行)など著書多数。国内はもちろん、国際交流基金・日本大使館の主催でスペイン、ハンガリー、エストニアで講演会や写真展多数。NHK「知る楽」「美の壺」、ラジオ深夜便「明日へのことば」「ないとエッセー」、ハンガリーTV2、エストニア国営放送など出演多数。
https://blog.goo.ne.jp/goethekyoko

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