タイ 上から撮るか、下から撮るか

ドローンで撮った無数の熱気球 タイ・チェンマイのコムローイ祭り

日本人の父とタイ人の母を持つ若手写真家、野見山大地さんの新連載「タイ 上から撮るか、下から撮るか」が始まりました。ドローンによる空中撮影から水中での撮影まで、ひとひねりした視座の写真を得意とする野見山さんが写真と文章でお届けするのは、観光客目線とはちょっと違うふるさとタイの姿。まずは幾千のランタンを打ち上げる「コムローイ祭り」です。

無数のコムローイ打ち上げて、ブッダに感謝

コムローイ。聞いたことがある人もいる言葉ではないでしょうか。

熱気球のように空に打ちあげる灯籠(とうろう)を、タイではこう呼びます。タイ第2の都市チェンマイでは、多くのコムローイを空に放って天上のブッダに感謝する「コムローイ祭り」が開かれます。

ドローンで撮った無数の熱気球 タイ・チェンマイのコムローイ祭り

ドローンで空撮したチェンマイのコムローイ

SNSで紹介され、ディズニー映画「塔の上のラプンツェル」のモデルになったともいわれたことから、ぐんぐん知名度が上がり、この幻想的な光景をひと目見ようという観光客が後を絶ちません。

【動画】コムローイの打ち上げをドローンで撮影

タイでは旧暦12月の満月の日、ロイクラトン祭りが開かれます。灯籠を川に流す灯籠流しのお祭りがロイクラトン。多くのクラトンで光り輝く川は、まるで天の川のようです。水の女神に感謝しつつ、自分も清めるお祭りです。チェンマイでは、このロイクラトン祭りと同じ時期に、コムローイ祭りが開かれるのです。

ドローンで撮った無数の熱気球 タイ・チェンマイのコムローイ祭り

チェンマイ市内のピン川へ灯籠を流すロイクラトン祭りをドローンで空撮

外国人向けのコムローイ祭りも

チェンマイのコムローイ祭りは近年、観光客の増加に伴い、多くの会場で行われるようになりました。

ドローンで撮った無数の熱気球 タイ・チェンマイのコムローイ祭り

イーペンランナー・インターナショナルのコムローイ会場

中でも有名で大規模なのが「イーペンランナー・インターナショナル」です。インターナショナルというくらいですから外国人向けです。僕自身は過去に4回ほど参加したことがあります。数千個とも言われるコムローイが一斉に打ち上げられる様子は、まさに圧巻で、感動して涙を流す人もいるくらいです。

ドローンで撮った無数の熱気球 タイ・チェンマイのコムローイ祭り

お経を唱える僧侶たち

ドローンで撮った無数の熱気球 タイ・チェンマイのコムローイ祭り

イーペンランナー・インターナショナルのコムローイ

ただ、参加するには高額なチケット代を払う必要があるため、地元の人はほとんどいないのです。

2015年ぐらいまでは、現地の人向けの大規模なお祭り「イーペン・サンサーイ」があったのですが、今はなくなってしまい、寂しい気持ちがします。それでは地元の人はどうしているのかというと、チェンマイ市内を流れているピン川の近くで灯篭流しとコムローイの打ち上げをしています。こちらはともにチケット代は不要で、地元の人との交流もできるのでオススメです。

ドローンで撮った無数の熱気球 タイ・チェンマイのコムローイ祭り

最近は開かれていないイーペン・サンサーイ

コムローイ祭りは写真や動画で見るのもいいですが、やはりチェンマイまで足を運んで自分の目で確かめていただければ格別です。近年は大変混雑しているので、早めに旅の日程を決めることが望ましいです。

美しい飾りが街を満たすロイクラトンの時期

ロイクラトンの時期になると、チェンマイ市内のあらゆるところが彩られます。住宅、公共施設や寺院などさまざまな場所が美しい装飾で彩られるのです。

ドローンで撮った無数の熱気球 タイ・チェンマイのコムローイ祭り

コムローイの時期に彩られた寺院「ワット・ロークモーリー」

ドローンで撮った無数の熱気球 タイ・チェンマイのコムローイ祭り

ロイクラトンの時期、街に現れる装飾

ドローンで撮った無数の熱気球 タイ・チェンマイのコムローイ祭り

チェンマイ郊外の寺院「ワット・プラ・タート・ドーイ・ステープ」のライトアップ

なかでもおすすめは、寺院「ワット・パンタオ」とターペー門です。

ドローンで撮った無数の熱気球 タイ・チェンマイのコムローイ祭り

ワット・パンタオ

ワット・パンタオでは、ロイクラトン当日の19時ごろに、僧侶がコムローイを一斉にあげます。彩られた寺院とコムローイはとても絵になるため、多くの写真家が訪れます。

一方、ターペー門はチェンマイを代表する待ち合わせ場所で、いつも地元の人や観光客でにぎわっています。ここではステージが毎年建てられライブ、キャンドルアートやコムローイの打ち上げなども行われるので、ぜひ足を運んでみてください。

ドローンで撮った無数の熱気球 タイ・チェンマイのコムローイ祭り

ターペー門前のキャンドルアート

チェンマイ市内を中心にパレードも行われます。運が良ければ山車のパレードを見ることができるかもしれません。

ドローンで撮った無数の熱気球 タイ・チェンマイのコムローイ祭り

ロイクラトンのセレモニーに参加するチェンマイの人たち

旅の主役は自分です。自分だけの素敵な旅を見つけてください。

■タイ国政府観光庁
https://www.thailandtravel.or.jp/chiang-mai-yeepeng-festival/
(日本語)
https://www.tourismthailand.org/home
(英語)

PROFILE

野見山大地

写真家
1993年、日本人の父とタイ人の母の間に生まれる。幼少期をタイで過ごす。自分の目で世界を見るために写真家を志し、カメラを片手に世界一周、アフリカ縦断を行う。これまで70カ国以上を訪れた。資格マニアでもあり、車やバイクの大型免許、ゾウ使い、小型船舶、ドローン操縦者、ダイブマスター、調理師などの資格を持つ。写真家として国内外で活動し個展開催や写真集も出版する。都内を中心に展開するタイ料理屋「チャオタイ」の副社長でもある。

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