ラグビーW杯で注目、アイルランドの歴史・自然・人々の魅力とはPR

ラグビーW杯で注目、アイルランドの歴史・自然・人々の魅力とは

海外テレビドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』のロケ地になったモーン山地  ©Tourism Ireland

日本とアイルランドは、観光の面で共通点が多い。古代からの歴史の遺物が各地にあり、島国ならではの海の幸に恵まれている。近くて遠い両国は9月28日、ラグビー・ワールドカップ(W杯)日本大会の1次リーグで対戦。大会前まで世界ランキング2位だったアイルランドを日本が破り、世界に衝撃を与えた。

アイルランドの音楽や文学、ビールやウイスキーは日本でも親しまれており、ラグビーを通じて興味を持った方も多いだろう。一方で、日本からアイルランドへの観光客は年間2万4000人と、けっして多くはない。知られざるアイルランドの魅力について、観光促進の目的で来日していたアイルランド政府観光庁長官のナイル・ギボンズ氏に話を聞いた。

ラグビーと同様にアイルランド島として観光PR

ギボンズ氏にインタビューしたのは、日本戦の2日後。静岡のスタジアムで観戦したそうで、「日本の方々にアイルランドを知ってもらう大変良い機会でした。試合は、守備においても攻撃においても日本が優れていました。敗れたのは残念ですが、相手が日本で良かったです」と感想を話した。

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アイルランド政府観光庁長官のナイル・ギボンズ氏

ラグビーは人々にとって「非常にメジャーなスポーツで、学校でも大変人気があります。熱心なファンにとっては生活の一部です」という。ギボンズ氏の息子もプレーしていたそうだ。

試合前に代表選手たちが歌うアンセム「アイルランド・コール」は、国歌ではない。アイルランド島は、アイルランド共和国と英国領の北アイルランドに分かれているが、ラグビーでは南北の統一チームで試合に臨んでいる。「観光業に対するアプローチも全く同じで、一つのアイルランドとしてPRを行っています」と語る。

タイタニックの関連展示やスター・ウォーズのロケ地も

観光立国でもあるアイルランドは、島全体の人口は約670万人で、その倍近い年間1120万人が海外から訪れている。日本との関係は深く、戦後の1957年に外交関係を樹立した。

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1904年に建てられたギネス・ストアハウス」©Tourism Ireland

訪れてほしい観光地として、ギボンズ氏がまず挙げたのが首都の「ダブリン」。黒ビール「ギネス」の博物館「ギネス・ストアハウス」は、歴史や醸造工程を学んだり試飲ができたりして、高い人気を誇っている。当時のエリザベス女王によって1592年に建てられた「トリニティ・カレッジ・ダブリン」など、伝統的な建物も多い。

北アイルランドの中心都市「ベルファスト」は、豪華客船タイタニックが出航した港であり、博物館には当時の遺物や、映画で出演者が着ていた衣装などが展示されている。海外テレビドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』のロケ地めぐりもでき、壮大な景観を楽しめる。

都市のすぐ近くに素晴らしい自然が広がっているのも、大きな魅力の一つ。西海岸の「ワイルド・アトランティック・ウェイ」は、雄大な海岸線が続いており、映画『スター・ウォーズ』の最新シリーズのロケ地としても知られている。

ほかにもギボンズ氏は、“グルメの首都”と称される南部の「キンセール」、伝統的な音楽が有名な西部の「ゴールウェイ」、落ち着いた雰囲気で過ごしやすい北部の「ドニゴール」を、お薦めの街として挙げた。

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ダブリン市内では「アイリッシュ ウイスキー 博物館」も人気 ©ONE LINE FILMS

フレンドリーで面倒見のいい人々

アイルランド観光には、「景観の美しさ」以外にも、「フレンドリーな人々」「古代から根づいたユニークな文化」という特徴があるとギボンズ氏は話す。

アイルランド人の気質について、「とても好奇心が旺盛で、よく質問をします。日本人に会うのが珍しいので、パブなどでも『どこから来たの』と歓迎してくれるかもしれません。それは彼らがオープンで面倒見が良いということを象徴しており、観光客が地図を持って道に迷っていたら、必ず誰かが声を掛けて教えてくれるはずです」と説明する。

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伝統的なアイリッシュ音楽の一つ、グライド・イン・アナガッサン ©2017 Glyde Inn Annagassan

歴史に関しては、ダブリン郊外には5000年前の古代遺跡「ニューグレンジ」、初期キリスト教の聖地「グレンダーロッホ」のほか、バイキングのルーツをしのばせる遺産も多い。さまざまな時代を物語る建造物が各地に残されており、第1次世界大戦時の遺物である「ヘレンの塔」は、宿泊施設として利用できる。

食事の面では、日本人にも適したシーフードのレストランが全国にある。ギボンズ氏自身は、アイリッシュウイスキーにもよく合うスモークサーモンが好物とのこと。伝統料理を教えてくれる料理学校も、観光客から人気を集めている。

名所をバスでめぐって歴史と自然を満喫するパッケージツアーは、シニア層を中心に利用されている。ゴルフ場の数が多いというのも、日本人の好みに合いそうだ。

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バリーリフィン ゴルフ コース ©Tourism Ireland/Failte Ireland

四谷に「アイルランドハウス」を2022年開設

経済面でも、アイルランドは年率5%の成長を維持しており、英国以外の地域からの投資が著しい。グーグル、フェイスブック、マイクロソフトといったIT企業の多くが、欧州での拠点をアイルランドに置く。英語が公用語で、若年者の人口が多く高度な教育を受けているという側面も、海外の企業から高い評価を受けている。

日本との関係においては、2022年に東京・四谷に「アイルランドハウス」がオープンする。在日大使館が移転するほか、貿易や観光などの公的な機能が集約される予定。投資額は2500万ユーロで、「アイルランド政府の海外への投資の中でも最大規模」だという。文化的なイベントや展示など、両国の交流促進の面でも期待される。

当面のネックは、現在は運航されていない2国間の直行便。今回の来日で政府観光庁は、航空会社や関係機関への働きかけを行っている。来年の東京五輪・パラ五輪の機会にもPR活動を展開していく予定だ。

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ギボンズ氏と、中東・アジアのマーケティングを担当するアッシュリン・マクダーモット氏

最後にギボンズ氏は「両国には共通項がたくさんあり、それを土台にこれからも良い関係を築いていくのが重要です。私は明日に日本を離れますが、W杯の決勝でアイルランドと日本が再び戦うのなら、ぜひ戻って来たい。そのときは、皆さんで両方を応援しましょう」と述べた。

■アイルランド政府観光庁 公式日本語サイト
http://www.ireland.com/ja-jp/

■「いいとこどりアイルランド6日間」
https://e.his-j.com/shop/tour/voyage/02A_10/TI-KDE0001___1

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