はなのたびたび旅日記

モデル・はなさんの新連載スタート! 「旅をする時はいつも、欲ばりになってしまいます」

旅好き・仏像好きで知られる、モデルのはなさん。自身のInstagramでは、旅先の空気が伝わる優しい言葉と写真が並びます。
次回から、はなさんに執筆いただく連載「はなのたびたび旅日記」では、Instagramでは伝えきれない旅先での出来事をお届けします。連載をスタートするにあたり、はなさんに「旅」についてお話をうかがいました。

十代の頃から「旅」が身近にある環境だった

──旅を好きになったきっかけは何ですか?

中学生の時に、初めて1人旅をしたのがきっかけです。当時、インターナショナルスクールに通っていましたし、アメリカに住んでいた親戚に会いに行くなど海外には慣れていましたが、フランスのトゥールという町にフランス語の夏期講習を受けに1人で行ったんです。初めての1人旅は、言葉もあまり話せないので不安で……。そんな中、現地でできたポーランド人の友達と、週末にモンサンミッシェルに行ったのが、思い出深いですね。

それから高校生になって、スイスに1カ月ホームステイに行きました。バスに乗ってホームステイ先まで行くのは、それはそれはすごい冒険でした!
当時はグーグルマップもないので、地図を片手につたないフランス語でなんとかたどり着いたのを覚えています。いざという時は英語が話せることは武器になったけど、それでも、すごく緊張しました。ホームステイ先から語学学校までヒッチハイクもしたんですよ! 今だったら考えられないなぁ。
でも、何もわからなかったからこそ、いろいろ冒険ができたのかもしれません。ホームステイ中の1カ月間は、携帯電話もないし、メールもできない。誰にも電話をしないと決めていたので、ちょっとさみしい時もあったけれど、いい思い出です。

──旅を積極的にするご家庭だったんですね。

親はそんなに旅好きだった印象はないんですが、「自分のためになるから」といろいろ行かせてもらいました。「子どもには旅させろ」という考えだったのかも……。感謝しています。

──十代の頃から現在に至るまで、「旅」に対する考え方に変化は出てきましたか?

旅の目的が変わりましたね。学生の頃は勉強のために、大人になってからは仕事でどこかに行って、そこを拠点にいろんな場所に足を伸ばすことが多くなりました。
誰かとプライベートの旅行をすることもありますが、食べたいものや行きたいところがあるなど、ほとんど先に「目的」があって、その前後に予定をくっつけています。
あと、写真はスマホばかりだったんですけれど、ふと「そういえば、昔はカメラが好きだったなぁ」と思い出して、もう1度その気持ちになれたらなと、思いきって最近新しいミラーレスのデジタルカメラを買いました。今は記録用として食べ物ばかり撮っているんですけど、今回連載がはじまるので、旅先でいろいろ撮りたいですね。

モデル・はなさんの新連載スタート! 「旅をする時はいつも、欲ばりになってしまいます」

旅先でしか出合えない「モノ・コト・トコロ」を求めて

──「旅」の楽しみはなんでしょう?

仏像にはよく会いに行きますね。あとは……食べること! 旅好きで食べ物好きの友達にオススメのお店を聞いて、早くから予約しておくんです。やっぱり旅先でしか食べられない物は外したくない。
ほかにも、ハワイでは海で泳いだり、九州では温泉に入るために片道数時間の電車旅をしたり、欲ばりなんです(笑)。

──電車が好きなんですか?

わたし、ほんのり乗り鉄らしいんですよ。自分ではわかってなかったんですけど、友達に「乗り鉄だね」と言われて気づきました。楽しいんですよね。
1両しかないような電車にガタゴト揺られて目的地に着くと、その土地ならではの時間を楽しめる。きれいな観光列車も好きで、車窓を眺めながらちょっとビールを飲んだりしてたら、すぐに2時間くらい経っちゃう。この間も、新宿から箱根までのロマンスカー「GSE(70000形)」で奇跡的に一番前の席が取れたので、堪能しちゃいました。

──どこに行くかも重要ですが、どんなところに泊まるかでもずいぶん変わりますよね。はなさんの、宿のこだわりは?

旅の目的に合ったところ、かな。2年くらい前に福岡に行った時は食べるのが目的だったので、ジムがあるホテルに泊まりました。食べて、ホテルで運動しておなかを空かせて、また食べに出かける……みたいな(笑)。
今度お茶室のある宿に泊まってみたいと思っています。3年くらいお茶を習っているので、お茶に関することも旅の楽しみ。趣味が増えると旅先でもやってみたくなりますね。お茶碗を見たり、御道具をチェックしたりする楽しみが増えました。

──ほかにも「旅」のお楽しみといえば、お土産ですね。

お土産大好きなんですよ! あんまり買いすぎると残ってしまう場合もあるんですけど、お土産を見るのはすごく好きで、近く会う予定がある友達の分は買っちゃいます。
もちろん、自分にも買いますよ。わざわざスーツケースで行って、朝市や道の駅で地元の野菜を大量に買ってくるんです。新鮮だからすごくおいしくて、普段のお料理の材料として使います。

モデル・はなさんの新連載スタート! 「旅をする時はいつも、欲ばりになってしまいます」

仏像は、その土地で生活している人に顔が似ている!?

──旅の必須アイテムはあります?

15年くらい前に買った小さい双眼鏡を必ず持ち歩いています。仏像に会う時は、双眼鏡と御朱印帳は必須ですね。仏像って、色がとれて残っていないと思われているものでも、お寺に光が入る時間帯によって少しだけ色や金箔(きんぱく)が見えたりするんです。それを双眼鏡でじっくり探しますね。模様や指のディテールまで、くまなく見るのには双眼鏡がないと。
あと逆から見るのもいいんですよ。仏像と距離が離れて、「あぁ、やっぱり遠い存在なんだな」って確認できるのが、好きです。

──仏像に「会う」と言うんですね。

「今日はここの仏像に会いたいな」という気持ちに従って、その日に行くお寺を決めることが多いです。時間帯によっても仏像の表情が違うので、他のスケジュールを確認して「朝に行こうかな」「夜に行こうかな」と。
朝の光だと、仏像の表情がパキンと硬くなって、ちょっと恐く見えることが多いんです。でも西日だと、柔らかい光が当たって表情も少し緩く感じます。東寺の帝釈天様は、秋口だと午後3時くらいがおすすめ。ちょうど帝釈天様が安置されている所の横扉から西日が入ってきて、超かっこいい! あと、東大寺がライトアップされている時期には、夜に何回も仁王様に会いに行って、普段とは違う表情が見られたのもうれしかったな。

──いつから仏像を好きになったのですか?

大学生ですね。比較文化学科で仏教美術を勉強していたんです。それまで知っている仏像は鎌倉の大仏様だけだったけれど、インドからシルクロードを渡って日本に仏像がたどり着くまでの文化を勉強するなかで、アフガニスタンの仏像に初めて出会った時に一目ぼれしました。とてもキレイで、同じ仏像でも鎌倉の大仏様の美しさとはまた違うんだなぁと思ったところから、仏像にお会いする旅をするようになったんです。
国内のお仕事と合わせて1人でお寺巡りをしたりしています。クリスマスの時期に奈良と京都のお寺巡りしたこともありました。クリスマスだと、お寺がすごく空いているんです。

──仏像のどんなところに面白さを感じますか?

たとえば、アフガニスタンの仏像だと、西に近づくにつれてギリシャ彫刻などの西洋の美術に近づいていくんです。でもシルクロードをわたって日本に着く頃にはまた形が変わっていく。
仏像って、その土地で生活している人に顔が似てくるんですよ。どうしてこの形になったんだろう?とたどっていくと、いろんな歴史や人が見えてくるんです。

──ずばり、お好きな仏像は?

かっこいい仏像ですね。東寺の帝釈天様はずっとわたしのNo.1です! きれいな顔の仏像も好きですし、ものすごくパワーがみなぎったお顔の仏像をみても「うおー!」と興奮します。
ずっと長い間、仏像と人間はお互いを守り合ってきたので、昔につくられた仏像ほど良いお顔をされているなって、勝手に思っています。

──今回の連載で、書きたいこと、伝えたいことはどういったことでしょうか?

読者に「のんびり旅を楽しみたいなぁ」と思ってもらえるような、ちょっとした参考になるものにしたいですね。おすすめの場所やおいしいごはん、きれいな景色、歩いた道のりなどを見て感じてもらって、ご自身の旅も楽しんでいただきたいな……ってぼんやり考えています。せっかく新しいカメラなので、写真も頑張っちゃおう(笑)。

モデル・はなさんの新連載スタート! 「旅をする時はいつも、欲ばりになってしまいます」

(文・河野桃子 写真・山田秀隆)

PROFILE

はな

モデル。12月21日生まれ、神奈川県横浜市出身。2才から横浜のインターナショナルスクールに通い、17才からモデル活動を始める。上智大学に進学後も、学業と平行してモデル活動を続け、その後テレビやラジオ、ナレーター、エッセイの執筆など活動の範囲を広げる。現在もファッション誌で活躍するかたわら、FMヨコハマ「Lovely Day〜hana金〜」(毎週金曜)のナビゲーターや、日本テレビ「夢の通り道」(毎週日曜)のナレーションも務めている。英語・フランス語に堪能で、その語学力を活かした絵本も多数。趣味はお菓子作りや茶道、仏像鑑賞。2017年9月国宝応援大使、2019年4月奈良国立博物館評議員に就任。著書に、『はな、茶の湯に出会う』(淡交社)、『hana’s style book』(宝島社)、『ちいさいぶつぞう おおきいぶつぞう』(幻冬舎文庫)、『おくるおかし』(集英社)ほか多数。
Instagram:https://www.instagram.com/hanalovestaco/

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