&Discovery

頭大仏! 安藤忠雄氏の設計で出現したアートな絶景 札幌

「頭大仏」をご存じでしょうか。札幌市の真駒内滝野霊園にある、建築家の安藤忠雄さんが設計した大仏殿に鎮座しています。ドーム状の屋根の真ん中に空いた穴から頭だけつき出して見えるから「頭大仏」。春は新緑、夏はラベンダー、冬は雪に覆われる丘と一体化したその姿は、アートな魅力をたたえた札幌の新名所として、観光客の人気も集めています。
(文・写真:&TRAVEL副編集長・星野学、トップ写真はふる里公苑提供)

もともとあった大仏に、あとから大仏殿を

大仏殿の完成は2016年。高さ13.5メートルの大仏はもともと屋外にありましたが、霊園を経営する公益社団法人「ふる里公苑」が、開園30周年記念事業で造ることにした大仏殿の設計を安藤氏に依頼し、このユニークな姿が生まれました。

正門から霊園に入ると、右手の小高い丘のてっぺんに、大仏の頭だけが見えます。ああ、これだ、これだ。

頭大仏! 安藤忠雄氏の設計で出現したアートな絶景 札幌

ラベンダーに覆われた丘のてっぺんに、大仏の頭が

ゲートを通過して大仏殿の正面へ。まっすぐに伸びたアプローチの先に大仏殿が。突き当たりに大仏が鎮座しているのがわかります。

頭大仏! 安藤忠雄氏の設計で出現したアートな絶景 札幌

アプローチの先に大仏殿の入り口が

不思議な期待感、そのわけは

霊園に入り、アプローチから大仏に向かって歩きながらずっと、いわく言い難い不思議な気持ちがしていました。何だろう、と考え続けて、はっと気づきました。大仏の顔がずっと見えないままなのです。アプローチへ踏み込むと、正面に大仏の突き出た頭と胴体は見えるのですが、顔は大仏殿の一部に隠れています。

頭大仏! 安藤忠雄氏の設計で出現したアートな絶景 札幌

水庭。大仏へ向かう際は、右側の入り口から入って池の外周を歩き、左側の入り口へ向かう

水をたたえた「水庭」を通り、大仏へ向かうトンネルに入ると、胸から下しか見えなくなります。

頭大仏! 安藤忠雄氏の設計で出現したアートな絶景 札幌

もうすぐトンネルの出口

トンネルを抜けるか抜けないか、というころになって、ようやく柔和なご尊顔を拝することができます。

頭大仏! 安藤忠雄氏の設計で出現したアートな絶景 札幌

トンネルを抜けると、ようやくお顔が

「顔が見えない」ということは、こんなにも想像と期待をかきたてるものなのかと、改めて知りました。真っ白なアプローチ、結界のような水庭、薄暗いトンネル、と、雰囲気のまったく違う空間を抜けるたびに、気持ちがリセットされ、大仏にたどりつく頃には心が空っぽに。非日常へといざなってくれる仕掛けのある、アートな空間です。

頭大仏! 安藤忠雄氏の設計で出現したアートな絶景 札幌

大仏殿の天井にぽっかり空いた穴から、青空が見えた

大仏殿の一角には、中国語やタイ語など、アジア各国を中心にいろいろな国の言葉で願い事を記した「メッセージ献灯」が並んでいました。反対側には絵馬も。デモが続く香港の方が書いたと思われるものもありました。

頭大仏! 安藤忠雄氏の設計で出現したアートな絶景 札幌

大仏殿の一角には、さまざまな国の言葉で記された「メッセージ献灯」がずらり

頭大仏! 安藤忠雄氏の設計で出現したアートな絶景 札幌

大仏殿には、絵馬も掛けられていた

疲れたら「ロタンダカフェ&ストア」で一服

頭大仏! 安藤忠雄氏の設計で出現したアートな絶景 札幌

ロタンダカフェ&ストアの入り口

私が訪れたのは、2019年8月2日。7月中旬が見頃だというラベンダーは、旬は過ぎていたものの、丘の紫色はまだ健在でした。
水庭のほとりには、「ロタンダカフェ&ストア」が。軽食やお茶で一服できるほか、オリジナルのお土産も買えます。外国人観光客の増加に伴い、頭大仏見学の合間に休憩してもらえる場所をと、2018年にオープンさせました。うだるような暑さに耐えかねてここに駆け込み、アイスウーロン茶を飲んでようやく人心地がつきました。

頭大仏! 安藤忠雄氏の設計で出現したアートな絶景 札幌

ロタンダカフェ&ストアの内部

外国人観光客にも人気

「頭大仏」が登場して約3年。「最初は安藤先生のファンの間で情報が広がり、次第に観光客の方々もお見えになるようになりました」と、ふる里公苑の岩渕直哉事業部長。最近は外国人観光客も多く、とくに韓国とタイのお客さんが観光バスを連ねて来ることが目立つそうです。

総面積180万平方メートルの広大な敷地とはいえ、亡くなった方々のお墓が並ぶ霊園です。観光客が気軽に訪れていいものなのでしょうか。岩渕さんにたずねてみると、「ここは宗派を問わない公園霊園です。たくさんの方々においでいただいた方が、いい霊園だと思っていただけて、お墓の販売にもつながると考えています」とのこと。

頭大仏! 安藤忠雄氏の設計で出現したアートな絶景 札幌

正面入り口に並ぶモアイ像。大きいものは高さ9.5メートル、重さ120トン。ほかは高さ6.5メートル、重さ60トン

園内には「未来を生きる」という意味があるとされる「モアイ像」33体や、墳墓という説もある「ストーンヘンジ」それぞれのレプリカも。こちらも訪れた人の注目を集めていました。

頭大仏! 安藤忠雄氏の設計で出現したアートな絶景 札幌

ストーンヘンジ。永代供養墓が併設されている

■真駒内滝野霊園
https://www.takinoreien.com/publics/index/49/

PROFILE

&編集部員

国内で、海外で。&編集部員が話題の旅先の新たな魅力を「発見」し最新情報をリポートします。

&編集長、週末ぶらり佐世保旅・後編 老舗は思いの交差点

一覧へ戻る

星野リゾートでこの値段?? 「BEB5 軽井沢」の35歳以下エコひいきプラン

RECOMMENDおすすめの記事