火災に遭った沖縄の首里城、どんな城?
文: 萩原さちこ

2019年10月31日未明、沖縄県那覇市の首里城が火災に遭い、正殿や北殿、南殿が全焼するなど、大きな被害が出ています。首里城跡は世界文化遺産「琉球王国のグスク及び関連遺産群」の構成資産の一つ。1992年に復元された正殿をはじめとする首里城は、沖縄のシンボルでもあります。どんなグスク(城)なのでしょう。城郭ライター萩原さちこさんの連載「城旅へようこそ」から振り返ります。(文・&編集部)
琉球王国の国王が住んだ首里城は、300以上に及ぶグスクのなかでも特別な存在でした。琉球王国は1429年に誕生、1879年に沖縄県になるまで450年間存続しました。首里城は琉球王国の政治・経済・文化の中心地であり、東南アジア外交や交易の拠点だったのです。
詳しくは<琉球王国の栄華を極めた首里城 世界遺産の5つのグスク(1)>へ。
首里城は、沖縄屈指の観光名所でもあります。観光客でにぎわう那覇市の国際通りから車で約20分、城壁にぐるりと囲まれた丘にあります。南国情緒あふれる色彩と、海からの風が感じられる開放的な空間が、旅の気分をぐっと盛り上げてくれる場所でもあるのです。
詳しくは<琉球王国の栄華をいまに伝えるグスク・首里城と、 三つの世界遺産めぐり>へ。
2019年2月には、王族が生活や儀礼を行ういわば「奥」の世界である「御内原(おうちばら)エリア」が公開され、ベールに包まれていた首里城の知られざる世界に足を踏み入れられるようになったばかりでした。
詳しくは<ついに公開! ディープな世界「御内原」とは? 首里城(1)>へ。
焼け落ちた首里城正殿の壁面を彩る美しい朱色は、沖縄のイメージカラーのひとつといっていいでしょう。正殿外壁の漆(うるし)は2018年末に塗り直され、新たな輝きを放つように。琉球王国時代の文書に基づき、往時の色を現代によみがえらせたのです。
詳しくは<琉球王朝の文化を反映する、正殿の外壁塗装とデザイン 首里城(2)>へ。