圧巻! 雲海からの日の出 懐かしい癒やしの街チェンカーン
文: 野見山大地

日本人の父とタイ人の母を持つ若手写真家、野見山大地さんの連載「タイ 上から撮るか、下から撮るか」。ドローンによる空中撮影から水中での撮影まで、ひとひねりした視座の写真を得意とする野見山さんが写真と文章でお届けします。第3回は、近頃タイの人々に人気の観光地、チェンカーン。ノスタルジックな街並みに加え、雲海からの日の出は圧巻でした。(トップ写真はプートック山で見られた雲海)
タイ人に人気の観光地
多くの日本人にはなじみの薄い町だと思いますが、チェンカーンは今、若者をはじめ多くのタイ人に人気の観光地です。今日はそんなチェンカーンを旅した話です。
チェンカーンはラオスと国境を接するタイ北部にある、メコン川沿いの小さな町です。玄関口となるルーイからは車で約1時間かかり、アクセスがいいとは言えない場所に位置しますが、それでも人をひきつける魅力がこの町にはありました。
どこかノスタルジックな街並み

チェンカーンの街並み
チェンカーンはとても小さな町です。交通網も発達しておらずコンビニも町に数件しかありません。しかしながら、この不便さや、どこか懐かしい街並みが、タイ人をはじめ多くの観光客に人気なのです。

チェンカーンの街を走る三輪タクシーのトゥクトゥク
タイはいま急激に経済発展を遂げており、特にバンコクなどは建設ラッシュに沸いています。経済的な発展にはメリットもありますが、犠牲もつきものです。

チェンカーンの朝市
バンコクをはじめ都市部では、多くの人が時間に追われ、働き疲れています。そんな人達が癒やしを求めチェンカーンを旅して、どこか懐かしい風景の中に身を置きながら、英気を養っているのでしょう。

朝市に並ぶお土産
メコン川の景勝地ゲーンクック

メコン川の夕暮れ
メコン川はチェンカーンの人たちにとって、ともに暮らす、なくてはならない存在です。晴れている日にはメコン側の対岸にあるラオスを望むことができます。
このメコン川の景勝地であるゲーンクックや名物の川エビの料理、夕暮れなどは、チェンカーンに来た際に合わせて楽しみたいところです。

メコン川名物の川エビ
【動画】ゲーンクック空撮
托鉢僧への施し

托鉢
チェンカーンをはじめタイでは早朝、多くの人が托鉢(たくはつ)僧へ食事の施しをします。バンコクなど都市部でも見られますが、チェンカーンは町自体が小さいので、まるで住民総出で施しをしているかのような光景はなかなか珍しいです。早起きして地元の人々に混ざり体験するのもいいですね。
プートック山から見る雲海
チェンカーンを訪れるなら乾季(11月〜2月)がベストだと、個人的には思います。運が良ければプートック山から雲海を見ることができるからです。

プートック山からの日の出と雲海
プートック山はチェンカーンから車で約20分とアクセスも良く、山頂まで乗り合いタクシーで向かうので、登山に慣れていない方でも大丈夫です。
タイで雲海とは想像しにくいかもしれませんが、この時期の朝は急激に冷え込むことや近くにメコン川がある関係からか、素晴らしい雲海を見ることができるのです。

プートック山山頂の空撮
【動画】プートック空撮
プートック山の頂から見た日の出は、とても感慨深いものでした。