あの街の素顔

暗闇の「ラピュタ」の島へ スマホ封印、五感研ぎ澄ましアート鑑賞 横須賀・猿島

「天空の城ラピュタ」のような雰囲気が人気を集める神奈川県横須賀市の無人島・猿島で、夜のアートイベント「Sense Island -感覚の島- 暗闇の美術島」が開催中です。ふだん夜は立ち入ることができない無人島なので、島内の遊歩道には街灯もなく、日が落ちると真っ暗に。このアートイベントはその暗闇を利用した、ちょっとユニークなものになっています。

(文・写真 こだまゆき、トップ写真は作品「色と景観の相互作用,2019」)

夜の猿島、初の一般開放

暗闇の「ラピュタ」の島へ スマホ封印、五感研ぎ澄ましアート鑑賞 横須賀・猿島

猿島行きの三笠桟橋にあった今回のアートイベントのボード。お隣の記念艦三笠は現在夜間ライトアップ中

「実は猿島でのアートイベントは初開催、しかも一般の人を夜の猿島に入れるということ自体が初めての試みです」
そう話すのは、横須賀都市魅力創造発進実行委員会の奥村浩事務局長。夜というと、ライトアップでキラキラと明るくなりがちですが、せっかくの無人島なのだから、その闇を活かしてみようと逆の発想となったのだそう。

暗闇の「ラピュタ」の島へ スマホ封印、五感研ぎ澄ましアート鑑賞 横須賀・猿島

船に乗ること約10分。夜の猿島に初上陸! 猿島桟橋もアート仕様になっています

その「島の闇」を堪能して、アート鑑賞のための感覚を研ぎ澄ませてほしいと、アートプロデューサーの齋藤精一氏からある提案が。それは携帯電話を封印してしまうというもの。来場者は渡される封筒にスマートフォンを入れてしっかり封印。数人ずつのグループに分かれ、足元を照らす小さな懐中電灯だけでアート鑑賞に出発するのです。

点在するアート 名所も昼間と違う趣

暗闇の「ラピュタ」の島へ スマホ封印、五感研ぎ澄ましアート鑑賞 横須賀・猿島

フェリーを降りて、まず最初に目にする作品「prism」

アート作品は島のあちこちや船など17カ所に点在しています。夜空に伸びるサーチライトもその中の一つです。受付でもらえるガイドマップの順番通りに1周すると小一時間の所要時間となります。

暗闇の「ラピュタ」の島へ スマホ封印、五感研ぎ澄ましアート鑑賞 横須賀・猿島

重厚で堅牢な雰囲気にオブジェのような作品がぴったりはまります

暗闇の「ラピュタ」の島へ スマホ封印、五感研ぎ澄ましアート鑑賞 横須賀・猿島

昼間とはまた違った印象に。建物そのものがまるでアート作品のよう

外敵を防ぎ東京湾口の守りを固めるために明治政府が建造した要塞(ようさい)、猿島。うっそうとした緑に覆われた露天掘り幹道や、猿島一の人気スポット「愛のトンネル」は昼間でも薄暗く、かつて要塞だった雰囲気が色濃く残る場所ですが、闇の中で見るのもまた格別。シルエットになった木立の隙間から見えた月の明るさにハッとさせられました。

暗闇の「ラピュタ」の島へ スマホ封印、五感研ぎ澄ましアート鑑賞 横須賀・猿島

ワイルドドッグス「島の声 光、音、塩、砂、海」

この「Sense Island -感覚の島- 暗闇の美術島」では、昔の弾薬庫を利用した真っ暗闇のトンネルの中を手探りで壁づたいに歩いたり、地べたに寝転がって地球の音を聴診器で聴くなど、ちょっと変わった体感型のアートも。つい触ってしまいがちなスマートフォンを封印して、意識を集中しながら自分の五感をたよりに島を歩く――。夜の猿島ならではの非日常体験をしに出かけてみませんか。

暗闇の「ラピュタ」の島へ スマホ封印、五感研ぎ澄ましアート鑑賞 横須賀・猿島

不思議な空間に思わず見入ってしまった「遊具の透視法」は、鈴木康広さんによるインスタレーション作品

渡船は昼間と別料金、「昼入島して夜まで」は不可

さて、今回のアート鑑賞をするために猿島に渡る船は、通常の昼間の渡船とは別の運航料金体系になります。昼間の船で猿島に渡って、そのまま島にとどまることはできません。なお料金決済はPeatixのみで、現地でのチケット販売はありませんのでご注意を。そして昼間はポカポカ陽気でも夜はぐっと冷え込みます。温かい服装と歩きやすい靴で行ってくださいね。

暗闇の「ラピュタ」の島へ スマホ封印、五感研ぎ澄ましアート鑑賞 横須賀・猿島

復路の船より見た猿島。揺れでブレたおかげで「暗闇の美術島」の雰囲気が出たような気がしてお気に入りの1枚になりました

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「Sense Island -感覚の島- 暗闇の美術島」(チケット購入もこちらから)
https://senseisland.com/
会期:11/3(日)~12/1(日)の木金土日、及び祝休日(合計18日間)
時間:17:30~21:30
料金:3500円(往復乗船料、夜間乗船料、入島料、観覧料含む)

横須賀観光情報サイト
https://www.cocoyoko.net

PROFILE

  • 「あの街の素顔」ライター陣

    こだまゆき、江藤詩文、太田瑞穂、小川フミオ、塩谷陽子、鈴木博美、干川美奈子、山田静、カスプシュイック綾香、カルーシオン真梨亜、シュピッツナーゲル典子、コヤナギユウ、池田陽子、熊山准、藤原かすみ、矢口あやは、五月女菜穂、遠藤成、宮本さやか、小野アムスデン道子、石原有起、高松平蔵、松田朝子、宮﨑健二、井川洋一、草深早希

  • こだまゆき

    知らない土地での朝食がなによりも楽しみなフォト派のライター。iPhoneで撮るのも一眼レフで撮るのもどちらも好き。自由で気ままな女性ならではの目線で旅のレポートをお伝えしています。執筆業は旅関連の他、デジカメ、雑誌コラム、インタビューなど。趣味は顔ハメパネル。

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