楽園ビーチ探訪

6日間で行くイースター島、どこまで満喫できる?

チリのイースター島(パスクア島)は本土のサンチャゴから約4200キロ、フレンチポリネシアのタヒチ島から約3700キロ。文字通りの絶海の孤島です。訪れるのも簡単ではない場所ですが、足を運べば“本物”に触れて心震える体験ができます。

(トップ写真:朝焼けに染まる「アフ・トンガリキ」の15体のモアイ像)

連載「楽園ビーチ探訪」は、リゾートやカルチャー、エコなどを切り口に、国内外の海にフォーカスした読み物や情報を発信するビーチライターの古関千恵子さんが訪れた、世界各地の美しいビーチや、海のある街や島を紹介いたします。

イースター島への経路は

日本からイースター島へ行く定期便のルートはおもに二つ。南米回りで行くには約33時間30分もかかります。もうひとつはタヒチ島の首都パペーテからの週1便。けれど、それでは日程的に厳しいものがあります。あきらめていたところに、「エア タヒチ ヌイ」がタヒチ島パペーテ~イースター島間のチャーターフライトを不定期で飛ばしていることを知りました。日本人ツーリストをターゲットにしているので、成田からスムースな乗り継ぎで、イースター島へ最短で4泊6日(イースター島で2泊)で行けます。

6日間で行くイースター島、どこまで満喫できる?

イースター島といえばモアイ像

周囲約60キロしかない三角形をしたイースター島。とはいえ、島内には1000体近いモアイ像をはじめ、見どころがたくさんあり、2日間という限られた時間でどこまで見られるかが勝負です。

いざ出発

今回、滞在したホテル「エクスプローラ・ラパ・ヌイ」はラグジュアリー系ながら、いわゆるリゾートホテルとは違います。その人の興味関心に合わせて、ユニークなアプローチでその土地をガイドが案内するのが特徴となっています。

6日間で行くイースター島、どこまで満喫できる?

ハンガロア村から少し離れたエリアにある「エクスプローラ・ラパ・ヌイ」

「体力はあります!」という自己申告をもとに組んだスペシャルなスケジュール、最初に向かったのは「アフ・ビナプー」。海沿いの平原にぽつんとある、精密機械でカットしたような岩をきっちり積み上げたアフ(台座)を眺め、女性とされる赤いモアイ像を見学。ここはさらりと流して、ガイドは緩やかな傾斜の平原を歩き始めました。

6日間で行くイースター島、どこまで満喫できる?

「アフ・ビナプー」のきっちりと組まれたアフ(台座)と、風化して顔が崩れかけたモアイ像

放牧された牛の群れを追い立てるように平原を歩き(牛の落とし物に注意しつつ)、時に崖の上から紺碧(こんぺき)の太平洋を眺め、岩に座って一休み。

6日間で行くイースター島、どこまで満喫できる?

数千キロ先までも海が続く絶海の孤島です。目指すは「ラノ・カウ」という火口湖に向けてハイキングスタート

さらに歩いて林を抜けて、森を抜けてとハイキングは続きます。その間、ガイドは島の地形や風習、季節の見どころ、自分の家系など、イースター島の知識を教えてくれます。

6日間で行くイースター島、どこまで満喫できる?

「ラノ・カウ」を目指す途中には森も抜けます

かれこれ4時間ほど歩き、へとへとになった頃、目の前にラノ・カウ火山の火山湖が現れて目の前の眺めが突然、開けました。観光スポットであるオロンゴの儀式村と、湖を挟んでちょうど反対側の位置に来ました。ここからなら午前中、順光で内部をのぞくことができ、底のため池の色も澄んだブルーをたたえているように美しく映えます。

6日間で行くイースター島、どこまで満喫できる?

9キロ踏破して到着した「ラノ・カウ」

トータルで約9キロ歩きましたが、それはこの一瞬の感動のための序章。車でパッと行って、サクッと見るのとでは感動の大きさが違います。

モアイ像が生まれた場所

火山「ラノ・ララク」は、島のほぼ全てのモアイ像がここの凝灰岩から切り出されたといいます。今も緩やかな丘にいくつもの像が点在しています。

6日間で行くイースター島、どこまで満喫できる?

モアイ像の原材料である凝灰石の切り出し場「ラノ・ララク」。平原に顔が点在しているのは一種、異様な光景です

丘のふもとに転がっているものや、切り出す途中のものなど、ここには400体近いモアイ像があるとか。中でも興味深かったのは、「トゥク・トゥリ」という像です。

6日間で行くイースター島、どこまで満喫できる?

「トゥク・トゥリ」。見つかった時は顔だけが露出していたのだとか

モアイ像は通常、足がありません。それがこの像は1000体近くある像のうち、唯一足を持ち、しかも正座をしているのです(「トゥク・トゥリ」とは「ひざまずく」の意味)。モアイ像の中でも初期のものとされ、顔も他のモアイ像のように精悍(せいかん)ではなく、どことなく丸みを帯びた人間っぽさを感じます。

6日間で行くイースター島、どこまで満喫できる?

立派な鼻のモアイ像。それぞれ顔が異なり、名前もあるそうです。目を入れる前と後では名前が異なるのだとか

一説によると、モアイ像の起源はフレンチポリネシアなどに伝わるティキ(神の像)であるとも言われています。たしかにマルケサス諸島のヒバオア島でみた巨大なティキと、共通するものを感じます。

本物に心動かされる

「アフ・トンガリキ」で朝日に照らされる15体のモアイ像を眺め、「タハイ儀式村」で斜陽から日没、夕映え、そして宵闇までモアイ像群を心ゆくまで堪能。

6日間で行くイースター島、どこまで満喫できる?

「タハイ儀式村」ではサンセットが望めます。逆光でわかりづらいけれど、島で唯一目が入っている「アフ・コテリク」

子供の頃から写真やテレビで見慣れてきたはずのモアイ像なのですが、それでもこみ上げてくるものがありました。やはり本物には心動かす力があります。

6日間で行くイースター島、どこまで満喫できる?

帰国便は気を利かせてくれたのか、海岸線をなぞるように飛行し、「ラノ・カウ」上空を経て、島を去りました

【取材協力】
エア タヒチ ヌイ
https://www.airtahitinui.com/jp-ja

エクスプローラ・ラパ・ヌイ
https://www.explora.com/easter-island-chile/

PROFILE

古関千恵子

ビーチライター。リゾートやカルチャー、エコなどを切り口に、国内外の海にフォーカスした読み物や情報を発信する。ダイビング雑誌の編集者を経てフリーとなり、“仕事でビーチへ、締め切り明けもビーチへ”を繰りかえすこと四半世紀以上。『世界のビーチ BEST100』(ダイヤモンド・ビッグ社)の企画・執筆、『奇跡のリゾート 星のや 竹富島』(河出書房新社)の共著のほか、ファッション誌(『Safari』『ELLE Japon』など)やウェブサイトに寄稿。ブログも配信中。

ゴーギャンとブレルが眠る、マルケサス諸島ヒバオア島

一覧へ戻る

ポートランドから行く、「全米ロマンティックな海岸10選」のキャノンビーチ

RECOMMENDおすすめの記事