カメラと静岡さとがえり

サウナーたちの巡礼地 静岡にあるサウナの聖地「しきじ」

スリランカと日本を拠点に活躍する写真家の石野明子さんが故郷を撮り歩く連載、「カメラと静岡さとがえり」。第6回は、静岡市駿河区にある、あるサウナの紹介です。大流行中のサウナ。「サウナー」と呼ばれるサウナ愛用者らが、「聖地」とあがめるサウナなんだとか。その理由とは……。(トップ写真はサウナのフロント)

サウナ「しきじ」の外観

24時間営業、泊まりも可能

人気の秘密は天然水

全国のサウナー(サウナをこよなく愛する人々)が一度は!と目指すサウナが静岡市駿河区にある。ここのサウナの何が特別かというと、静岡の豊かな自然で濾過(ろか)された地下天然水を惜しげもなく使っているということ。

扉の向こうは聖地!

扉の向こうは聖地!

サウナ後に浴びる水風呂は24時間天然水掛け流し、漢方風呂、ジャグジー風呂はもちろんのこと食堂の調理には全て天然水を使用。なんと館内着やタオルの洗濯にも天然水を使っている!

24時間掛け流しの天然水

24時間掛け流しの天然水

ここ駿河の大地から湧き出る天然水はミネラル成分を多く含んでいて、カルシウム、マグネシウムが抜きんでている。味わいはまろやかで、すっと体に溶け込んでいくような柔らかな優しいのど越しだ。

しきじのタオル

しきじのタオルはふわふわで吸水性も良い

建物自体は古いが丁寧に清掃されているので気持ちが良い。サウナ内のベンチに置かれたタオルもこまめに交換してくれるのでうれしい限り。カウンターで、天然水で洗濯されたのちビニールにパッキング(オーナーのこだわりとのこと)された館内着とタオルを受け取りいざ浴室へ。

ついにサウナへ

しきじの女湯

こちらは女湯。男湯はさらに広いとのこと

ガラリと浴室のドアを開けると、女湯にはサウナ、薬草サウナ、ジェットバス、薬草風呂がコンパクトに収まっている。

しきじの薬草風呂

少しぬるめの薬草風呂

まずはシャワーで体をきれいにして……と思ったら、シャワーから出てくる水のなんと優しいことか! 肌にあたる感覚が違う。これが天然水なのか、と感慨深くサウナへ。

サウナ内部

こまめに清掃されるサウナ

初心者は3分から5分入ったら水風呂へ。少し休憩し、このセットを2、3回繰り返すのがおすすめとのこと。そしてサウナに入る前に天然水を1杯飲むこと。こうすることで老廃物が体外に出やすくなるのだという。

サウナ内部のテレビ用リモコン

飾ったところがないことも居心地の良さにつながっている

サウナ内に砂時計があるのでそれをひっくり返して、テレビから流れるワイドショーをぼーっと眺める平日の午前10時。じわりじわりと汗がにじみ出てきた。3分くらいだと息苦しさも感じない。砂時計を確かめて、いよいよ天然水の水風呂へ! サウナと水風呂を行ったり来たりするのは「温冷交代浴」といって、血行も良くなり自律神経も整うという。

水風呂

いよいよ水風呂へ!

汗を流そうと足から水をかけるも、体が温まっている分余計に冷たく感じて心が折れそう。ひと呼吸置いて「えい!」と肩へかけ水をしてから水風呂にドボン。清涼感が体を駆け抜ける! 呼吸が浅くなりがちなので深呼吸して1分ほどつかる。シルクのようなまろやかに感じる水が優しく肌をなでる。

水風呂を出て少し休憩して、2セット目のサウナへ向かう。今度は汗の出方も早くなる。私のほかにはサウナーとお見受けする女性が何人かいらっしゃって黙々とセット数を積み重ねている。水風呂にも表情を変えない。そして特筆すべき点は皆さん肌がキレイ! 透明感もある! やっぱり水がいいと違うのだろうか。

瓶牛乳

風呂上がりの定番、瓶牛乳も

サウナと水風呂の繰り返しを3セットこなし、ジェットバスも薬草風呂も薬草サウナも試し大満足。途中に天然水を補給しつつ、浴室を出る頃には体がなんだか軽くなった感じ。これが世に言う「ととのう」っていうやつなのかも。

「ととのう」の後の自堕落

館内着に着替えて食堂へ。ここでは風呂が男女で別れているのはもちろんのこと、休憩室と食堂も完全に分かれている。男女共、脱衣所からつながる階段で2階に上がる造りとなっている。カップルで来ても一緒に食事はできないのでご注意を。

男湯の休憩所

男湯の休憩所

私としてはすっぴん、ノーブラで周りの目を気にせずごろごろできるのはうれしいが。

時計は正午だ。人気のしょうが焼き定食も捨てがたいが、お水がおいしいならここは冷麺だ! 本棚に豊富にあるマンガを読みつつ食事を待つ。

テルマエ・ロマエ

マンガも常備

カウンターから「冷麺のお客様〜」の声。口へ運ぶと、あっさりスープとキムチの辛さを体が喜んでいるのが分かる。

冷麺

冷麺は950円

いつもは娘に本やテレビを見ながらごはん食べちゃダメっと言っているけれど、こんな日があったっていいじゃないか! 背中を丸めて冷麺をすすりつつ、マンガを読む。自堕落と幸せは紙一重なり。

休憩処でくつろぐ女性

本のタイトルは「達人サウナ術」。飽くなき探究心!

サウナーたちの中には拝んでから水風呂につかるほど、しきじへの信仰心が厚い人もいるそうだ。ここが聖地と言われるゆえんを裸だけにしかと肌で感じ、軽くなった心と体でまた頑張れそうだ。

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PROFILE

石野明子

2003年、大学卒業後、新聞社の契約フォトグラファーを経て06年からフリーに。13年~文化服装学院にて非常勤講師。17年2月、スリランカ、コロンボに移住して、写真館STUDIO FORTをオープン。大好きなスリランカの発展に貢献したいと、その魅力を伝える活動を続けている。2019年4月にイカロス出版よりガイドブック「五感でたのしむ! 輝きの島スリランカへ」(税込み1760円)が出版された。
http://akikoishino.com/
http://studio-fort.com/

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