生々しいものに心ひかれる 写真からひもとく深川麻衣にとっての美

俳優の深川麻衣さんが、フィルムカメラを手に東京の下町を撮り歩く「深川麻衣のカメラ散歩『気ままにぱしゃり』」。最終回は深川麻衣さんへのインタビューです。谷中銀座と清澄白河の街並みの撮影を終えた後、写真に託す思いや心ひかれるものについて、語ってくれました。

なにを撮るか、どう撮るか。写真には自然とその人らしさがにじみ出るもの。写真を通して、深川さんが感じる「美しさ」をひもときます。
(聞き手=渡部麻衣子 撮影=山田秀隆)

深川麻衣が撮りたい「美しさ」

生々しいものに心ひかれる 写真からひもとく深川麻衣にとっての美

――今回、カメラを持って谷中と清澄白河を巡り、たくさんの写真を撮っていただきました。撮りたいと思うのはどんなときですか?

「『これを撮ったらどんな感じなんだろう』と素直に思った時ですね」

「雨の日に傘にあたる雨粒や、窓ガラスを伝って流れる水滴。ありふれた光景かもしれないけど、ビビッときた瞬間にレンズをむけます。清澄白河を歩いているときには差し込む日の光がきれいで、思わずシャッターを切っていました」

生々しいものに心ひかれる 写真からひもとく深川麻衣にとっての美

深川麻衣さんが清澄白川で撮影

【深川さんが清澄白河をめぐりながら写真撮影をした記事はこちら

「あと、人を撮るのが好きですね。谷中では、たこ焼き屋さんで働いている方を撮らせていただきました。仕事をしている姿は、その人が日常を真剣に生きている姿。そういう日々の匂いを感じられる生々しいものは美しいと思います」

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深川麻衣さんが谷中で撮影

【深川さんが谷中をめぐりながら写真撮影をした記事はこちら

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「あとは友達や家族、スタッフさんなど身近な人を撮りたいと思うことが多いです。ほかの人にとっては知らない人でも、私にとっては大切な人なので、ふとした表情にひきつけられる瞬間がある。自分と相手の関係が深いからこそ、どうということのない場面にもひかれるのかもしれません」

「思わずカメラを向けたくなるのは、整ったきれいなものでもカメラ目線のよそ行きの表情でもなく、気が抜けているときなど、その人らしいありのままの姿です」

生々しいものに心ひかれる 写真からひもとく深川麻衣にとっての美

――愛用のカメラは、フィルムカメラ。デジタルではないんですね。

「あえてフィルムカメラで撮るのは、フィルムならそのときの空気感まで取り込めるような気がするからです。スマホのカメラと違って自動できれいに補正されないし、デジタルカメラのように撮った画像をその場で確認することもできないので、現像したら想像通りに撮れていないこともあります。逆に想像以上に素敵な仕上がりになっていることも。そのワクワク感が好きなんです」

生々しいものに心ひかれる 写真からひもとく深川麻衣にとっての美

「カメラは毎日持ち歩いているのですが、フィルムを1本使いきるには、長い時だと1カ月から2カ月ほどかかります。だから、現像するときにフィルムの最初の方で何を撮ったか忘れてるんですよね(笑)。現像したときに1枚目の写真と最後の写真の間の記憶がふわぁっとつながっていくあの感じは、フィルムカメラならではです」

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深川麻衣がひかれる「生々しさ」

――他の方の作品をご覧になられる時も、先ほどおっしゃられた「生々しさ」は意識されるのですか。

「そうですね。すごく丁寧に作り込まれた、現実感のないきれいなものもそれはそれで素敵ですが、写真や映像は、撮った人の人間性が透けて見えるものや、撮られた人の体温まで感じとれるような作品に魅力を感じます」

生々しいものに心ひかれる 写真からひもとく深川麻衣にとっての美

「例えば、一緒にお仕事をさせていただいた今泉力哉監督の映画『パンとバスと2度目のハツコイ』や『愛がなんだ』は、登場人物の表情のとらえ方や日常の切り取り方が巧みで、フィクションであることを忘れるくらい劇中の人物からリアルな生活感が漂ってくる。登場人物たちの生活をのぞき見しているような感覚を抱けるほどの生々しさに、強くひかれました」

バランスをとっていた乃木坂46時代

生々しいものに心ひかれる 写真からひもとく深川麻衣にとっての美

――深川さんが「魅力的だな」と思うのは、どんな人ですか?

「お仕事でご一緒していてすごく素敵だなと思うのは、どんな役を演じていても、土台にその人らしさが透けて見える人。自分らしさを役柄に昇華させて、ほかの人では替えがきかない魅力的なキャラクターを作り上げているから、ぜひあの人に、というオファーがなくならないのだと思います」

「しっかりとした土台を築くには、仕事にきちんと取り組みながらも、いつまでも遊び心を忘れないことが大切なんじゃないかなと最近思います。素敵な方は、みなさん人生を楽しんでいるので」

生々しいものに心ひかれる 写真からひもとく深川麻衣にとっての美

――仕事をするにあたり、大切にしていることを教えてください。

「まとまっていなくても、多少間違って伝わる可能性があっても、自分の感じたことを自分の言葉で伝えることをすごく大切にしています」
「俳優として活動し始めたばかりのころ、インタビュー取材を受けた後にマネジャーさんから『うまくまとめようとする癖がついている』と指摘されたことがありました」

生々しいものに心ひかれる 写真からひもとく深川麻衣にとっての美

「言われてみれば確かに、『乃木坂46』の一員だったときは、無意識にコメントのバランスをとることが多かったかもしれません。例えば3人で取材を受けたときには、最初の子が新曲の話をして、次の子が衣装の話をしたから、私はライブの話をしようかな、といった具合に」

「自覚はなかったのですが、自分の発言が記事になったときに誤解が生じないように無難な言葉を選びすぎていたことにも、グループを離れた後に気づきました。自分の内面はきちんと自分の言葉で話さないと、相手に届かないですよね」

生々しいものに心ひかれる 写真からひもとく深川麻衣にとっての美

――今後、演じてみたい役柄は。

「ずっと時代劇に出てみたいと思っています。身分が違うと好き同士でもうまくいかないとか、何かと制約が多い時代にそれでも懸命に生きている人たちの姿にひかれるものがあるから」

「それと、一見無害なようで実は一番怖かったというような、ギャップのある役も演じてみたいですね」

「あと2年で私も30歳になるので、年齢とともに割り振られる役柄もきっと変わっていく。新しく挑戦できることがこの先もたくさんあると思うと、今からすごく楽しみです」

生々しいものに心ひかれる 写真からひもとく深川麻衣にとっての美

【衣装】ワンピース ¥31,000/カレンソロジー(カレンソロジー 青山 03-6419-7899)、バッグ ¥14,800/ブレディ(ビショップ 03-5775-3266)、その他スタイリスト私物

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