太公望のわくわく 釣ってきました

雪辱のマダイ釣り タイラバでついにゲット 神奈川県横須賀市沖

西へ東へ、海へ川へと旅して釣りする太公望たちの奮闘記です。魚との知恵比べ、釣った魚で一杯……。目的は人それぞれながら、闘いの後の心地よい疲労と旅情は格別。今回は、朝日新聞の西田健作記者が、2019年に何度も挑戦しながら釣れずじまいだったマダイの「4度目の正直」に挑みました。

今年3回釣れず、4度目に賭ける

その時々でよく釣れている魚を追いかけているはずなのに、なぜだか、毎回好成績で相性がいいものと、いま一つの魚というのがあります。私の場合、2019年はマダイが遠い。3月と8月に千葉・外房の大原港から狙うもゼロ。場所を変えて、10月には銚子近くの飯岡港から出船しましたが、またも返り討ちに遭ってしまいました。マダイは日本人になじみの深い魚。「魚の王様」と呼ばれてはいるものの、サイズにこだわらなければ、そんなに釣るのは難しくないはずなのですが……。

年内に何とかマダイとのご縁を復活させたいと船宿さんのウェブサイトをめぐっていると、どうやら東京湾は秋になってから調子がいいみたい。潮が大きく動く日限定の出船ですが、乗船者全員がマダイを手にしている日もあるようです。外房の太平洋で3回も釣れなかったのに、遊漁船で混み合う東京湾で本当に釣れるのか。半信半疑でしたが、とにかく、行ってみるしかない!

人気のタイラバに筆者も挑戦

雪辱のマダイ釣り タイラバでついにゲット 神奈川県横須賀市沖

遊漁船が並ぶ横須賀市の大津港

秋晴れの11月、神奈川県横須賀市の大津港・いなの丸さんにお世話になることにしました。悪い流れを断ち切ろうと、釣り方も手慣れた「一つテンヤ」から、ほぼ初めての「タイラバ」に。釣り人ならご存じだと思いますが、実はこの「タイラバ」、近ごろ大人気。自己流では心もとないので、タイラバ一筋の釣友・松村北斗さんに先生役をお願いしました。

タイラバが人気なのは、釣り方がとにかく簡単だからです。針のついたおもり(ヘッド)を底まで落として、ただ、リールを15回巻くだけ。餌も使いません。針の近くに、「ネクタイ」「スカート」というシリコン製の細長い疑似餌をつけていて、リールを巻くと、それがヒラヒラしてマダイを誘うんです。アタリが無ければ、また底まで落として15回巻く。また落として15回。ひたすらその繰り返しです。

雪辱のマダイ釣り タイラバでついにゲット 神奈川県横須賀市沖

タイラバの仕掛け。どの色を組み合わせるかは釣り人次第

きれいなホウボウ釣れてごきげん

そんな単調な釣りが面白いのかって? 実は私も疑っていました。船は東京湾の中ほどまで進んで、さっそく釣り開始。松村さんに薦められるまま、90グラムのヘッドにオレンジとブラックのネクタイを1本ずつセット。巻いて落として、落として巻いて。何度か繰り返すと、すぐにアタリがありました。

でも、タイラバの場合はここで竿(さお)を立てて合わせてはだめ。知らんぷりして巻き続け、何度もアタックしてくるタイの口に針が刺さるのを待つんです。どうやらうまく針がかりしたようですが、タイにしては引きが弱い。きれいなホウボウが上がってきました。

雪辱のマダイ釣り タイラバでついにゲット 神奈川県横須賀市沖

まずはきれいなホウボウをゲット

松村さんは竿を大きくしならせて、60センチ超のワラサ(ブリの幼魚)が船上に。さすが。

雪辱のマダイ釣り タイラバでついにゲット 神奈川県横須賀市沖

竿を大きく曲げ、タモに収まったのはワラサ


雪辱のマダイ釣り タイラバでついにゲット 神奈川県横須賀市沖

見事なワラサを手にした松村さん

タイラバの魅力は、手軽さに加えて、ヘッドやネクタイの組み合わせをいろいろと選べることです。理由はよく分かりませんが、マダイが好む色と形はその日によって違うとのこと。定番はオレンジ。ほかに、赤、グリーン、夜光。ヘッドやネクタイも形はいろいろです。

ワラサの後も、次々とタイを釣っていく松村さん。でも、ほぼ同じ仕掛けを使っているはずなのに、私にはその後、さっぱりアタリがありません。何でだろう??

常連さんの有り難い助言

午後3時30分になりました。竿を出せるのはあと1時間ほど。見かねた常連さんが、巻くスピードをもう少しゆっくり、1秒1回転ぐらいにしたら、とアドバイスしてくれました。巻く回数も10回に減らして、底への往復を頻繁に。すると、ついにグググと竿が曲がりました。

雪辱のマダイ釣り タイラバでついにゲット 神奈川県横須賀市沖

ついに筆者にもマダイらしき手応えが

きた! でも、ここで慌ててはだめ。焦る心を抑えて、知らんぷりしたままリールを巻き続けると、軟らかい竿がグググググググと大きく曲がりました。

やりました!! 35センチほどと小ぶりですが、ついに正真正銘のマダイがタモに収まりました。1匹釣れると、同じパターンですぐさま2匹目が針がかり。今までの苦労は何だったのか、というのは、釣りにはよくあることです。最後の最後で、マダイの気分にぴったり合う誘いになったのかも。

雪辱のマダイ釣り タイラバでついにゲット 神奈川県横須賀市沖

待望のマダイを手にした筆者


雪辱のマダイ釣り タイラバでついにゲット 神奈川県横須賀市沖

松村さんは充実した釣果

4度目の正直で、ようやく2匹のマダイをゲットすることができました。ちなみに、松村さんは絶好調。私も目的を果たせたので、夕日を眺めながら、気持ちよく帰港することができました。

雪辱のマダイ釣り タイラバでついにゲット 神奈川県横須賀市沖

夕日を浴びて帰港するタイラバ船

王道の白身魚は刺し身に アラ煮付けも美味

マダイとホウボウは自宅で刺し身に。王道の白身の味。マダイの頭とアラは煮付けにしました。ようやく手にした魚の王様の味は、格別でした。

雪辱のマダイ釣り タイラバでついにゲット 神奈川県横須賀市沖

マダイとホウボウの刺し身


雪辱のマダイ釣り タイラバでついにゲット 神奈川県横須賀市沖

マダイのアラは煮付けに

タイラバは、餌を使わず、釣り方も簡単。でも、腕次第で釣果の差がはっきりと出る。間口が広くて奥が深い。人気の理由がよく分かった1日でした。2019年最後の「太公望のわくわく」で、何とかタイの釣果をご報告することができ、筆者としてもうれしい限りです。今年も拙文を読んでくださり、ありがとうございました。2020年もよい釣りを!

大津港・いなの丸
http://www1.ttcn.ne.jp/~inanomaru/index.html

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PROFILE

  • 釣り大好きライター陣

    安田明彦、猪俣博史、西田健作、石田知之、木村俊一

  • 西田健作

    朝日新聞記者
    1971年、神奈川県茅ケ崎市生まれ。15年ほど前に千葉県浦安市に引っ越し、ディズニーランドのすぐ近くで魚が釣れることを知り、釣りにはまる。朝日新聞社では文化くらし報道部で美術担当、映画担当などを務め、現在は同部次長(デスク)。外に出られない平日のモヤモヤから、ますます週末の釣りにのめり込んでいる。

房総半島ドライブで絶景をめでつつ、港からムツ狙い 

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刺し身に、鍋に 冬の離れ磯で底物とカワハギ狙い 徳島県美波町

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