あの街の素顔

人気上昇中の街、オースティンはライブミュージックの首都

アメリカ・テキサス州の州都、オースティンは「世界のライブミュージックの首都」と言われる街。ダウンタウンには、約270軒ものライブハウスが立ち並んでいます。様々なジャンルの音楽にあふれる街は、テクス・メクス(テキサス風メキシコ料理)やBBQのレストランやフードトラックも多く、楽しみ方もいろいろです。
(文・写真:松田朝子)

オースティンの歴史を感じるダウンタウン

ダウンタウンの中心は、シックス・ストリートという通り。ここは、世界最大規模のクリエーティブフェスティバル「サウス・バイ・サウスウエスト」の会場にもなる場所です。道の両側にはクラブやバーなどが軒を連ね、まさに「世界のライブ音楽の首都」の光景。

ダウンタウンでひときわ目を引くのが、「PARAMOUNT」のサイン。パラマウントシアターは1915年に建てられた劇場で、古くから大作映画の封切館にも選ばれていました。

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パラマウントシアター。1966年の「バットマン」の第1作など、大作映画の世界封切りに使われてきました


ネオクラシック様式を取り入れた優美なパラマウントシアターはなんと現役! 現在も毎日、音楽、演劇関係の様々なイベントが行われています。

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オースティンのランドマークとなっているホテル「ザ・ドリスキル」

時の流れが止まったようなクラシカルな建物は、ザ・ドリスキルというホテル。1886年に牧畜家ジェシー・ドリスキルによって建てられた、ロマネスク様式のホテルです。ここはテキサス州でもっとも有名なホテルの一つであり、100年以上も営業し続けているゴージャスホテル。

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ロビーフロアのモザイクタイルやステンドグラスには、思わずため息が出ます

クラシカルな建物が立ち並ぶダウンタウンですが、それらを見下ろすような高層ビルも。フロストバンクタワーは、高さ157メートル、33階のガラス張りのビル。

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現代オースティンの象徴とも言えるフロストバンクタワー(左)

オースティンは、第2のシリコンバレーと呼ばれているくらい、ハイテク産業の盛んなところ。昨今、シリコンバレーの物価高騰などの影響を受け、西海岸からテキサス州に移ってくる企業は多く、オースティンは、産業的にも注目度の高い街なのです。

オースティンならではの店! ショッピングのオススメ

オースティンらしい、個性的なショッピングを楽しみたければ、サウスコングレス地区へ。地元の人からは「SoCo(ソーコー)」と呼ばれているこの地域には、見ているだけでも楽しいビンテージの古着や家具を売る店、掘り出し物を探したくなるアンティークショップ、コテコテのウェスタンスタイルのブーツショップなどが通りの両側に並んでいます。

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ウェスタングッズの店では、広い売り場にカラフルなブーツがずらりと並ぶ


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インスタ映えしそうなショップやレストランも並びます

自然食品にこだわる人ならホールフーズマーケットに。全米に出店しているので珍しくもないかもしれませんが、ここオースティンが発祥の地です。今をときめく企業のおおもとがここだったと思うと、オースティンの今後も楽しみです。

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グルメ・スーパーマーケットとして有名なホールフーズ・マーケット

テキサス大学の個性的なミュージアム

テキサス大学のキャンパス内には様々な美術館があり、ちょっとしたアート散歩にぴったりです。ブラントン美術館では、1万8千点を超えるヨーロッパ、アメリカ、ラテンアメリカの芸術作品を楽しむことができます。中でもアメリカの芸術家、エルズワース・ケリーの遺作となった建物「オースティン」は必見です。

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テキサスの青空にマッチした、エルズワース・ケリーの作品「オースティン」


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「オースティン」は内部に入れる。ガラスを通したさまざまな色の光はフォトジェニック

ブーロック・テキサス州立歴史博物館は「テキサス州の歴史を伝える」ために造られた博物館です。テキサス州は州旗から「ローン・スター ・ステート」(ひとつ星の州)とも呼ばれますが、スペイン、フランス、メキシコ、テキサス共和国、アメリカ連合国、アメリカ合衆国の六つの政府によって統治されてきた歴史があり、この大きな一つ星は独立を勝ち取るための長い歴史を表しています。

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ブーロック・テキサス州立歴史博物館では先住民の歴史から戦争、独立まで知ることができます

リンドン・べインズ・ジョンソン図書館&博物館は、第36代アメリカ大統領であるリンドン・べインズ・ジョンソンの在任期の資料を公開する施設です。

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大統領の執務室が再現されていたり、大統領とその家族のコレクション、外国の高官からの贈り物などが展示されています

ライブハウスの首都で音楽ざんまい

ライブハウスを巡り歩くのに、決まりはありません。ライブハウスが軒を連ねるシックス・ストリートなどを歩きながら、気に入った店に入り、飲み物を1杯オーダーすれば、立派なオーディエンスになれます。そこで1コマ約40分くらいの演奏を聴いたら、チップを置いて次へ。もちろん、もっと長くいても大丈夫。また、どんな店を選んだらいいかわからない、という人は、「Austin Live Music Crawl」(オースティン・ライブ・ミュージック・クロール)というツアーに参加するといいでしょう。約3時間のこのツアーでは、観光用ではない地元ミュージシャンの演奏が楽しめるライブハウスを2〜3カ所巡ります。

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ツアーでめぐったライブハウス「ザ・サクソンパブ」

音楽フェスさながらの迫力を楽しみたければ、オースティン・シティー・リミッツ・ライブ・アット・ザ・ムーディーシアターへ。ここは、年間約100のコンサートが開かれる、最新のライブミュージック会場です。

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オースティン・シティー・リミッツ・ライブ・アット・ザ・ムーディーシアター©Jonathan Jackson

テキサスならではのワイルドなタコスとBBQ

メキシコ国境に近いテキサスでのグルメシーンには、テクス・メクス(メキシコ風アメリカ料理)が頻繁に登場します。その代表的なものがタコス。

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モダンな雰囲気の店内は、ライブハウス巡りの後に訪れても、静かに食事を楽しむことができます

ダウンタウンにあるホテル、ヒルトン・オースティンの1階にある「The Austin Taco Project」は、フュージョンタコスとローカルビールの楽しめるレストラン。ここでは、オーソドックスなタコスから、豆腐の入ったタコス、タイカレー味などなど、インターナショナルなタコスのバリエーションが楽しめます。迷ったら、シェフが選んだ5種類の味が楽しめる「TAC-OMAKASE」を!

タコデリは1999年にオースティンで誕生したタコスのチェーン店。ファストフード風の店内はカラフルでフォトジェニック。朝から午後3時までしか営業しないというタコデリは、朝から満席! 「朝からタコス?」と思うなかれ、ブレックファスト用のメニューでは、スクランブルエッグ入りなどもあり、胃にも優しい分量です。オースティンではタコスに明け暮れても、ヘルシーに過ごすことができそうです。

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タコデリのタコスはグルテンフリー。食材は地元の20カ所以上の農家、牧場主、漁師から仕入れる地産地消スタイル

もう一つ、オースティンで食べたいものは、バーベキュー。「Low&Slow」といって、豚や牛の硬い部位を低温でじっくり蒸し焼きにし、骨から肉がスルッととれるほど柔らかく調理したテキサスBBQは、バーベキュー大国アメリカにおいても人気です。

リロイ&ルイス・バーベキューは、店舗を持たないフードトラック。ここでは、地元の農場や牧場から調達した季節の食材を使用し、伝統的なバーベキューメニューを展開しています。同じ敷地内のバーでローカルビールをオーダーし青空のもとで味わうテキサスバーベキューの味は格別!

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「リロイ&ルイス・バーベキュー」は、従来のフードトラックを超える味とサービス

オープンエリアが楽しいのは、セントエルモ・ブリューイングカンパニー。ビール好きの若者2人が始めたブリュワリーでは、ライブミュージック、ヨガイベントなども開かれています。

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地元の人たちはフードトラックで食べ物を買って、ブリュワリーで出来立てのビールを楽しんでいます

ライブハウス巡りに飽きたら、街の中心にあるレディバードレイクで、カヤックなどのアウトドアアクティビティを。湖には水鳥や亀なども泳いでいて、街の真ん中で自然の風景を楽しむことができます。

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細長い水路は川のようにも見えますが、ここは洪水制御のために作られた貯水池

ハイテク産業や音楽シーン、フードカルチャーなどで盛り上がるオースティンは、これからが楽しみな街。様々なインスピレーションを受け取りに訪れてみませんか?

PROFILE

  • 「あの街の素顔」ライター陣

    こだまゆき、江藤詩文、太田瑞穂、小川フミオ、塩谷陽子、鈴木博美、干川美奈子、山田静、カスプシュイック綾香、カルーシオン真梨亜、シュピッツナーゲル典子、コヤナギユウ、池田陽子、熊山准、藤原かすみ、矢口あやは、五月女菜穂、遠藤成、宮本さやか、小野アムスデン道子、石原有起、高松平藏、松田朝子、宮﨑健二、井川洋一、草深早希

  • 松田朝子

    東京・銀座の料亭に生まれ、戦前から続いた料亭を2009年にたたみ、現在は旅行作家/ライターとして旅行メディア等で活動中。日本旅行作家協会会員。旅をして、変なものを見つけると書かずにはいられなくなる癖あり。主な著書に「空飛ぶベビーカー」(東京経済刊)、「子供も大人も ラスベガスの達人」(山と渓谷社刊)、「旅先だとどうして彼は不機嫌になるの」(自由国民社刊)。

取材協力
ブランドUSA
https://www.thebrandusa.com/

オースティン観光局
https://www.austintexas.org/

アメリカン航空
オースティンまでは、成田からダラス・フォートワースを経由して行くのが便利です。アメリカン航空なら、煩雑な乗り継ぎも楽々。日本から同一エアラインでオースティンに到着できます。また、アメリカン航空は総旅客運送数で世界一の航空会社であり、日本からアメリカの各都市を経由して、中南米やカリブ諸国へもスムーズに乗り継ぎできます。

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